46回目 悩んでる時間がももったいないならば
どれだけの時間が残っているのか?
それが問題だった。
集まってる化け物。
それらが何をしようとしてるのかは分からない。
だが、ろくでもない事なのは確かだろう。
タクマが倒した顔面巨人のようなものが出てくるのかもしれない。
あるいは、一斉にどこかに攻め込むのか?
それも問題だった。
酷い言い方になるが……それが別のどこかに行くならいい。
被害がタクマ達のところで出る事は無い。
しかし、そうでなかったら?
あるいはもっと悪い何かが起こるのかもしれない。
化け物がやりうる事で、タクマ達の利になる事があるとは思えない。
何が起こるかわからないが警戒は解けない。
用心しすぎるという事は、この状況では無いだろう。
(だとすりゃ……)
車で移動する事を放棄した方がいいのかもしれない。
玉の力で一気に接近した方がいいのかもしれない。
時間を考えるなら、それが一番効果的だろう。
(どうする……)
こうして悩んでる時間ももったいない。
「しょうがないか」
声に出して意を決する。
「アスマ、車を捨てるぞ。
化け物のところまで一気に飛ぶ」
車を止めながら電話越しにアスマに告げる。
「トモルとカヲルもだ。
玉を使って一気に飛んでいく」
そう言ってから車を降りる。
念のために道路を塞がないように車をとめる。
他の者が続くのを見て、
「行くぞ」
タクマは能力を強化して駆け出す。
他の三人もそれに続く。
強化された足は自動車並の速度をもたらす。
しかも道路を進む必要もない。
目的地まで直進していく事が出来る。
間に障害にとなるものがあっても関係が無い。
家の屋根を伝い、木々を飛び越えていく。
もう漫画の世界だが、これくらい簡単にこなす事が出来る。
身体能力の強化とはそういったものだ。
その力をもって、タクマ達は化け物の集まって場所へと向かう。
「──あそこだ」
その場所が見えてきた。
化け物の集結地点
「どうします?!」
トモルが尋ねてくる。
化け物の数は多い。
一々相手をしていたら時間がかかりすぎる。
悩みはしなかった。
「こうする!」
先ほど手に入れた巨人の玉。
いくらかその霊気は使ったが、まだかなりの気が残ってる。
その全てを使い、一気に解放していく。
気、そのものが凝縮されていく。
それは玉から解放され、圧縮されていく。
それを複数造り、化け物共の中に投げ込む。
広範囲にばらまかれた圧縮された気。
それらはタクマが求める地点に届くと、次々に爆発していった。




