勇者達の旅路 一
二話、四話、八話の幕間です。
「うわ……やばいな本当に……。凄い経歴ばっかりだ」
「ばいーん!ばいーん!」
「これのリーダーが僕ってマジ?魔王討伐以前の問題だな……」
「あ、眠い」
「ちょっとヴィネ。寝るなら自分の部屋で寝なよ。部屋二つ借りてるんだから」
「えー部屋取る時も思ったけど別に二人で寝ればよくなーい?」
「そうやって何回僕をベッドから蹴っ飛ばしたと思ってるんだ!気がついたら床に居るのって怖いんだぞ!」
「だいじょーぶだいじょーぶ。壁側に寝れば……」
「何度も蹴られ続けるじゃないかそれ。ほら、お金の無駄だから……」
「……」
「寝てるし……僕があっちに行くか。はあ、あの二人大丈夫かなあ。殺人鬼が勇者ってどういう事だよ……」
☆
「うっ……」
「どうかしました?アラストリアさん」
「いや、これが……」
「ああ、ニンジン。苦手なんですか?」
「そのようです。久しぶりに食べましたが、ちょっと……」
「じゃ、私が残り貰うねー」
「ヴィネは好き嫌いが無くて羨ましいよ。ある意味一番欲しい才能かも」
「あなたも、何か嫌いな物が?」
「あー僕は牛乳がどうしても。何で皆はアレをゴクゴク飲めるか分かんないです」
「……成程」
「だからちっさいんだよね」
「ああん!?」
☆
「あ、あの。あの人も勇者なのであっちに行ってみてはどうでしょう」
「えー、あのお兄ちゃんみたいなの見せてもらえないのー?」
「私のはちょっと見せにくいんです。だからあっちに……」
「分かったー、じゃーねーキレイな勇者様!」
「……ふう。こういう時はどう対処すれば……」
「ねーおねーさんもモンスターを退治した勇者なんでしょ?何か見せてー」
「ん?あー、私は基本後ろで見てただけなんだけど……まーいいや。もっと美味しいもん持ってきたら見せてあげてもいいよ」
「分かった!持ってくる!」
「おー行けージャリ共ー。貢げ貢げ」
「……ヴィネよりアラストリアさんの方がまともに見えるんだけど」