25回目 見つけてしまった、見過ごせなかった、そもそも逃げられなかった、ならばやるしかない
「それで、あの子はなんなんです?」
サヨは率直に聞いてくる。
「拾ってきた。
取り残されてたから」
これまた率直かつわかりやすく説明する。
それ以外に言葉が無い。
「知らなきゃ無視してたんだろうけど。
いるのが分かっちゃったからね」
「そりゃそうでしょうけど」
だからといって連れてくるのもどうなのかというところだ。
「面倒を見るにしても、そんな余裕もないし」
「保育園でもあればいいんだけど」
そんな便利なものはない。
あっても、機能してるかどうか分からない。
「ご両親はどうしてるんです?」
「たぶん、化け物になった。
あの子のいたアパートの部屋、内側から窓が壊れてたから」
「ああ……」
誰もがそれで納得した。
何がどうなってるのかを。
「ついでにいうと」
「はい?」
「酷い有様だった。
家の様子が。
それにあの子の様子見てみろ。
普通じゃないだろ」
「それは……」
サヨはそれを聞いて黙っていく。
サヨだけではない。
他の者も口を重くした。
それは誰もが感じていた事だ。
見て分かるくらいに痩せ細った印象がある。
服も粗末なものだった。
どんな扱いを受けてるのかをたやすく想像できるくらいに。
「あの子、トイレにいたんだけど。
たぶん、隠れてたんじゃないと思う」
「……どういう事っすか」
普段軽口のヒタチも、抑えめの声で聞いていく。
「たぶんだけど。
閉じ込められてたんだと思う。
家の中にいた奴に」
「やんなる話っすね」
「そう、やんなる話だ。
それをやったのが、親なのか、同居人なのかは分からないけど」
「同居人って?」
「親が連れ込んだ誰かって可能性もある。
それですらない何かなのかもしれないけど」
「つくづく嫌な話になってきますね」
「そう、嫌な話だ」
タクマとてしたくてこんな事を話してるわけではない。
「けど、現実だ。
無視は出来ない。
外にいる化け物と同じようにな」
避けて通れるものなら、そうしてただろう。
それをしなかったのだから、やるしかない。
「それも含めて、これからどうにかしていかないと」
否応なしに巻き込まれてるのだ。
逃げて避けてもどうにもならない。
ならば、解決するしかなかった。
章の終わりに。
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