一茜の歌集(にのまえあかねのうたノート) 夕霧
それではいってみよー
小世界
窓に散らばる
雨の内
無知で儚き
後ろ帯びかな
《私の真面目訳》
窓についている雨粒の中にうつる世界に、まだ無知で儚い若い女性がうつっている。
《脚色した現代語訳(語り口調)》
窓に散らばっている雨の中には小さな世界が入っているようです。そこに映る幼い娘の行く末が、どうしても不安なんだよね。
《一応の解説》
儚い(はかない)
消えて無くなりそう。不確か。無益。卑しい。
後ろ帯び
若い女性。未婚の女性が和服を後ろで帯びを結んでいたことからそういわれるようになった。はず。
「うち」と「むち」を同音反復にしてみました。訳には影響はないんですけどね。
《一解説》
さて、今回の和歌ですが、イメージは源氏物語の若紫を見守る尼さんのイメージです。
つまり、まだ幼い後ろ帯び(娘)のことを心配している和歌なんですね。少し実感わかないや。
みなさん窓についた雨粒をしっかり見たことありますか?
勿論まんまるということはなく、形も少しづつ違います。そして、その輪郭は太い黒い線で縁取られています。(しかし、その線は完全につながって円にはなっておらず、一部欠けています。)
雨粒の中央には歪められた世界が映っています。まあそれを観察したときに詠んだ歌でした。
今この小説書いている時は、山茶花が咲いています。椿と似た花なのですが、咲く時期が大きく違うので困ることはありませんね。
でも茜が一番好きな見分け方は、山茶花は花びらが一枚づつ散っていくのに対し、椿は花ごと散ってしまうことによる見分け方です。
葉っぱや匂いでも見分けることはできるのですが、散り方で判断する方が楽しいです。
コーヒー……アカネ科の植物。日光が嫌いで豊かな土地に成長する。
なんか妙に親近感湧きますね。
最近相聞(恋愛)の和歌を選んでないのは、今ちょうど恋愛小説を作っているから。だんだん終盤に近づいてきました。
お楽しみに!
ここまで読んでいただきありがとうございました。