22回目 戻ってきたはいいが、状況が変わったわけでもない
帰路はそれほど辛くはなかった。
化け物を片付けたおかげだろう。
念のために探知はしてるが、化け物を感じとる事は出来ない。
全くないわけではないが、化け物と戦う者の気配も感じ取れる。
思ったよりも多くの者達が行動にうつってくれてるようだった。
おかげで会社には思ったよりも早く到着した。
周辺の安全もかなり確保されてるようだった。
これも周辺で生き残ってる者が、化け物を倒して回ってるようだった。
元々少なかった事もあり、だいぶ落ち着いてるようだった。
「あ、お帰り」
事務所に入ったところで、サヨが迎えてくれる。
「なんとか回収してきた」
「おつかれさまです。
戸守さんも」
「お疲れさまです。
リアルでは初めましてかな?」
「そうなりますね」
在宅らしいヒタチの言葉に、サヨも軽く笑う。
「でも、こっちに来てもやる事ないよ。
仕事はとりあえずしなくて良いことになったし」
「安全にはかえられませんから」
ヒタチとしてはそちらの方が重要だった。
家の周りは化け物だらけ。
そんなところにいる方がよっぽど不安である。
いずれ化け物を倒していくにしても、今はまだそこらに化け物がいる。
そんな所にいるほうがよっぽど危険だった。
「なんで、落ち着くまではこちらに居座りたいと思ってます」
「さすがにそれは……」
「まあ、それはさすがに冗談ですけど。
でも、この状況だとね」
今の状態ではとても安心して生活出来ない。
出来るだけ安全な場所に逃げ込みたいというのは、当然の願いであろう。
「でも、いつまでも居座るわけにはいかないぞ」
冗談と分かっているが、タクマはそう言っておく。
ヒタチも、
「分かってますって」
と応じる。
「ただ、状況はあまり良くない見たいですけどね」
そう言って、持ってきたノートパソコンを開く。
「化け物が出てきてからの情報。
出来るだけまとめてみたけど。
やっぱり、あんまり良い状況じゃないみたいで」
そう言って集めた情報を表示させていく。
確かによい状況ではなさそうだった。
ニュースサイトやSNSや動画サイト。
それらで集めた情報は決して好ましいものではなかった。
「化け物が襲ってくるところとか。
結構多いようで、どうにもなってないみたいですね」
集められた動画やSNSの投稿は悲惨なものばかりだった。
初めて見たわけではないが、集められたものはその中でも酷いものがそろってる。
荒れ狂う化け物による破壊。
そして、惨殺。
それらがおさめられている。
「政府広報とかも集めてみたけど、あまり良くはないですね」
残念ながら、まだ有効な対策は打ち出されてない。
不要な外出を控えるよう促してはいるが、それだけだ。
他に情報が出されてるわけではない。
朝に問題が発生してから、既に半日経っている。
それでもまだ対策や対応が出されてないのだ。
「相当まずい状況なんでしょうね」
政府もろくに動けないでいる。
おそらくそうなのだろう。
「テレビやラジオも似たようなもんだし」
「こりゃ、救助とかは無理かもな」
「自力でどうにかするしかないっすね」
当面はそうするしかないだろう。




