女の子と僕。
掲載日:2026/05/20
どうしてかは、分からないが、僕は人生において、大事な人や物をたくさん失ってきた。
その結果できたのが、僕の傑作の詩や小説だ。
それで嬉しくもあったが、その反面寂しい気持ちもいくらかあった。
「また見てるの?」
そう僕は言う。
知り合いの女の子は、何も言わない。
黙って、僕の隣で僕の小説を読んでいる。
「この小説はね、僕がとても美人の女の子と恋愛していた時に、書いたんだ。」
女の子は少し怒った顔をする。
電車で僕の隣の席にいる子は、僕の知り合いの人から一日預けられた奈々という可愛い女の子だ。
僕はアルバイトでその子と、一緒に絵画展に行くところだった。
「どうしておじさんは小説なんて書くの?」
家系だからとはどうしても言えない。
「おじさんは小説に向いているし、他のことはできないしね。」
「私も小説がいい。」
「·····」
僕は苦笑する。
駅に着き僕らは降りた。
青空の彼方から白い雲が、いくつもいくつも見える。
ああ、また来ているのですね。そう僕は思う。
生きているというそれだけで、幸運だ。
また小説を書こうと思う。今度はもっと長いのを····




