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小人でも捕食者スキル持ってます  作者: たにぐちあきら
第一章
5/10

5話 悲劇の前兆



5話




「ぐぉぉぉぉおおお」


ダークドラゴンは奈津美のサンライトの光りに

気づいたのか、こっちに向かって飛んできて、

真っ黒な炎を吹いてきた。


「危ない!避けるでござる」


その真っ黒な炎は全てのものを腐らせる効果があるらしく、炎がついてしまった木や動物達が黒くなり

灰のように消えていった。


「あの炎はシールドで守れそうにないですわね、

どのように攻撃します佐藤君?


「とりあえず攻撃しやすいように地面に落としたいのだが、何か落とせる魔法はあるでごさるか?」


「ありますわよ」


「ならば、地面に落ちた瞬間に一斉攻撃をしかけるでござる。」


「わかったわ」


「ライトニングアロウ!」


奈津美の周りに金色に光る矢が大量に現れ、

全ての矢がダークドラゴンに向かって飛んでいった、

まるで神様が天に戻る道が出来たかのように。

しかし、ダークドラゴンはさっきの真っ黒の炎で

全てを焼き払った。

やっぱ強いなー、


「やっぱり、レベル4では攻撃すら届かないのですわね、初めてですがあれを使うしかないのですわね」


そう言うと杖を持った状態で仁王立ちし、

魔力を集中させているのか周りの空間がゆがんだ。


「魔法を打つまで時間がかかりますので、

時間稼ぎを頼みますわ。」


「仕方ないな沢美!」


愛梨はスキルで50倍になった力を使い、周りの木を

引っこ抜いてそれをダークドラゴンに次々と投げた。木を投げて戦う冒険者を初めて見た俺と大助は

口を開いたまま突っ立ってみていた。


「ぐぁぁぁぁあああああ」

この攻撃に怒り狂ったのかダークドラゴンは急激に

降下してこちらに向かってきた。


「奈津美!そろそろ溜まんねーとやられちまうぞ」


「安心して風馬、愛梨が何とか守ってあげるから」

幼馴染みの女の子に一番言われたくない言葉だ、俺は何て情けない男なんだ。


愛梨はダークドラゴンが急降下してきている方向に向かって走り、地面を蹴って飛び、右手の拳に力を溜めているのかますます赤くなり、ダークドラゴンと

正面衝突する寸前に愛梨が降下し、避けて

体を反った状態でダークドラゴンの顎にアッパーを

くらわせた。


(ドゴーーーーン)

重く低い音が鳴り響いた。


愛梨はそのまま落ちて着陸したが、

ダークドラゴンはまだ落ちない。


「あのパンチをくらっておいて生きておるとは、

なかなかしつこいやつでござるな」


愛梨のパンチがきいたのか一瞬ひるんだダークドラゴンであったがすぐに体勢を整え、再び攻撃を仕掛けてきた、


その時、


「氷結の流星群、アイスメテオ!」


奈津美の魔法だ。

真っ黒の雲の下に灰色の雲ができ、その雲から

氷の隕石が雨のように落ちてきた。


(ずどどどどどどどっ)


ダークドラゴンはその氷の隕石が胴体や羽を貫通し、心臓にも突き刺さったのか地面に落ちてきた。


(ドガーーーン)


「やったー!みんなで倒せたじゃん!」

誰よりも先に愛梨が喜んだ。


「みんなって、俺は何もしてないけどな」


「そんなことないですわよ、

風馬君も石っころを投げて攻撃してくれたじゃないですの。」


石っころ、を強調したくるところに性格の悪さが

出ている。


「あ、みんなのレベルがめっちゃ上がってる!

レベル19だって」


レベルが上がると動くスピードや力が強化されるだ、だからステータスがSSでもレベル1ならば

ステータスがEランクのレベル100の冒険者には

どうしても勝てないのである。

俺も早くレベル100以上になってこいつらを見返してやりたい。まぁ一緒に冒険していたら絶対に

ありえないのだがな。


「私、魔力を使い果たしてしまいました、

もう戦えないですわ」

杖を支えにしながらくたびれた表情で言った。


「ならば今日はここらへんにして

ダークドラゴンの肉と装備に出来そうなものを回収

して帰るでござる」


「今日は愛梨達、結構モンスター倒したからお金いっぱいもらえるかな?」


どんだけお金が好きなんだこいつは、


「そうだな、今日ぐらいは金に気にせず宿に泊まれるな」


俺たちは冒険者ギルドでオオカミ24匹とダークドラゴン1匹の報酬、金貨2枚と銀貨7枚を一人ずつもらい、昨日と同じ高級な宿で夕食をとり、明日に備えて疲れを癒そうとベッドに横たわった。



※※※※



「おい!愛梨!愛梨!目を開けろよ愛梨!

開けてくれよ頼むから!」


愛梨が両腕両足を切断され、血まみれで倒れている。


「ヒール!ヒール!ヒール!」

奈津美が急いで回復魔法を使っているが全然回復の

見込みが見えず、ホースから出る水の様に両腕から

血が出ている。


「ヒールはまだ効かないのか!」


「はい、私のレベルでは間に合わないみたいで、

なるべく遅らせれるようにしているのですわ」


「だ、誰か!愛梨を、愛梨を助けてください!

誰かーーーーーーー!!」


自分が愛梨を抱きながら泣き叫んでいる様子を

自分が宙に浮いて真上から見ている。

おかしな感覚だ。



※※※※



「はぁはぁはぁ、なんだ夢か、

なんて物騒な夢なんだ、きっと色々あり過ぎて

疲れているんだな」


「あぁ、どうしたでござるぅ、

体調悪いでござるかぁ?」

男子部屋で同室の大助が話しかけてきた。


「いや、何でもないちょっと用を足したくなってな」


「そうでござるか、我はもう少し寝るでござる」


(グーグーグー)

大助が眠りにつき、


隣に大助がいるのに孤独と夢の恐怖を感じた。


トイレ行ってから俺ももう少し寝るか。


今までは暑いから

一枚のタオルケットをかけて寝ていたが、

厚くて重い掛け布団をかけて寝ることにした。

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