第一章10『新しい拠点』
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洞窟を抜け、草原に出る。
道中、あらわれた魔物を倒しながら建物がある場所まで突き進む。
その頃になると戦い方も大分慣れてきたのか魔物の行動を予測して回避したりと俺の動きも良くなってきた。
ヒロアキ Lv7 冒険者ランク ルーキー
メリア 魔法の使い手Lv29 冒険者ランク ブロンズ
レイナ 剣士Lv20 冒険者ランク ブロンズ
リーフィア 術師Lv11 冒険者ランク ルーキー
「腹が減った」
「大丈夫ですか、ごしゅじん様。お疲れのようでしたら少し休憩を」
ネコミミを左右に垂らしながら心配そうな顔をして上目遣いで俺に顔を向けるリーフィア。
「全くこれだから肉体がひ弱な人間は……。地図よると、あと少しで着くはずです。皆も耐えているんですからアナタも少しは我慢して下さい」
「あ、お城が見えてきたよー」
地図を見ながらレイナが指を指した方角にはスビルカ王国という国があって大きな城が建っていた。
王国に立ち寄ってみると街は人で賑わっていた。
市や雑貨屋、アイテムショップに飲食店などが建ち並んでいて栄えている印象だ。
「あれが例の王都から来た冒険者か」
「ようこそ スビルカ王国へ」
どうやら入国してきた俺たちをスビルカの国民たちは歓迎してくれた様子だ。
「世界に平和をもたらす一行が王都よりやってきて魔王を退治してくれるらしいという噂を聞きました!」
王都のエリクト国王から俺たちの話が伝わっていたようだ。
「ねぇねぇヒロアキ。なんだかすごく賑やかで楽しそうな街だね!」
「ああ、」
「見て周って行ってきても良いでしょうか?ごしゅじん様」
「少し休憩しましょうか」
その前にレイナの剣が、岩で出来た地面へ突き立てたときに刃こぼれしてしまったのでまずは、武器屋へ立ち寄ってみることにする。
俺は店の扉を開けると中には見知った顔の人物がいた。
「よぉ兄ちゃん達、元気にしてたか?」
武器が並んだカウンターの奥から出て来たのはエリクトに居た武器屋のおっちゃんの姿だった。
「おっちゃん?!何でおっちゃんがスビルカ王国に」
「初めて会った時に言っただろ。他の王国や町にも店舗を経営しているってよ。(第一章5を参照)で、今スビルカの店に在庫を補充しにきたんだよ」
「おじさん、こんにちはー」
「レイナちゃんか。おう、こんちわ」
「レイナがいつもお世話になっております」
「何だ?、メリアとレイナはおっちゃんと知り合いだったのかよ」
「王都を利用している冒険者は大体はあの店を使いますからね」
俺の後ろからひょっこり顔を出して、猫人族のリーフィアが出てきた。
「おじさま、あの節は大変お世話になりました」
「――猫人族のお嬢ちゃんか?見違えたなァ。しっかりした冒険者らしい顔になったじゃあねェか」
武器屋の親父にリーフィアが御礼と頭を下げてお辞儀をする。
幼児の成長っぷりの速さに驚く武器屋の親父、なんだよ既婚者で妻子持ちだからって俺をバカにしてたのか?以前は俺のことロリコンみたいに言いやがって。
おっちゃんの方が子供にデレデレじゃあないか。
「おじさん、このお店で1番いい剣は置いてない?」
「レイナちゃんに合う剣は………これなんかどうだ」
店の奥の棚から武器屋の親父は鞘に収められた剣の柄の部分をレイナへ手渡す。
「高鋼鉄の剣だ。値段は少し高いがそれに見合った性能をしているオレのおすすめだぜ」
はがねの剣
「鉄」と何が違うのかと言えば、鉄は物質の単体の名前。その鉄に様々な成分を混ぜたりして不要な成分を除去し、ひと手間かけて優れた性質に調整した加工材料が「鋼」と呼ばれる。
高品質な鋼鉄の素材が使われた剣。
「おっちゃん、料金は」
「銀貨6枚に、金貨3枚の計3万6千ロギーだ」
ドラグニアの計算は大体、俺がいた世界と同じらしい
銅貨=500円玉
銀貨=1000円札
金貨=1万円札
「レイナの武器代は出してあげるよ。俺が戦闘に参加できない分は助けて貰っていたから」
「ホントに?ありがとうヒロアキ!嬉しいな」
大きく果実のような胸を揺らしながらレイナはピョコピョコと飛び跳ねて喜んでくれた。
まるで子供みたいだ。
「リーダー、カワイイ女性の前だからって随分格好のいいセリフを言っていたけど。資金を得られたのは誰のおかげか理解しているのかしら、無能の癖に上からにも程があるわ。あと、せっかくなので私用の防具もお願い」
いつもよりダメージのある毒を俺に吐くメリア。
って、ちゃっかりお前のも要求すなっての。
