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ソリアナの最後の転生 だからのんびり楽しく旅ぐらしがしたい…だけどなぜかいつも波瀾万丈  作者: 青山心為
第一章

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17/22

17 大いなるひとつの意識のお話

 次の日の朝、ソリアナは身体が軽く感じ、いつにも増して元気いっぱいに目が覚めました。自分自身の生命のエネルギーが、昨日の夜、光のガイドさんと対話したことによって十分に満たされたのだとハートで理解しました。ソリアナは起き上がって、朝の感謝の祈りを唱え、目を閉じて少し瞑想をしました。


 瞑想が終わってロフトベッドのカーテンを開けると、少し肌寒く感じました。朝だというのに部屋は薄暗く、窓のカーテンを開けてみると外は曇り空でした。ソリアナは静かにベッドの横の階段を降り、日記帳を取り出すと、昨日の光のガイドさんとの対話を書き止めました。


 ソリアナが集中して日記を書いている間に、姉さんたちも起き出してきました。


「姉さんたち、おはよう。今日は馬車のカーテンとイスを仕上げなくちゃね!」


「おはよう、ソリアナ。旅に出るのが本当に楽しみだわ!」


 姉さんたちは旅の話をしながら、それぞれ朝の支度を始めました。日記を書き終えたソリアナも朝の支度を始め、旅の話に加わりました。ふと窓の外を見ると、今にも雨が降り出しそうな空模様でした。


「今日は雨が降りそうね。何だか冷える感じがするから、こっちの厚手のカーディガンを着ようかしら」


 ソリアナは、クローゼットから少し厚手のカーディガンを取り出して羽織りました。姉さんたちも、窓の外の曇り空を見て暖かい上着を着ることにしたようでした。



 姉さんたちとソリアナがキッチンへ降りていくと、母さんがオートミールのお粥を煮ていました。牛乳の甘い匂いが漂ってきて、ソリアナのお腹がぐうと鳴りました。


 ソリアナは、母さんの作るオートミールのお粥が大好きでした。もちもちとしたオートミールのお粥に、フルーツやナッツを載せてはちみつをかけて食べるのが最高においしいのです。


 すぐに、父さんと兄さんたちもキッチンへ降りてきました。父さんは窓の方へ歩きながら言いました。


「みんな、おはよう。今日は雨が降りそうだな」


「おはよう。昨日の内に馬車のキャビンを改装しておいてよかったわね。カーテンとイスの座面を作るだけなら、家の中で作業ができるもの」


 母さんは父さんに挨拶を返すと、食器棚からお皿を出してオートミールのお粥をよそい始めました。父さんは窓際に立って腕を組み、何かを考えながら、風で揺れる森の樹々を眺めていました。


「そうだな。少し風も強くなってきたようだから、私も今日は家の中で過ごすとしよう」


 ソリアナと姉さんたちはテーブルを拭いてスプーンとフォークを並べ、母さんがオートミールのお粥を配るのを手伝っていました。アーモンドやくるみを砕いたものと、新鮮なフルーツ、はちみつの瓶、メーラが作った白いチーズも並べられました。朝食の準備が整い、全員が席に着きました。


「母さん、朝食を準備してくれてありがとう。いただきます」

「いただきます!」



 にぎやかな朝食の後、ソリアナは父さんのところへ行き、昨日の光のガイドさんとの話を伝えました。物質は時間と空間という設定を前提に、エネルギーと情報でできているという光のガイドさんのお話は、ソリアナの思った通り、父さんの興味を引きました。


「そうか、光のガイドさんからそんな面白い話をしてもらったのか!それは、私もぜひ聞いてみたいな。母さんたちが馬車の内装を作ったら、光のガイドさんと対話する時間を持ちたいと思うのだが、どうだろうか?」


「そうね、私もそのお話を聞いてみたいわ」


 横でソリアナの話を聞いていた母さんも、目を輝かせて言いました。


「僕たちも光のガイドさんの話を聞いてみたいよ、なあ、サレント!」


「馬車の内装を作ったら、みんなで光のガイドさんのお話を聞きましょうか?みんなで作れば早くに終わるから、ささっと作ってしまいましょう!」


 母さんとプラート兄さん、サレント兄さんも光のガイドさんの話を聞きたいとのことで、家族みんなで光のガイドさんと対話をすることになりました。そこで、家族全員で馬車のカーテンとイスのクッションを作ることにしました。


