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10の前世は群恋活劇~ラブアンサンブル~  作者: MONDO@受験につき一時休業中
第一章 前世召喚所となった俺の影
2/4

―1― 前世と過ごす日常

 人間は必ず死ぬ。

 それは人間に限ったことではなく、生きるものなら全てに適応するだろう。

 人は平均して80年で、犬は10年。長生きのシンボルとされる鶴や亀なんては、〝ツル1000年、カメ10000年〟なんて言われているが実際は鶴は多くても80年ぐらいだし、亀に至っては種類によって異なるがだいたい50年ぐらいで死ぬ。

 これは不変の定理であって、昔から変わらないことだ。


 では、その死後の世界はどうなっているだろうか。


『輪廻』という言葉がある。

 これは、ヴェーダ、仏典などに見られる用語で、人が何度も転生し、また動物なども含めた生類に生まれ変わること、また、そう考える思想のことである。

 つまり、生き物は死んでもまた違う姿で蘇るということだ。

 言い方を変えれば、〝時代や姿は違えど、永遠に生き続ける〟。こう言い換えれるのではないだろうか。

『前世』という言葉がある。

 この言葉は既知の情報だと思うが所謂、今の自分の前の人生のこと。

 基本的にこの〝前世〟は知ることができない。どう足掻いたところで思い出せはしない。占いで前世占いというものがあるが、本当かどうかは定かではない。

 結局、輪廻や前世という言葉が存在するからといって本当にその世界が広がっているのかなんて誰にも分からないのだ。


 ――しかし、だ。


 俺はそのような世界を断固信じる派だ。

 オカルトマニア? 違う。

 妄想好き? 違う。

 俺は自分の目で見たものしか信じない派なのでね。

 では見たのかと。お前は輪廻や前世を見たのかと。そう訊かれれば、

 答えは〝YES〟だ。

 なぜなら…………、


「――こ、これは何と言うものなのですか? (れい)さん」

「あ? 〝飛行機〟でしょ」

「ひ、こう……き? 初めて見ますね~」

「あ~、コレアタシ知ってる! あの空をビュビュン! って走るやつでしょ?」

「飛行機は走らない。飛ぶの。車じゃないんだから」

「そうなのかぁー。あたしの時代にはそんなものなかったなぁ~」

「お前の時代にゃ車すらねーだろ」

「へぇ~、わたくしこのヒコーキと言うものに乗ってみたいです」

「ふざけんな。ただの高校生で乗れるようなもんじゃねーのっ!」

「でもでもっ、わたくし雲を上から見下ろすのが長年の夢でして……」

「雲? ああ、あれな。あれ実は全部霧でできてるんだよ。だから雨の降った次の日の朝とかに2階から下見ればお前の夢叶うぞ」

「………………けち」

「そんな上目遣いで睨んでも飛行機はムリ」

「えぇ~~……怜のケチぃー」

「ニャ~」

「……お前まで言うのか、ユキ」

「ンニャ」

 なぜなら――、()()()()()()()がいるから。

 幻覚でも妄想でも2次元でもない。実在しているから。

「怜さぁん。わたくし自転車はもう飽きてしまいましたので、他の乗り物に乗ってみたいのですが」

「ダメだ二葉(ふたば)。だいたい服が目立ちすぎるんだよお前は。お前の服は傍から見ると完全にコスプレイヤーだからな?」

「こすぷれいやー……?」

「知らないならそれでいい」

 真っ白の白衣に、下は紅の(はかま)、短め尻尾の高めポニーテールに綺麗な茶髪をこれまた紅の紐でリボン結びをした、誰がどう見ても〝巫女(みこ)〟の装束である少女は、不思議そうに小首を傾げた。今日のコンセプトは赤なのか。

「あのあのっ、こすぷれいやーってなんですか!?」

「もうその並々ならぬ好奇心どうにかなんないかなぁー……」

「怜さぁぁん……」

「ウィキで調べろよ。もうめんどくさい……」

「……うぃき?」

「はっ……! しまった!」

「怜さん! うぃきってなんですか?」

「シラネ」

「ちょっとぉ! 顔背けないでくださいよぉ!」

「しょうがないなー二葉。アタシが教えてやろう! ねっ、ユキぃ~♪」

「ニャ~ン」

「にゃ~ん♪」

 人間なのに猫の音声をだしながら、白色一色の小さな猫を愛でるのは、外巻きカールのショートヘアの少女である。腰には何故か刀の鞘+刀の柄。つまり刀所持。銃刀法違反ですね、わかりますわかります。

「ウィキってのは、ねっと? でお買い物ができる……」

「それアマ○ン」

「つぶやくあの……」

「ツ○ッター」

「無料あぷり? のコミュニケーショn」

「L○NE」

「えっとぉ……」

「覚えたての単語言えば当たるなんて思うなよな、七愛(なな)

「めんぼくない……」

「七愛さんも分からないじゃないですか」

「た、たまたまだもん!」

「あー、うっさい。それ以上うるさくしたらお前ら全員引っ込めるからなー」

「え、いや、それは……」

「……ユキ、静かに遊ぼうねぇ~……」

「ニャン……」


 実は――この巫女と銃刀法違反とネコは俺の前世だったりする。

 ここに至った経緯は……とにかく大変だった。


 思えばあの()()から俺の運命は変わったのかもしれない。

 それにしても本当に…………、


「あ、ウィキってあれだ! あのリモコンみたいなヤツ振り回して遊ぶあのg」

「それW○i」


 どうしてこうなった。

  

次回から回想になります。

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