39回目 残っていたもの
化け物を倒し続けて何分か。
既に二桁を越える化け物を倒している。
常人ならあり得ないが、今のタクマなら出来る。
一秒間に複数の行動が可能な速さで動いてるのだ。
一分もすれば相当な数の化け物を葬り去る事が出来る。
化け物も押し合いへし合いで自滅していく。
それもあって、数を急激に減らしていっている。
手間は確かにかかるが、思っていたよりも早く決着が付きそうだった。
そして、タクマの方に向かっていく事で化け物達も密集していく。
それは圧縮と呼ぶのがふさわしいものだった。
周囲に展開していた者達はそこに突入していく。
背中を見せる形になった化け物に。
能力を強化した者達はそれらをたやすく撃破していく。
背後からの強襲という事もあり、化け物は次々に倒れていく。
数において勝る化け物達だが、タクマ達を倒す事が出来ない。
物量で押し切ることが出来ないでいる。
タクマ達を突破しようと思えば出来るのだが。
しかし、タクマ達を倒す事が出来ない。
それもそうだろう。
能力において格段の差があるのだ。
大勢で押し寄せてどうにかなるようなものではない。
消耗は激しいが、それ以上に化け物を倒して得る玉が多い。
それが新たな力になってタクマ達を強化していく。
そして、玉から得る力で疲労も回復していく。
化け物を継続的に倒していけるなら、タクマ達の方がはるかに有利であった。
その戦闘が終わっていく。
タクマ達に殺到する化け物は、次々に倒されていく。
移動する手間が省ける分、タクマ達は楽に攻撃を仕掛けていける。
襲いかかってくる膨大な数は厄介であるが。
その戦闘も終わりが見えてくる。
どれだけ数が多くても、そこには限りがある。
後から後から増えるわけではない。
倒せば倒した分だけ敵の総数は減る。
やがて、最後の一匹が倒れた。
体が消えていき、玉が残る。
学校の校庭におさまりきらない程いた化け物。
それらは完全に消滅した。
しかし。
「なんだ、あれ?」
化け物が消えたあと。
そこには不可解なものが残された。
淀んだ汚濁と言うべきか。
濁った水のようなものをたたえた不気味な何か。
それが校庭に残されていた。




