表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/104

セルリアンの異常

「私としたことが、客人にお茶も出さずに申し訳ございません。まだ片付けの途中で多少散らかっておりますが、どうぞ、お座りください」


オレが連れて来た黒狐を見て、セルリアンが慌てたように部屋に案内した。

そんなセルリアンを見て。

ここにまたしても、狐のくせに狐につままれた顔をしてる顔をしてる奴がいた。


「な、言っただろう?」

黒狐の動揺っぷりは半端無かった。

セルリアンさまがどうしてこのようなことに……?

などと呟き、セルリアンに進められた椅子にも座らず、テーブルの周りをぐるぐると歩いてた。

「天狐、お前が何かしたんじゃないだろうな」 

オレに向かってこんなこと言う始末。

いやいや、何かってなんだよ?

何かすればこうなるものなのか?


「コーヒーをどうぞ」

セルリアンが差し出してくれたコーヒーカップを黒狐は……。

「あ、ありがとうございます。い、いただきます」

そう言って受け取ろうとしたものの、動揺が大きすぎて床に落としてしまった。


「あ」

カップのかけらを慌てて片付けようとしたものの、セルリアンと指が触れて。

「あ、あ、あ、すみ、すみません」

どう言う訳か顔を真っ赤にしてあたふたとしどろもどろになる黒狐。

「大丈夫ですか?お怪我なさったのではないですか?」

更に、セルリアンが黒狐の指に触れると……。

顔は真っ赤なまま、目は白目になり、錯覚ではあるが、黒狐の肉体から魂が抜け出たのが見えた気がした。


「おい、大丈夫か?」

さすがにオレの方が驚いてしまい、今にも後に倒れてしまいそうな黒狐を支えた。

「う……ぎゃ……こ……」

取り乱した黒狐が言葉にならない言葉を発していた。

こんな黒狐も見たことなく……。


セルリアンもおかしい今黒狐もおかしくなってしまったら、どうしていいか分からなくなる。


「おい、黒狐……どうしたんだよ?」

いつもの冷静沈着な黒狐の姿は見る影も無かった。


「シュバルツさまはどうなさったのでしょうか?ベッドで休んでいただいた方がいいのではないでしょうか?」


こんなことセルリアンなら絶対に言うことはあり得ない。


『私とラビルのベッドに寝るだと!お前命が欲しくないと見えた』

こう言うのがいつものセルリアンだ。


一体セルリアンに何があったのか?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