 母さんは、美しい深みのある緑色の布と糸、カーテンをレールに取り付けるための金具をテーブルの上に並べました。そして、サレント兄さんの描いた図面を見て、窓のサイズに合わせてカーテンのサイズとイメージを決めました。みんなの意識の力で、あっという間にカーテンができました。


 同じようにしてイスの座面と背もたれのクッションを意識の力で作成し、馬車の内装は完成しました。カーテンとイスのクッションを勝手口の横にまとめて置くと、父さんと男の子たちが目を輝かせながらリビングへと戻ってきました。


 シエナ姉さんは、みんなにハーブのお茶をいれるためにお湯を沸かしてくれました。そして、お茶を用意してみんなに配ると、メモと筆記用具を手にテーブルに着きました。父さんは、意識の力を探究していて書いたメモの束を手に、ソリアナに声を掛けました。


「ソリアナ、みんなの用意ができたよ。光のガイドさんを呼んでくれるかい?」


「うん。光のガイドさん、また家族みんなでお話したいです。よろしくお願いします」


 ソリアナが呼びかけると、テーブルの真ん中に光のガイドさんのエネルギーの光の球が現れ、光のガイドさんの声がみんなの頭の中に聞こえてきました。


『ヴェルデ家の皆さん、私たちはソリアナの光のガイドです。またあなた方と対話できることを、私たちもとても嬉しく思います』


「光のガイドさん、私たちに昨日の、時間と空間と物質のお話をもう一度教えてください」


 ソリアナは、昨日は眠くて起きていられず、話が途中で終わってしまったように感じていました。ですからもう一度、家族のみんなと一緒に話を聞きたいと思っていました。


『わかりました。私たちは昨日の夜、ソリアナに、時間と空間は、物質的な世界、次元にのみ存在する設定だとお話ししましたね。時間と空間という設定の上に投影されたエネルギーが物質なのです』


「魂が意識の器であるように、物質も意識のエネルギーの器のようなものなのですよね。物理学で言う原子の中の、原子核と電子の間にあるのはエネルギーで、素粒子は情報でしたよね」


『大いなるひとつの意識はふたつ以上に分かれ、意志を持って創造すること、意識として体験することを始めました。自分自身を表現して創造活動を行うために、時間と空間という設定と、物質の元となる素材としてのエネルギー、その両方を大いなるひとつの意識は創造の力の波動によって造りました』


 ヴェルデ家のみんなは、光のガイドさんの話についていくのが精一杯でした。父さんもいろいろと考えを巡らせながら話を聞いていましたが、疑問に思ったことを質問してみることにしました。


「光のガイドさん、素晴らしいお話を聞かせていただきありがとうございます。質問させてください。私たちの本質はひとつの意識のエネルギーで、魂は意識を分けておくための器でしたね。では、肉体も意識の器なのですか?」


『大いなるひとつの意識は、意志としての創造の力と、それらを体験する意識とに分かれました。行為者と観察者というふたつの視点です。そして意識は、大いなるひとつの意識から離れたと思い込む設定を創り出しました。これが第一の分裂です』


 光のガイドさんは、ゆっくりと、大いなるひとつの意識についてのお話をしてくれました。ヴェルデ家の人々は、息をするのも忘れて光のガイドさんのお話に引き込まれていきました。


『次に意識は、起こっている事態には二つの解釈の方法、大いなるひとつの意識の方法と、分離、個別化へと向かう自我、エゴの方法があることに気づきました。どちらかの解釈の方法を選択すると、それ以外の方法は心の中の壁で隔てられ、完全に忘れてしまいます。これにより、意識の内にふたつの部分、極ができました。これが第二の分裂です』


 ソリアナは、意識の自分と身体の自分、自分自身が二人いるような気がしていました。そして、身体の自分として感じているのが自我、エゴなのだなあと思いました。


『自我、エゴは分裂を信じる意識の一部です。意識がエゴを選択することにより、大いなるひとつの意識は遠い記憶になり、完全に忘れ去られます。ここで意識はエゴと一体化し、大いなるひとつの意識はエゴ、自我の意識の奥底に埋もれて存在しています。大いなるひとつの意識を埋もれさせ、分けている器、それが魂です。これが第三の分裂です』

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