表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
酸の海に沈む  作者: 飛鳥
1/9

プロローグ ひとりがたり

僕はいつも、何かから逃げて生きている。この選択も、何かから逃げた結果なのだろうか。

…いや、違う。それだけは違うといえる。僕は自分で選んだのだ。彼女といきることを。

彼女を、食べる、ことを。

そして、彼女も選んだ。僕と生きることを、僕に…食べられることを。

人は笑うだろうか。愚かだと。それとも蔑むだろうか。人食という、禁忌を犯した忌むべき人間だと。

けれど結局、それは他人の感想だ。僕たちに何も関係などない。僕たちはただ、幸せになりたいだけ。幸せでありたいだけ。

満たされたいだけなのだ。

僕はこの選択を悔いたりはしないだろう。悔いる前に終わりがやってくる。終わらなくてもきっと、彼女と一つになったことに悔いなどありはしなかっただろうけど。

僕らは一つになるのだ。

二人で、一つ。文字通り骨の髄まで溶け合って。

存在ごとすべて、愛して、愛されて。たったそれだけのことだ。

たったそれだけのことが、それが如何に、僕らにとって幸福であることか!

ああ、喉が渇く。おなかがすいた。

はやく


「彼」の手記より

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