27/40
第二十七夜★ 『旗を振る者』
私は見ていることしか出来ない
今夜もずっと見届けよう
そこに生きるものたちを…
また 新しい一年が幕を開けた
いつもなら 親子が手を繋ぎ
若者たちは肩を抱き合い
老夫婦は歩幅を合わせて空を見る
そんな景色が変わった地球であるが
夜空は変わらなかった
私は幾度か一変した地球を見ていたが
人の世は困難が必ず訪れる
しかし 人は たくましく もがこうと 考える
取り合えない手を上に 旗を振る者が必ずいる
小さな旗に夢を描き 私はここだと旗を振る
応じるように 夜空に手をかざす
個では無く群となり 明るい光へと奮闘する
時には 旗を振る者に
諦めを勧める者もいる 歩む道を塞ぐ者もいる
恨みつらみや賛否も人である
私はそれを見ることしか出来ない
しかし 私は見届けよう
さぁ 夜は明けたぞ 人びとよ
旗を振る者へ それに集う者たちへ
私は力強く瞬いた
最後までお読みくださいまして
ありがとうございます。
新たな一年。
変化に恐れず進みたいものです。




