42回目 不気味な見た目が弱点でもあった
タクマは一人、巨人へと向かっていく。
他の者達逃げろと言いながら。
それを見て、他の者達も足を止める。
「おい!」
「何やってんだ?!」
驚き慌てる声がそこかしこから上がる。
耳にそんな声が入ってくるが、気にしてる場合ではない。
目の前にいる巨人に向かって、タクマは走っていく。
能力は強化しながら。
今もってる玉のほとんどを使って。
拾い集めた玉はかなりの物になってる。
それらを使って、自身の能力を高めていく。
化け物相手の鉄則だ。
勝てる条件を揃えておかねば、自分が死ぬ。
<< 御津来タクマ >>
基本霊力 35
体力 35 +1100
健康 35 +1100
反射 35 +1100
作成 35 +600
直観 35 +1600
思慮 35 +1000
共感 35 +1000
意思 35 +1000
<< 御津来タクマ >>
化け物を確実に倒すために必要な能力を確保していく。
今までにないほど玉を消耗するが、気にしてられない。
対抗できるだけの力がなければ自分が負ける。
負ければ死ぬしかない。
タクマにそんなつもりはない。
やるからには勝つ。
勝たねばならない。
命がかかっていればなおさら。
負けて花実が咲くなんてこれっぽっちも思ってない。
「生きてて────なんぼだろ!」
叫びながら巨人に突進する。
図体だけでなく、反射神経の良い巨人ですらも避けられないほどの速さで。
巨人は接近するタクマに合わせて足を振る。
蹴り飛ばそうとしたのだろう。
だが、その足にタクマは飛び移る。
着地の瞬間に、両手の鉈と手斧で浮かんでる顔を二つたたき切った。
効果があるとは思わなかったが、行きがけの駄賃である。
少しでも苦しんでくれればそれで良かった。
「ぎゃあああああああああ!」
「ひぎゃああああああああ!」
悲鳴が今は心地よい。
一矢報いてやった気になる。
それが本当に効果があると分かったのは次の瞬間。
発動し続けてる気力による探知で分かった。
化け物の力が減少していた。
<< 顔面だらけの巨人 >>
基本霊力 1000 → 995
体力 1500 → 1492
健康 1000 → 995
反射 1000 → 995
作成 500 → 497
直観 1500 → 1492
思慮 500 → 497
共感 500 → 497
意思 1500 → 1492
<< 顔面だらけの巨人 >>
減ってると言っても小さなものだ。
だが、確実に巨人は弱体化した。
「なるほど……」
つまり、表面に浮かんでる顔面。
これが弱点なのだろう。
そうと分かれば話は早い。
飛び乗った巨人の足。
それを駆け上がりながら手当たり次第に顔面を叩き潰していく。
一撃で破壊されていく顔面。
それと同時に巨人の能力も低下していく。
一つを潰すと、他のものも苦悶を浮かべる。
泣き叫んでいく。
それが鬱陶しいが、それではっきりした。
やはり浮かんだ顔が弱点なのだろうと。
だったら、ためらう事もない。
ほぼ垂直の巨人の胴体を駆け上がる。
駆け上がりながら手当たり次第に顔面を潰す。
巨人の巨体をたたき切る事は難しい。
だが、表面に浮かんでるものなら話は違う。
強化したタクマの能力をもってすれば造作も無くやっていける。
右足から駆け上がり、腹から胸へ。
その間にあったいくつかの顔面を破壊した。
顔面だけではなく、巨人も苦悶に体をよじっていく。
駆け上がるタクマをはたき落とそうと手を伸ばしてくる。
その手にタクマは飛び移り、今度は腕を伝って進んでいく。
これも、途中にある顔面をたたき切りながら。
足で踏み潰しながら。
そのまま頭まで一気に駆けていく。
高さは20メートル。
近くにある校舎の屋上を見下ろす高さだ。
その高さでタクマは化け物と対峙する。
顔面だらけの巨人。
その頭も顔面だらけだった。
目や耳、鼻に口といったものはない。
丸い頭部の表面にたくさんの顔が張り付いている。
その顔が怒りと恐怖にゆがみながらタクマをにらむ。
それを無視して、タクマは手当たり次第に顔面を破壊していった。
<< 顔面だらけの巨人 >>
基本霊力 995 → 846
体力 1492 → 1272
健康 995 → 846
反射 995 → 846
作成 497 → 423
直観 1492 → 1272
思慮 497 → 423
共感 497 → 423
意思 1492 → 1272
<< 顔面だらけの巨人 >>
大幅に巨人が弱っていく。
だが、まだまだ生きている。
確実に仕留めるまで、動きを止めるわけにはいかなかった。
今日はここまで




