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ソリアナの最後の転生 だからのんびり楽しく旅ぐらしがしたい…だけどなぜかいつも波瀾万丈  作者: 青山心為
第一章

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19 大いなるひとつの意識の周波数の光

 強い風が吹きつけてきて、窓がガタガタと音を立てました。ヴェルデ家の人々が窓へと目を向けると、いつの間にか強い雨が降り始めていました。光のガイドさんの話に夢中になっているうちに、部屋はさらに薄暗くなっていました。


 父さんは風の音を聞いて目を開けると、窓の近くへと歩いて行き外の様子を確認しました。森には強い風が吹き荒れ、樹々の枝が大きくうねるように揺れていました。


「今日はとても風が強いなあ。木の枝が飛んでくるかもしれないから、窓の鎧戸を閉めておこう。」


 父さんは意識の力で灯りを呼び出してから、一階のすべての窓の鎧戸を閉めました。薄暗かった部屋が明るくなり、雨と風の音は少し小さくなりました。


 兄さんや姉さんたちは、自分の部屋の窓の鎧戸を閉めるために階段を上って行きました。ソリアナは自分の部屋へ戻る前に、光のガイドさんに声を掛けました。


「光のガイドさん、少しここを離れますが、すぐ戻ってきますね」


『わかりました。あなた方が戻ったら、またお話ししましょう』


 ソリアナは三階の自分たちの部屋に戻り、姉さんたちと一緒に部屋中の窓の鎧戸を閉めました。姉さんたちはそれぞれ上着を手に取って、リビングへと戻っていきました。ソリアナも少し肌寒くなってきたと感じたので、カーディガンを羽織ってから階段を降りてリビングへと戻ってきました。


 それぞれ部屋の鎧戸を閉め、一階に戻ってきました。父さんは、上着を着て戻ってきた子どもたちを見て、意識の力で室温を少し上げました。シエナ姉さんは温かいハーブティーを入れなおしてくれました。家族の全員がテーブルに戻ったのを確認すると、ソリアナは光のガイドさんに声を掛けました。


「光のガイドさん、全員が戻りました。またお話させてください。よろしくお願いします」


『あなた方とお話しできることを嬉しく思います。よろしければ、先ほどの意識の光についてもう少しお話しましょう』


「はい!ぜひお願いします!」


 ソリアナは光のガイドさんの提案を受けて、元気に返事をしました。ヴェルデ家の人々もみな、興味津々で光のガイドさんのエネルギーである光の球を見つめていました。


『すべての存在の本質は大いなるひとつの意識です。自我、エゴの状態にまで分離した存在から見ると、大いなるひとつの意識は魂の内に埋もれており、その本質は完全に忘れ去られています。大いなるひとつの意識は、個々の分離しているように見える自我、エゴの内側から、その人生で起こることのすべてを体験しています。そして、そのすべては大いなるひとつの意識の内で起こっています。例えて言うならば、大いなるひとつの意識が見ている夢のようなものです。このことについては何度かお話ししましたね』


「はい。私たちの魂は大いなるひとつの意識を分離した状態に分けておく器だけど、大いなるひとつの意識からみると分離はなくて、すべては大いなる意識とひとつなのですよね」


 ソリアナは、これまでに光のガイドさんから聞いたお話を思い返しました。そして、自分自身の鳩尾あたりに感じる光を心の目で見ながら答えました。家族もみな、小さくうなずいたりメモを取ったりしながら、集中して光のガイドさんの話を聞いていました。


『大いなるひとつの意識は、自己を表現し創造する力と、すべてを知り理解して愛する能力を内包しています。これらの性質は、自己を表現することを喜ぶ意志と、自己を表現し世界を体験することを楽しむ意識として、私たちやあなた方の内にも見られます。自己を表現したいという欲求と、自己を知り世界を知しりたいという欲求は、大いなるひとつの意識から発しているものなのです』


 ソリアナはわくわくとした気持ちを感じながら、光のガイドさんのお話を聞いていました。ソリアナ自身の旅に出たいという望みも、父さんが意識の力について知りたいと思うのも、家族みんなの好きなことも、大いなるひとつの意識から発したことなのかもしれないと思いました。


