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朝起きたらヤンデレじゃなくなってた

それは、夏休みに入ってすぐのことだった。

事件が起こった。


朝、窓の外を見ているセルリアンに声を掛けた時だった。


「セルリアン、おはよう」


いつも通りの挨拶だった。

よって、オレは何も間違ったことをしていない。

いつもだったらこの後、


「ラビル、昨日の夜のお前の寝顔も美しくて愛しくて私は自分の気持ちが押さえきれなくなりそうで、お前をバラバラにしてしまいそうだった」

などと言ってくるのに。

今朝は……。


「あ、えっと、お、おはようございます。す、すぐに朝食の用意いたしますね」

歯切れの悪い言い方。

何だろう?

雰囲気がいつもと全く違う。


自分が妖狐なのに狐につままれた感じがした。

まぁ、朝だし寝ぼけているのかなと無理矢理自分を納得させ、食卓についた。


いやいや、セルリアンが自分で料理とかあり得ないだろう。

料理の用意は、黒狐の仕事だろう。

「黒狐は風邪でも引いたのか?」

きっと、そうだ、黒狐は風邪でも引いて寝込んでる違いない。


「いえ、シュバルツさんなら朝一度、お食事を持ってこられたのですが、丁重にお断りさせていただきました」

何故?

声には出さなかったが、オレの表情を見て、オレの心の声に気付いたのだろう。

「そんなの決まってるじゃないですか。お慕いしている殿方の食事の用意は自分でするのが当然です」

セルリアン?

思わずセルリアンのオデコに手を充てた。

「な、な、な、何さるのですか?」

セルリアンはオレの手を振り払った。

顔が真っ赤だ。


「やっぱり具合悪いのじゃないのか?」

やはり風邪引いてたのか……。

「違います。どこも悪くありません。ただ、ラビルさまのお手が暖かくて……その……緊張してしまいました」


え?え?え?


一体どう言うことか全く分からない。


何が起きてるんだーーーーー。

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