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第八話 私が、私たちがお嫁さんです!

りはびりりはびり・・・ のんびりと、再開いたします

課題―――それは前途有る有望な若者達に課せられる試練の一つ。

課題―――それは時に辛く、厳しい戦いを私たちに強いるもの。

課題―――ぶっちゃけしなきゃいけないのは分かるけど、めんどいよね?


 チャイムが鳴り終わるまでには何とか教室に間に合った。

保健室に居た時間の授業は体調不良に対する理解のあるおじいちゃん先生と

コレまでポイントを稼いできた教科だから一応リカバリも効く・・・

次の鬼も授業開始とともに回収する課題さえきっちり出せば問題はない。

 チャイムが鳴るまでに教室に入れなかったらあの鬼のことだ、絶対に教室から締め出していたに違いない。

危ないところだった。実に、危ないところだった。

 ほっと一息を付きながら、なんか人の指をさっきから咥えて「はむはむはむはむ」言ってる叶さんを引き剥がす。

別に咥えるくらいはもう良いけどね?みんなの視線が痛いんだよ。


「さっきから普通に混ざってるけど誰だろ、あの子」

「超綺麗だね・・・人の指齧ってるけど」

「せっかくの美人が台無しだな」

「あぁ、台無しだ。美人なのに」

「残念な子なのね」


「でもなんで槌谷を齧ってるんだ?」

「きっとあれね、槌谷君は実は高級食材だったのよ」

「「ナ、ナンダッテー」」

「そうか、ならば奴の指を一度味見してみよう」

「本音はあの子と同じ指を咥えて間接キスがしたいんだろ、変態め」

「あ”?間接にキスさせてやろうかテメェ」

「私、今の狙いを理解できるほうも引くわぁ」

「常識人の少ないクラスだぜ」

「全くだな、常色人は多いのにな」

「あの子からは私と同類の匂いがする・・・」

「え、また?色ボケピンク枠は二人で良いよ」


突っ込まない、今日は突っ込みなんて入れないぞー?

一回突っ込みいれたら放課後までみんなボケだおしてくるに違いないからね。

常日頃から、ボケに反応するこの腕をどうにか沈めないといけない・・・


「旦那様、腕が震えてますけど大丈夫ですか?」

「シャーラーップ、NOT旦那様 マイネームイズツチーヤ」


 はい、そこ爆弾発言しない。ハイエナの如くボケるネタを探してるクラスメイトの前で旦那様発言はアウトー

もう何人か眼をギラギラさせ始めたよ、完全にこっちロックオンしたよ。

どうしようかな、いぢりを回避するためにもやっぱり本気で突っ込みいれていこうか。


「ハッハッハ ツチーヤイズダンナサマ」

「ハッハッハ ナイスジョーク」


「あんな美人に旦那様って呼ばれるなんて」

「何処であんな美人を」

「くんくん・・これは、犯罪臭?」

「弱みを握られて、槌谷の命ずるままにあんな事やこんな事」

「挙句の果てにあぁん☆なことやくぅん♪な事までやっているに違いない」


「「「「犯罪者め・・・」」」」


 うん、ボケでやってるんだよね、みんな?さすがにそこまで信用が無いとかそんなことじゃないよね?

冗談だよな、冗談だと言ってくれ、まさか本気で言ってないよな!と言うかいい加減に放して叶さん!

黄金の右が出せない!