『大いなるひとつの意識の内に自己を表現したいという意志が芽生えるまでは、すべてが満たされ充足した状態で、光も闇もなく、音もなく、エネルギーに動きはありませんでした。大いなるひとつの意識の内に意志が生じた瞬間に、自己を表現するためのエネルギーと、表現するための素材となるエネルギーが生じました。大いなるひとつの意識の最初の表現は光として現れました。ソリアナが身体の内側に感じている光は、魂の器を透かして現れてきた大いなるひとつの意識の光です。その光があなた方の本質です』


「私もその光を見ることはできますか?」


 父さんは光のガイドさんに尋ねました。意識の力の源は、鳩尾のあたり感じる魂の内の大いなるひとつの意識だと頭では理解しましたが、何か確信が欲しいと思ったのでした。


「あの、私も見てみたいです」


 母さんも手を上げました。すると、他の家族たちもみな一斉に手を上げました。


『みなさんも大いなるひとつの意識の光を見たいのですね。では、大いなるひとつの意識の周波数と同調して、その光を認識する練習をしてみましょう。すべては、意識の力で想像することで創造が起こることを思い出してください。よろしいですか。内なる光を認識しやすくするために、少し室内の灯りを落としてくださいますか。それでは、目を閉じて、身体の力を抜いてください』


 父さんは意識の力で灯りを弱め、ヴェルデ家の人々はみな、目を閉じて身体の力を抜きました。


『あなた方の自我に伝えます。あなた方は、大いなるひとつの意識と離れたことはありません。安心してください。大いなるひとつの意識を恐れていた気持ちや自分自身を責める気持ちがあるなら、もうそれを解放しても大丈夫です。今から、大いなるひとつの意識の周波数の白い光を、あなた方の魂に送ります』


 ヴェルデ家の人々は、自分自身の内側の魂があると思われる鳩尾のあたりに意識を向けていました。すると、身体の内側にまぶしい白い光を感じ、懐かしいような嬉しいような、何とも温かい気持ちが心に満ちて涙があふれてきました。


 光のガイドさんから送られている大いなるひとつの意識の周波数の白い光は、すべてを包み込む普遍の愛の光、恩寵の光なのでした。この白い光こそが癒しの力の源であり、ヴェルデ家の人々が癒しを行う際に用いている愛の周波数でもありました。


 しばらくして、光のガイドさんはみんなに声を掛けました。


『大いなるひとつの意識の周波数の光を送りました。部屋の灯りを戻してくださって構いません』


 父さんは部屋の灯りをいつもの明るさに戻しました。ヴェルデ家の人々は、時間にして三十分ほど瞑想していました。全員が、もっと長く瞑想していたように感じていました。


 深く眠った後のように頭がはっきりしない感じがあったり、すっきりと目覚めた後のような感じがしたり、何か大事なことを夢に見たけれど覚えていないように感じたりと、瞑想で感じたことは様々でした。


『この大いなるひとつの意識の周波数の白い光は、あなた方自身でこれからいつでも呼び出すことができます。必要と感じたらいつでもこの光を呼び出し、あなた方の魂を照らすところを想像してください。この光を呼び出して瞑想することは、あなた方の内なる、大いなるひとつの意識の光を認識することを助けるでしょう。また、この光は、あなた方を癒しを行う際の愛の状態に導きます』


「光のガイドさん、ありがとうございました。これからこの光を呼び出して瞑想しますね」


「とても素晴らしい体験でした。ありがとうございます」


「ありがとうございました!」


 ソリアナが笑顔で光のガイドさんにお礼を言うと、父さんもそれに続いて感謝の気持ちを伝えました。他のみんなも、それぞれ、笑顔で感謝の気持ちを言葉にしていました。


『あなた方と対話できたことをとても嬉しく思います。またお話ししましょう』


 光のガイドさんの光の球は小さくなって消えていきました。ヴェルデ家の人々は、途端にお腹が空いてきました。大いなるひとつの意識の周波数を受け取るという、慣れていない初めてのことに意識を集中していたので、知らない間に大きなエネルギーを消費していたのでした。

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