違う!僕のせいじゃない!悪いのは、あいつらだ!僕は何一つ悪くない、これは正当防衛だッ!などと本人は供述しており動機は怨恨の線であるとして当局は、捜査を進めています
ひっそり2話目投稿します
町の地下にある奴隷商店にいくと、奴隷を買いに来た僕は子供だからと侮られることはなかった。
この世界は若い体を保持する技術が発達しているから、見た目で年齢がわかりづらいというのもある。
金さえ見せれば、客として認めてくれるという寸法だ。
とりあえず電脳適正が高い奴隷をみせて貰うことにした。
奴隷商は僕の前に5人の少年少女を出してきた。
どれも目魔麗しい、さすがに厳選しているだけはある。
最初に、幼少期に電脳チップを体内に埋め込み、電脳世界へのアクセス速度が飛躍的に向上した特別な環境で育った、うんたらかんたららしいヘリオスという少年を進められたが、金額がバカ高いうえになんかこちらを見下している少年の顔が気にくわなかったので、買うのは断った。
変わりにその隣にいる少女の説明を聞いた。
少女は赤い髪をした小柄な体で、エンダという名らしい。
気弱そうな顔立ちは、かわいく、とても保護欲を誘ったので思わず衝動買いした。
奴隷の首輪ではなく、最近は体内に埋め込んだ電子チップが自動で奴隷の反抗を抑止してしまうらしい。
なので、僕は金を払い、少女に奴隷商から貰った服を着せてそのまま店を出た。
エンダはびくびくおどおどしながら僕についてくる。
一応気をほぐすために
「そんなに怯えないで?僕、小動物超大好きだからッ!」といっても余計に怯えたので、正直困っている。
まあそのうち時間が解決してくれるさ。
店を出て、顔面蒼白なエンダと共にそんな会話を楽しんでいると、しばらくして急に街を巡回していた周囲の警備ロボットが、僕に銃口を向けてきた。
まもなくしてエンダと僕に飛んでくる銃弾を『神のお弾き』というスキルで、弾き飛ばすとエンダがものすごく驚いていた。
なんだこれ?故障?斜め45度でたたけば治るかな?などと考えているとエンダはこれがクラッカーの仕業だと教えてくれた。
エンダいわく町のセキュリティがなにものかに乗っ取られたらしい。
そして今、彼女の脳裏には電脳世界にいる赤い人型の強力そうな決戦兵器が、ものすごい速度で周囲のセキュリティを破壊したり、書き換えているらしい。
彼女も電脳世界で自分が開発したプログラムで障壁を構築し、必死に応戦しているが、明らかにパワー不足でこのままではこの近くにある非常用の荷電粒子砲の制御を奪われるのも時間の問題だという。
どうやら電脳世界では彼女と人型ロボとのとてもロマンあふれる攻防の読み合いや戦闘が繰り広げられているらしいが、あいにく僕には見ることができない。
ちくしょう!いいもんね!僕には神からもらったチートスキルがあるもんね!
僕は神からもらったスキルの一つ『敵意察知』を使い、この僕を攻撃しようとした愚かな人間を探した。
愚かな人間は赤いどくろマークで表示されるから大変わかりやすい。
ふっふっふ、僕に敵対するなど、愚の骨頂!
すぐに見つけてやるぞ。
しばらくしてどくろマークのついたマップが脳内に浮かんだ。
ひい、ふうみ、、よー、10、50、100……え?
脳内に周囲のマップが浮かぶと、どくろマークがめちゃくちゃいっぱいあった。
この付近だけなのに500以上あるぞこれ!?
僕嫌われすぎじゃね!?
ひどい!ひどすぎるよ!僕がなにしたっていうんだッ!
うう。
もはやこの悲しみはデストロイキングダムでしか消えない、この国を今日滅ぼそう。
死ね愚民ども!と思ったが、ふと隣にエンダがいることを思い出してやめた。
気を取り直し、僕は、八つ当たりすることにした。
「んー、これでいっか」
ここには家族もいないので、魔法も使える。試しに一つくらいはいいだろう。
そう考えた僕は、おもむろにマップのどくろマークの一つに神様からもらった魔法『サテライトサンダー』という強力な稲妻を好きな場所に落とせる魔法を放った。
すると瞬く間に巨大な稲妻が、天高くから一気に地上に降り注ぐいでいく。
だが、放った後にこれの行く先が自宅だと気が付いてしまった。
スキル『神眼』というどこでも何でもよく見えるスキルを使うと、僕の家のあった方向に巨大な稲妻が落ちているのが見えた。
千里眼じみた視界の中、兄が家の中であほ面でニヤニヤしているのが見えた。我が兄ながら醜い顔だぜ。
だが次の瞬間、上を見上げ、口をあんぐりとあけた。
そして、兄のあほ面はゆっくりと青白い光に包まれていった。
兄は最後満面の笑顔だった(嘘)
ふむ、どくろマークを背負った愚か者は僕の兄だったらしいな。
次の瞬間、稲妻は、家を守る非常用のエネルギー障壁があったみたいだが、紙切れを破るナイフのようにあっさり突き破り、轟音と共に兄と家に落ちていた。
エンダが大きな音にビビって耳を必死にふさいでいるのを横目に僕の額を冷や汗が流れた。
あわ、や、やりすぎたかもしれない。これもしかしてヤバい?