キーンコーンカーンコーン

  キーンコーンカーンコーン


 なんて馬鹿なことやってたらチャイムが鳴った。

仕方がない、一人ひとりしばくのは後回しにしよう・・・


「ほら、チャイム鳴ったし叶さんも早く席ついて。次の先生そう言う所にうるさい人だから」

「旦那様と一緒の席に座ります!」

「はいはい、隣の席くらいなら後で誰かにかわってもらおうね。

 とにかく、今はうしろに空いてる席があるから多分其処が叶さんと美月さんの場所だよ」


 いまだに手を握って軽く食んでる叶さんを軽くあしらいながら後ろの席に押して行く。

指を咥えるの、そんなに気に入ったんだろうか?そろそろ指先がふやけそうなんだけど


「もうチャイムは鳴り終えたぞー、席に着けお前r「席つけーテメェら!!嬉しはずかし転校生の紹介だぞー」


扉を開けて入ってきた鬼(先生)の気配を感じて席に急いで戻ろうとしていると、

その後ろから合わせて会長と副会長がついてきていた。

あぁ、遮られた鬼が滅茶苦茶睨んでるのに完全に無視してる

さっき別れたばっかりなのになんで会長の後頭部にこぶが出来てるんだろうか・・・


「先生、授業前に少しだけ時間をいただきます。

 昨日の内にお話した高天原の二人が到着しましたので

 まとめて紹介する時間をください」

「・・・手短にするように。聞いてはいたが、今は授業中だからね」

「えぇ、すぐに。美月、こちらへ」

「神原?生徒会長の後頭部に見覚えのないたんこぶが出来ているのはなんだい?」

「あぁ、これな。お前が来る前に「階段で転んだんですよ。ね、志堂?」うっかりと足を滑らせてシマッテナ」

「・・・そういう事にしておこう、そんな調子で叶の護衛を忘れないで欲しいけれど」

「その辺りは私もいますから他にも何人か回すように手配しますよ。

 志堂、叶を前に連れてきてください」

「へいへい、人狩りいこうぜー 自己紹介タイムだからとっとと出て来い」


生徒会長が飄々とした足取りで後ろの席に座っている叶さんの元へ歩み寄り、

首根っこを掴んで無理矢理引きずっていく。

無理矢理というか、力技と言うか、ドナドナされる叶さんも涙目だ。


「ほれ、自己紹介しろ、自己紹介。あんま待たせてっとそこの鬼が切れるぞ」


顔を向けずに鬼(だから先生だって)を指で差しながら会長がゲラゲラと笑っている。

あからさまにえらそうな態度の会長の後ろで副会長が鬼をなだめて・・・あとでまた注意されるのかなぁ

実は会長はドMなんじゃないだろうかと生温い目で見つめながら転入生の二人を見る。

まぁ叶さんはさっきからいたし、美月さんも昨日から話してるからわくわく感はないんだけどね。

と、美月さんが少し前に出た。先に彼女から自己紹介かな?


「高天原美月だ。今回は少々込み入った事情で急な転校となった。短くなるか長くなるかはわからないけれどよろしく頼むよ。 ちなみに特技は暗殺と諜報活動、趣味はメイドさんだね」


軽くクラスを見渡すと一息に、手馴れた様子でさらさらとちょっと不穏当な言葉を混ぜながら自己紹介を終えた。

クラスメイトの反応が薄いのは暗殺が冗談だと思ってるからなんだろうなぁ。

どう反応していいか判ってないみたいだし・・・と、次は叶さんの番か。


「高天原叶です。私もどのくらいの期間こちらにいられるかがわかりませんが皆様よろしくお願いいたします。趣味は旦那様いぢr、旦那様と一緒にいることです♪」


うん、最後の趣味意外は無難な感じにまとめたね。さっきよりクラスメイトからのロックオンの数増えたんだけど。あとで大変な目に会うの僕だって叶さん分かってるかな?


「ちなみに旦那様っつーのはだな?」


こら、生徒会長!!今は黙ってろ!ここで暴露されたら休み時間が逃走時間になってしまう!

僕の内心を知ってか知らずか、更に笑みを深めて―――


「「そこに居る槌谷だ(さんです♪)」」

「叶さんまでかっ!!」

「「「っしゃぁー!!言質取れたー!リア充狩りじゃぁあ!!」」」

「「「「「「「オォォォォォッ!!」」」」」」」

「何、この団結力!?要らない時だけそんな団結発揮しないでよ!?」

「でも旦那様なのは事実ですし…」

「せめてもう少しオブラートに包んでおいてほしかったかな!」


「先生、では私たちは失礼します。美月、程ほどで騒ぎは収めるようにして下さいね?」

「私がいるときは学業に影響を与えない程度でとめるさ。一応ね」

「んじゃさっさと着替えてグラウンド行くかねー、たしかサッカーだったか?」

「志堂は…生徒会室ですよ?美月が到着してしまいましたからオハナシも途中でしたし」

「いや、運動はクラスメイトと一緒にさわやかな汗を流すべきだよなーと思うんだが?」

「私もクラスメイトですから問題ありませんね。それと槌谷?」

「…はい?」

「不順異性交遊は程ほどに。せめてばれないようにしなさい」

「しないよっ!!昨日からなんで皆ソッチ方向にもっていくかな!?」

「「「「リア充はコロセー!!」」」」

「あーもう!!うっさい!!それは休憩時間にしろぉーー!!」


―――このあと、とうとう鬼が切れてめちゃめちゃ怒られた。


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