「ごしゅじん様、私にもよろしいでしょうか」
全員分の武器や防具、食事代を奢ってあげることになってしまった。
財布の中身が減っていく。
武器屋を後にすると、みなでレストランで食事を済ませ宿泊するための宿を探す。
「スビルカの街は色んなお店があって楽しかったねー!リーフィアちゃん」
「はい。誰かとお買い物したのは本当に久しぶりで楽しかったです!アクセサリーに護身用のアイテムも買ってしまいました」
「はぁ、またクエストで稼がないとヤベぇな」
「日も落ちてきてしまいましたね……泊めくれる場所を探さないと」
辺はすっかり日が暮れて闇夜が訪れる前、逢魔が時になっていた。
俺たちは一軒だけ空いていた宿屋に入ると主人に尋ねる。
「店主。亜人で猫人族の奴隷が1人、連れでいるんだが入室はできるか?一泊、泊まらせてほしい」
「はい、左様でございます。当店はどんな血筋や種族の方でもご提供させて頂いております」
マジか!?この店。と俺は内心、飛んで喜ぶ。
王都では奴隷へ対する差別はとても酷いモノだったからだ。
悪口のオンパレードで、詳しくは話さないが石を投げられたりもした。
宿屋の主人がいう、
「この国は、王都と周辺国に挟まれた場所に位置しておりまして中継地点的な役割を果たしているのですが……」
店主は話を続ける。
「実は、遥かずっと北の方向にあるという『氷の城を統べる女王』が台頭して以降、そちらへお客を取られておりまして現在は経営難なのですよ」
「だから種族も関係なく受け入れで宿泊を可能にしていたのか」
この異世界ドラグニアには、巨大な氷で建てられた城と氷の王国ってのがあるのか。
ますますゲームっぽいな。
「で、リーダーさん。今夜は泊まらせてもらえそうですか」
「おお、大丈夫だってさ」
ッ……つーかいい加減もうパーティーを正式に組んだのたから、名称とか役職じゃあなくて、俺のこと名前で呼んでくれても良くないか?
このクール係ツンデレ娘!。
こいつ魔族をボコボコにした時のように、漫画にあった戦闘種族のスーパーなんとか人みたくなるから、マトモに相手をしたら俺なんかじゃあ100%勝てない。
お前しばくぞ、とは口が裂けても言えない。
外で待機していた仲間たちに経緯を説明すると宿主が部屋へ俺達を案内してくれた。
「コチラがお客様のお部屋でございます。では、ごゆっくり」
部屋の鍵を俺に渡してその場を立ち去った。
「俺は、みんなが終わってから風呂に入るよ」
「ヒロアキ、譲ってくれるの?やっさしー、流石は男子だよね」
部屋は男子用と女子用で二部屋を借りたが男用のシャワー室が故障していた為、風呂場は1つしか設置されていない。
まずはレイナがリーフィアと一緒に入るらしく風呂場へ仲良く2人で向かった。
「気持ちいいね。リーフィアちゃん」
壁が薄い部屋なのか……。
?! ――決して聴こえてこないであろうはずの声が俺の泊まっている部屋の壁越しに聞こえてくる。
「はい。これが湯船で、これが石鹸でしょうか?」
「そだよ。コレを使って身体を綺麗にしようね」
母親が娘に手本を教えるようにまずはレイナの身体から洗う。(ヒロアキに彼女たちの光景は一切見えていない)
石鹸で全身に泡を付けて汚れを落とす。
収まりきらないほどの大きな果実。おっぱいを、ゆっくりと指で指すって老廃物を落としていく。
撫でる度におっぱいがプルンプルンと振動してゆれている。
「はーい、次はリーフィアちゃんの番ね。こっち向いて」
「お、お願いします」
固く緊張している様子でリーフィアは着ていたオーバーオールを脱いで裸になる。
「あはは。別に怖がらなくても平気だよー」
「ういぃ……」
恥ずかしそうにしながらリーフィアはもじもじしている。
「レイナさん。おっぱい大きい」
泡を全身に付けて洗ってあげるとレイナの指が下半身の大事な部分に触れる。
「うりうりうりー、お姉ちゃんに任せなさい」
「そ、そこはダメ……なの」
ホタテの部分に触れるとビクビクと反応し、くりくりと撫で回していると充血して大きくなっていく。
小柄な身体が小さく波を打って痙攣している。
何かいけないことをしている気分になってしまう。
2人は仲良く交代で泡を洗い流すとバスタオルで身体を拭いて風呂場から出て自室へと戻っていった。
「ふぅ、やっと終わった。次は俺の番だな」
メリアが入り終わる頃には夜中になっていた。
一体どんな事が行われていたのだろうか……ヒロアキには知る由もない。
見れない。クソ、どうやっても見れない。
ちくしょう、俺もあの場所へ混ざってみたかった!そんな後悔の念を抑えつつ俺は一人寂しく汚れた身体を綺麗にした。