5回目 戻ってきてまずやる事
とりあえずネットなどで情報を確認する。
誰かが何かを発進してないかを。
ネットニュースから、SNS。
自分が見聞き出来る範囲での現状を探る。
まだ大手のニュースなどには何も流れてない。
速報として政府から警戒が発令されてるようだが。
具体性はまださほどのってない。
SNSの方はもう少し反応が早い。
自分が見聞きした事を投稿してる者がいる。
タクマもそれらの一人として、自分が登録してるSNSに情報を書き込んでいく。
自分が見聞きした事が少しは役に立つかもしれないからだ。
そして、生存報告も兼ねている。
『これが途切れたら、俺もダメになってるかもしれない』
そんな一文を書き込んでいく。
『だから、これが続く限りは、まだ生きてるという事だ』
これも加えていく。
こんな事にどれだけ意味があるかは分からない。
だが、もしかしたら何かしらの意味があるかもしれない。
また、万が一なにかあった場合、誰かが何かしらの行動をしてくれるかもしれない。
その可能性に賭けての事だった。
期待は全く出来ないが。
それでも、必要な情報は少しずつ出回ってきているようだった。
それらを確認しつつ、タクマは外へと出る。
当面必要なものを確保する為に。
もちろん、手ぶらで動くわけもない。
キャンプ道具から使えそうなものを持ち出していく。
ナイフに鉈、手斧。
こういったものは迷わず手にとっていく。
それと着火用のバーナー。
雰囲気がないのであまり使わないが、即座に火を付けたい時には便利だ。
こういった攻撃手段になりそうなものをリュックに放り込んでいく。
加えて水筒と保存食。
帰宅の時の状況から、思ったよりも回り道をする事になるかもしれない。
長丁場に備えて、ある程度の準備はする。
ついでに携帯トイレも。
使わずに済めばそれが一番だが。
そういった必要そうなものを担いで外へと向かう。
自転車が壊れたので移動手段がなくなったが、それも問題はない。
代わりの確保はさほど難しくもないとふんでいる。
通りに出れば、やはり移動手段が転がっている。
放棄されたままの自動車。
それらがそこかしこに放置されている。
特に、内部から窓が破壊されたもの。
おそらく運転手が化け物に変わったのだろう。
それらは歩道に乗り上げたりしてるが、まだ使えそうだった。
こんな事、窃盗や強奪でしかない。
しかし、持ち主不在であり、おそらくそいつが元に戻る事はないだろう。
少なくとも、当面戻ってくる事は無い。
戻ってきても、自動車を使えるとは思えない。
「だから、すんません、拝借します」
この場に居ない色んな何かに弁明をしながら運転席に座る。
そのままアクセルを踏み込んで動き出す。
ぶつかったりして道はあちこち塞がっている。
それでも表の通りは使いづらい。
やむなく住宅地の中を突っ切るように進んでいく。
そちらの方が、まだ道が開いていて進みやすい。
そうして向かうのはホームセンター。
この先必要になりそうなものを確保する為に。
途中で立ち寄った銀行ATMから有り金全部を下ろして。
買えるものを全部買い集めていくつもりでいた。




