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小人でも捕食者スキル持ってます  作者: たにぐちあきら
第一章
3/10

3話 物語の始まり



3話




俺達はどこの世界か分からない、薄暗い森の中に落ちたようだ、あんなに高い所から落ちて無傷であることが現実の世界でないと教えてくれた。


「いてててて、」


無事出会った様子の愛梨が手を頭に添えながらこっちに向かって歩いてきた。


「あ、風馬無事だったの!?

じゃあ、沢美と佐藤をおいて愛梨達だけで

どっか行っちゃおっか!」


愛梨の性格の悪さは小さい頃から知っていたが、

流石にこの発言には引いた。奈津美との出会いから

ますます性格が、悪くなった気がする。


「あら、駆け落ちはいけないことですわよアリンコさん風馬君も困ってるじゃない」


奈津美も無事だったようでスタスタと歩いてきた。


「誰が駆け落ちなんかするか!愛梨はちゃんと

両親の了承をもらってるから、沢美と違ってね」


え、了承なんかもらってるの、俺はさらっと愛梨が

言ったことに再び引いた。


「今の発言で両親に了承を貰うほど風馬君のことが

好きだということがわかってしまいますわよ。」


「は!?べ、別に好きなんかじゃないし、

ただの仲良い幼馴染みってだけだし!」


これから付き合いにくくなるし、この件については聞かなかったことにしておいた方がいいだろう。


「皆無事であったか、やはり今から物語が始まるようでごさるな」


どこから声がしたかと思ったら、

俺の足元に釘のように頭から地面に突き刺さっている大助がいた。俺達は完全大助ののとを忘れていた。


「「「、、、、、、、、、、、、、、、」」」


陸上にいる3人ともが考えた。

このまま大助を置いて行ってもいいのではないかと。しかしここは異世界であり中二病が唯一役立つ場所であるため、結局抜いてあげることにした。


1時間後、


「で俺だけ何も持ってないのかよ」


「そうでこざるな、風馬どの以外スキルを持っているでござる。」


俺達はこの世界に来てから大助がもしかしたらスキルを持っているかもしれないと言い出したので

特殊スキルを持っているか全員調べることにした

結果、

大助は剣術スキル

奈津美は魔法スキル

愛梨は格闘技スキル

を持っていて俺だけ何も持っていなかった。

それから俺達は街を探すことにして森の中を彷徨いながら歩いている。


「ねー、まだ見つからないの風馬ーー?」

愛梨がだるそうに歩きながら聞いてきた。


「もう少し我慢したらどうですのアリンコさん?

さっきから風馬君に甘えすぎですわ、それともう少し風馬君から離れてください。」


「うるさいわね、何嫉妬しちゃってんのよ

風馬からは離れないもんねーー」


愛梨への対抗心が湧いたのか左腕に奈津美が抱きついてきた。


「な、やったな!」


愛梨もまた対抗心が湧いたのか右腕に抱きついてきた。」


イケメンの俺でもなかなかない両手に花の最高の時間だが、今は疲労が溜まっているので結構つらい。


「あ、もうそろそろ森を抜けるでこざる!」


「やったーー」


聞くだけでこっちのモチベーションを下げてくる棒読みの愛梨の声は皆んなに精神的ダメージを与えた。


それから5分ぐらい歩いてようやく森を抜けた。


「あーー、きれい!」

愛梨がいままでだるそうに歩いていたのが嘘みたいに軽いステップで走った。


そこには高い断崖絶壁の崖があり、

下には大きな街が見える。久しぶりに浴びた日光が

顔にじわじわ当たるのを感じた。


「気持ちいい風ですわね風馬君」


「うん」

危ない危ない、深呼吸した直後に返事を急いでしたので、むさそうになった。


「下まで降りるでござる」

大助は疲れてないのかな?


