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実験体

目の前に広がるのは大きな建物の残骸だった。その中に黒い影が2つ立っていた。

その一つの影が私に気付きこちらに近づいてきた。顔ははっきり見えず口をニコリとして私に血まみれの手を差しのべた。私は得たいのしれない恐怖に襲われその手をとることはできなかった。

しばらくの間そうしていたが相手の少女はなかなか動かない私に興味をなくし肩をドンと後ろに突いた。いつの間にか後ろは崖になっていてそのまま身体が落ちていく・・・。

(落ちるっ!)と思った瞬間ハッと目が覚めた。そこはいつもみる空じゃなく大きな部屋の天井だった。

昨日までは森で狼一家と暮らしていたがそこにまだ二十歳後半ぐらいの3人の男性が現れ「雪・・・迎に来た。」といって人間が暮らす街に住むことになった。雷牙と風牙は社会勉強兼雪の護衛ということで一緒についてきた。

そして、昨日は雷牙と風牙人間の姿になり同じベットで寝ていた。

ガチャリと扉が開き迎に来た男性の一人スーツを着た男性が入ってきた。

「よく眠れましたか?」

甲斐甲斐しく世話をしてくれる男性は裸の雪をシーツに包み壊れ物を扱うように抱き上げた。

「隣の衣裳部屋にいきましょう」

そのまま衣裳部屋に連れて行かれ白いワンピースを着せられまた抱き上げられるそのままリビングにいった。

迎に来た残り二人の男性が椅子に座って朝食をとっているところだった。

「おう、雪おきたのかその服似合うな。まるで人形みたいだ」

雪は肌が白くあまり表情を顔にださないため日本人形のような感じだった。

ラフな格好をした短髪の男がこちらを振り向き二ッと笑った。

ゆっくりと椅子に座らされ目の前に朝食がおかれた。

「ここにきて忙しいですが明日から学校に通うことになりますので今日はとりあえず明日の準備をしますので朝食を食べたらでかけますよ」

「あ、そういえば今日くるんだったなあいつら・・・」

そういうと短髪の男(くろがね)の前に座っている髪をオールバックにした男(しろがね)が口を開いた。

「今日は早く帰る。」

「戻りは何時ごろです?」

「5時にはかえれる。」

そういうと銀は立ち上がり雪の頭をクシャっとなでた。

「今日はお前の友達がくる。記憶にはないと思うがみんなお前の仲間だ」

「なかま・・・?」

「そうだ、お前と同じ場所で育った仲間だ」

「・・・」

玄関のほうから扉が開く音がして誰かが入ってきた。

「ゆきーーーー!!」

廊下を走る音と一緒に子供の声が聞こえてきた。

勢いよくリビングの扉が開かれた。

そこには小学生6年生ぐらいの男の子が入ってきて雪に抱きついた。

「ゆき~会いたかった~」

うれしそうに雪に抱きつくと雪のおなかに頬をこすりつける。

「僕のこと覚えてない?」

悲しそうに雪をしたから見上げてきいてくる。

「わからない・・・でも、なんだか懐かしい・・・。」

そういって少年の頭を懐かしそうになでた。

「早く思い出してね?」

「うん・・・」

「リズ、他のやつらはどうした?」

銀の質問に少年(リズ)がクルリと顔を向けるとこういった。

「まだ僕だけだよみんな仕事あるから。ファルコンとフォックスたちはバニーとチェシャと交代で全員そろうのは19時ぐらいだと思うよ」

「わかった、じゃあいってくる」

鞄をもち扉を開けるところで雪が銀のスーツをひっぱった。

「どこいくの・・・?」

「仕事だすぐに帰ってくる」

そういうとクシャッと雪の頭をなでた。

そのままでかけてしまった。

「俺もそろそろいかねーとマネージャーがうるさいからな。」

「マネージャー?」

「そう、俺の仕事の手伝いするやつ」

「クロもでかけるのか?」

雪の質問にニッとわらって答えた。

「今日も仕事だからな」

そういうとでかけてしまった。

「さて私達もでかけますよ」

黒いスーツを着た男サジがいった。

車の中で鉄と銀の仕事のことをおしえてもらった。

鉄は今人気の俳優で銀はシルバーコーポレーションの社長をしている。シルバーコーポレーションは有名な会社でホテル経営からワインの製造販売とさまざまなことをしている会社で銀が会社を立ち上げここまで成長させたというテレビでも話題になり有名人だ。

買い物がおわって都心のマンションの最上階の家に帰り着いた。

時間はもうすぐ16時50分もうすぐしたら銀もかえってくる。ちょうど後ろに鉄がエレベーターであがってきて降りるところだった。

「ただいま~」

鉄はそういうと雪に抱きつきおでこにキスをした。

「そういえばリズは?」

鉄の質問に雪もハッとして出かける前からいないことに気づいた。

「そういえばどこいったんどろう・・・・」

「・・・。失礼します。」

そういうとサジが雪の胸の谷間に手を突っ込む。

すぐに手を出すとそこには小さなリスがつかまっていた。

「あ・・・てめぇ!抜け駆けしやがって!」

胸に手を突っ込んだサジに文句をいったのか胸の谷間にいたリスに怒ったのかわからないがなぜリスを捕まえたのだろうと雪は首をかしげた。

「このリスの正体はリズです。」

「?」

「ここでは人目につきますので家に入りましょう」

サジにうながされいったん中にはいり事情を説明してもらった。もちろん風牙と雷牙もリビングに集まった。

リズたちは雪が育ったという施設で動物の遺伝子と人間の遺伝子を融合して作られた実験体の失敗作なのだ。他にも実験体はいたようだが逃げ遅れたほかの実験体は施設ごと処分された。生き残ったのはここにいるリズを含め鷹のファルコン、狐のフォックス、ウサギのバニー、猫のチェシャ、鴉のレイヴン、鼠のマウスだけらしい。

ひとしきり説明が終わるとちょうど銀がかえってきた。

リビングに入ってきた銀の後ろに黒いローブを来た人が6人入ってきた。その黒服に風牙と雷牙は警戒心を表にしながら狼の姿になり雪を守ろうと前でうなっている。

「俺達の他にも生き残りがいたのか・・・。」

一番前にいる黒いローブの男がそういいながら目深にかぶったローブの帽子をとった。

まだ若い二十歳ぐらいの男の人が顔をだした続いて他の5人も目深にかぶっていた帽子を脱いだ。

その中にリズと同い年ぐらいの少女がいた。

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