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作者: 桜井 広海

短いお話ですのですぐ読めちゃいます。

  



      ” 夢は諦めちゃいけないよ。信じて努力すれば夢は必ず叶う。 ”






 俺もまさにそう思う。信じて諦めずに努力し続け前へ前へ…諦めたらそこで負けなんだ。


だから、努力し続けている。


夢を叶える為には健康な体から。俺は毎朝ジョギングをかかさない。


走る事で健康的に汗を流し、シャワーを浴びて清々しい気分で一日が始まる。


 首にタオルをかけたまま冷蔵庫を開けミネラルウォーターで喉を潤す。


朝食はカロリーメイトとブラックコーヒー。忙しい朝は食事に時間をかけていられないからだ。


俺は出かける前、必ず彼女へラブコールをする。


彼女の事ならなんでも知ってる。


 身長は159、8cm。面倒だからと人に聞かれた時は160センチと言う。好きな色はピンクでピンク色の小物を集めるのが好き。好きな食べ物はプリンとたこ焼き。プリンはいろんなメーカーのプリンを食べ歩いていて特にマスカルポーネのプリンが好きだ。嫌いな食べ物はうなぎと白子、あの見た目で食べる気がしないと言う。誕生日は11月23日で血液型はA型。几帳面な性格でなく意外にガサツなので自分ではO型な気がする。と前に言っていた。


よく、日本人の男は愛してると言わないと言うが俺は違う。


きちんと言わないと相手に伝わらないからだ。


「姫奈。愛してるよ。ずっと傍にいるからね」


 それから会社へ向かう。通勤時間は、約一時間。


その間、ipotでお気に入りの音楽を聞きながら仕事への意欲を高める。


仕事は真面目にこなす。夢はきちんとした生活があっての物だと思うからだ。


そして定時で帰る。



 夢を叶える為だ。




 ”諦めずに努力次第で夢は叶うよ。”



一体誰の言葉だったかは忘れたが強く心に残った。




 だから、その言葉にいつも支えられて来た。


歌の歌詞、アスリート、教育論、必ず出てくるフレーズが ”夢を諦めないで ”


 一度ダメだとしても何度も挑戦する事が大切で今はダメだとしても次は成功するかもしれない。


だから諦めてはいけないのだと、諦める事が弱い事の様に…そんな言葉に洗脳されているかの様に俺は夢を諦める事は出来なかった。


頑張れば努力次第で夢は現実のものになる!!呪文の様に唱えながら、自宅に付く。


ポスト中の郵便物を郵便受けから取り出した。


相変わらずチラシばかりだ。ため息と共にチラシを鞄へ突っ込んだ。


「あっコンビニ行くの忘れたな…」


小さくつぶやいて引き返しす。


 コンビニは俺の生活に、なくてはならない。


自炊なんて面倒だし、第一、料理なんて作った事がない。


いつも通りカップラーメンと焼きそばパン。缶チューハイ、雑誌などをカゴに入れる。


「1452円です。」


店員が言って無造作に二千円を置いた。


「548円のお返しです」


コンビニの店員は俺の手に触れない様に少し高い位置から小銭を落とした。


「……………」


無言で金を受け取り自宅へ帰った。


部屋に着くとすぐにテレビをつける。多分これは癖になっていて、別に見たいテレビがあるわけではない。


 それから台所でお湯を沸かす。


雑誌を見ながらラーメンを食い、チューハイを飲む。


 そして彼女に電話。


「俺、姫奈と結婚する為に結婚資金貯金してるよ。もう少しだから待っててくれるよね。今の俺の身近な夢だから…あっごめん姫奈仕事中だよな…留守電に喋るなんて俺どうかしてるわ。でも声聞きたくて、またかける」


彼女は忙しい。だから仕方ない。


お互いの時間が合わず中々会えない時は手紙を書く。


離れていようと気持ちを伝える事を怠っては本当の愛とは呼べない。


好きな気持ちを紙ぶつける。


手紙を書き終えてパソコンに向かった。


情報収集。


社会人なら当然の事だが世の中の今起きている出来事をいち早く知る事も大切だ。


パソコンに向かうと時間は驚くほど早い。


それから、フロに入り寝る。これが大体の俺の一日の流れだ。


「おやすみ姫奈。」

       

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       ・


 翌朝、いつもの様に早起きをしてジョギングへ向かう。今日は燃えるゴミの日。


俺はゴミの分別をしてゴミを出す。ポケットに入れてある姫奈への手紙を出しに行こう。


そう思い走りだした。


 近くにポストがある。


「よし。」


投函しようとしたその時、ポンポンと肩を叩かれた。


「加藤昌伸さんですよね?」


知らない男の2人が俺の前にやって来た。


「はい。そうですが?」


俺が怯えていると1人の男が言った。


「神奈川県警の者ですが少しお話を伺えますか?」


 俺は目を伏せ横を向いた。


「何ですか?」


「豊川姫奈さんへのストーカー容疑です。あなたここ最近、豊川さんへ頻繁に電話を掛けてますね?家の周りをうろついているし、手紙も何通も出している様ですね…豊川さんの自宅のポストを勝手に開け郵便物を持ち出すのも立派な犯罪です。他人のゴミをあさるのも精神的苦痛として被害届けが出ています。」


俺の手からスルリと手紙が落ちた。あて先はもちろん豊川姫奈。


刑事の1人が手紙を拾いながらため息をついた。


「まったく…アイドルの豊川姫奈と本気で付き合えると思っているのかね…あんたもう40過ぎのいい大人だろ…やっていい事と悪いことの判断つけなきゃ…」


俺の手に手錠がかけられた。


 姫ちゃんが…被害届け?嘘だ。俺を嫉妬した腐ったファンが通報したな…俺以上に姫ちゃんを愛している男はいないのに…結婚するんだ。その為に頑張って来た。夢は諦めないで頑張れば叶うんだろ。

CMでも天使の様な顔で言ってたじゃないか…


 車に連行されながらも俺は姫ちゃんの言葉を思い出した。



 ”夢は諦めちゃいけないよ。信じて努力すれば夢は必ず叶う。” 大丈夫だよ。こんな事でめげないからね。少し時間かかっちゃうかもしれないけど待っててね。必ず迎えにいくからね。姫ちゃん。



 俺は夢を諦めない為にも次の方法を考えなくては。と押し込められたパトカーの中で思った。




 







  





















































 







今回もどんでん返し。実はストーカーでした。と言うオチ。これもまた途中で気が付いてしまう方も多いでしょう。最初、自宅についたのは、姫奈の自宅で、ポストの手紙を物色してコンビニへ向かいました。最後のゴミの分別も姫奈の家のゴミをあさっている所を警察に張られていました。と言う感じです。読んで見てどんな風に思われたかコメントいただけたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 全く想像しませんでした。 すごいです。 とっても驚きました、ストーカーなんて。 真面目な男の話だと、いやあすばらしい。
2010/01/22 16:22 退会済み
管理
[一言] とても楽しい話しでした。とても読みやすいうえに内容もしっかりしていて、主人公のある意味ポジティブな考え方も個人的には面白かったです。
[一言] 爽やかで快活な男性のストーリーかとおもいきや・・ 夢を追うのはいいですが、人に迷惑をかけるのはいただけないですよね〜
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