「どうやって降りるんだ大助?」

もう少しここでゆっくりしたかったが

ここに居ても何も始まらないのでので先に進むことにした。


「もちろん飛び降りるですよ。」


俺は大助がこんなことを言い出すやつだとは思っていたが、流石にそんなことをする勇気は俺になかった。


「また落ちるの?もう愛梨は嫌なんだけど。」


「私も嫌ですわね」

再び2人の声がだるく、重くなった。


「そんなこと言わずに、行きましょうよ!」


大助はそう言って俺らの背中を押して下まで一緒に落ちた。


「まじで、さいてぇぇぇーーーーー!」


(どっっかぁぁーーん)

本日2回目の落下である。


愛梨と奈津美の大助への不満や愚痴を、聞きながら

さっき上から見えた街の入り口の門を通った。


結構古い街のようで、土の広い道路の中央には、

リザードマンが引く人力車が走っており、

エルフやゴブリン、人間など色々の人種が歩いている。両サイドには商店街のような賑やかな店が

並んでいて、道路のずっと先の突き当たりに王様の

城らしき大きな赤色の城が建っている。


「うわーーー!ここが異世界の街でごさるか、

実際に来てみると威勢があっていいところでござるな。」


いままでずっとぶつぶつ言っていた愛梨と奈津美は

大助の声で気づいたのか異世界の街に驚き、

口を開けて立ち尽くしていた。


「おい、いくぞ奈津美、愛梨」


「うん」

「わかりました」

弾んだ声で2人とも返事をして走ってついてきた。

意外と奈津美も単純な性格してんだな。


「まず我たちは冒険者になるために冒険者ギルド

にいくでござる」


「冒険者ギルド?なにそれ」愛梨が聞いた。


「冒険者申請とかクエスト申請など色んな手続きをするところでござる」


やっぱりこの世界では中二病が役立つな、抜いておいてよかった。俺達は大助の言う通りに冒険者ギルドと言う所を探し始めた、それから30分がたったころ、


「あ、あれじゃないですの?」

奈津美が指を指した先には《ギルド》と書かれた

看板があった。


「ここだ!本当に異世界にはあるのでごさるな!」


俺達はなかなか年季の入った木の扉を開けてギルド

の中に入った。

ギルドは外から見たら二階あるような間取りだったが、中に入ると二階分の高い天井になっていて

食事もとれるようで長机が8個ほどあり

そこには、がたいのいい冒険者や

魔法の杖を持ったエルフなど色々な人が集まってみんなで食事をしている。


俺達は入り口から突き当たりにある受付にいる

きれいなエルフのお姉さんに話しかけた。


「すいません」


「はい、冒険者申請ですか?」

俺達の服装を見てすぐに新人だと分かったようだ

あと、日本語が通じるみたいだな。


「はい、そうです我たち4人の申請をお願いするでござる。」


「では、あなた達4人の太ももにスキルボードを

刻ませていただきます、スキルボードはその人の

強さや特性など色々な個人情報をみれる、身分証

みたいなものです。それでは失礼しますね」


エルフのお姉さんが順番に俺達の太ももに両手を

あてて青い光りを放つと文字が浮き上がって来た。


刻むと言っていたので痛いのかと思ったら全く

痛くなかった。


「はい、これでスキルボードは刻めました。自分のステータスなどをご覧になってみてください。

ステータスは上から、SS、S、A、B、C、D、E、に分類されて、人によって始めのステータスが違うので、、、、、、。」


「え!!!、、、あなた達は今レベル1ですよね?」

この声で周りの冒険者達の目線が集まった、

俺はこういうのが、嫌いなのだ。


「はい、そうですわよ?」

奈津美が返事をした。


「初めて見ました!レベル1でステータスがSSの人達なんて、3人ともなかなか立派な冒険者になりそうですね。


え、まじか、これは完全に勝ちゲーじゃねーか。

俺は完全に周りの冒険者と比べて優越感に浸った。


「けど、早坂様だけがステータスEです。」

エルフのお姉さんは申し訳なさそうに言った。


え、、、俺だけ?


しばらく口を、開けて放心状態になった。そーいえば

3人とも、って言ってたな、、、


「あ、愛梨が風馬のこと守ってあげるからね!」


「そ、そうでござるな、みんなで協力すればきっと

強くなれるでござるな」


「ふ、風馬君は、もしかしたら他にすごいものを持っているかもしれないですわね。」


「そ、そうだな」

3人が頑張って励ましてくれたので、このまま

ショックをうけて落ち込んでいたら申し訳ないと思い、俺は気を取り直して返事をした。



俺はスキルを持たずレベル1でステータスが

Eランクである最弱の冒険者であることが分かった



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