い、いや、大丈夫だよ、だって最強無敵な僕の家族だもん、二人ががかり、戦闘スキルほんの少しありで兄と姉は僕に勝ったし、妹と弟は僕の血を引いた優秀な人間だ。
稲妻くらい大丈夫さ!きっと。
だから、きっと無事だと僕は家族の冥福を必死に祈った。
ぼ、ぼくは悪くないぞ!?
悪いのは僕に殺意を抱いていた奴だッ!
死んだとしても、それは僕が、殺される前に殺しただけのこと!
正当防衛だ!
内心必死に言い訳しつつ、僕とエンダを襲っている銃口について考える。
このまま手当たり次第に正当防衛はさすがに僕もためらってしまう。
間違ったことはしていないといっても博愛精神にあふれた僕にとって無駄な犠牲は心苦しいのだから。
僕は考えた。そして手持ちのスキルから
『思念辿り』と呼ばれるものや概念への思考をたどるスキルを使う事に決めた。
使えば様々な人間の思念が一気に頭に入ってきた。
すると警備システムを操作するお堅そうなシステム屋の人間や警察っぽい人間以外に、僕を殺そうとする強い思念を見つけた。
思念の先は、ここから少し遠いが、スキル『光速移動』という光になるスキルを持つ僕にとって、そんなものはないも同然だ。
エンダに『ナインシールド』という9つの多重障壁魔法を張って僕がいない間の守りを作り、僕は、スキル『光速移動』を使う。
ゼロコンマのあとにゼロが何回か続いたかわからないくらいの極わずかな時間の後僕は、『減速移動』を使い、速度を限りなく抑えながら、『光速移動』を解除した。
すると「身体強化」のおかげで無傷のまま、見事目的地の周辺の建物をいくつもなぎ倒しながら、着地した。
初めてで、これだけのミスで抑えられるとは、さすがぼく!
他のみんななら、光速のまま移動する質量の持つエネルギーのせいで、この都市を粉々に破壊するか、星をブラックホールに飲み込んでいるところだよ。
もはや僕は天才だといってもかごんではない。
開けた視界のおかげで見通しが良くなった元高層ビル跡地の中央にやや煤けた人影が見えた。
僕の神業的スキル行使を自画自賛しつつ、敵を見れば、
意外なことに僕を狙った愚かな人間は、少女の姿をしていた。
戦闘に入る前に僕はチートスキルを幾つか使用した。
肉体は強化され、知能は加速する。
「ば、化け物!」とののしってくる金髪の少女を『神風』のスキルで走る僕が、タッチする。
「ひっ!?……え?」
少女の胸を!
いや、でかかったから、思わずね?
感想?
うん、とても柔らかかったよ!
「こ、この変態ッ!!」
次の瞬間、僕は、いつのまにか近づいてきていた大人の体ほどもある巨大な警備ロボに殴り飛ばされていた。
痛い!
子供なので、ごろごろ転がってしまうが、チートなスキルのおかげで怪我はしていないので、すぐに飛び起きる。
くそっ!煩悩があだになるとは!
もう油断しないぞ!
こちらを羞恥の混じった目でキッと睨んでくる少女を尻目に、
「破壊拳」という触れたものを粉々にするスキルで警備ロボを一撃で破壊する。
少女の目に再度恐怖が宿る。ふふ、どう料理してやろうかなー?
よし決めた。
僕は、同じ轍を踏まぬように少女のぽよんとした豊満な胸から目を反らし、『神風』で少女の背後に近づき、『気絶膝カックン』で膝をかくんとさせ、少女をスキルの効果で気絶させた。
さらにかくんとした膝のせいで、地面に倒れていく少女の頭を片手で優しく抱き留め、もう片方の手で優しく胸を揉んだ。
少女は気を失う間際、
「ターゲットが変態の化け物なんて、聞いてないわよぉ……」と言った。
まったく失礼な、僕はこれでも紳士を志した立派な貴族なのに。失礼しちゃうな!ぷんぷん!