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ソリアナの最後の転生 だからのんびり楽しく旅ぐらしがしたい…だけどなぜかいつも波瀾万丈  作者: 青山心為
第一章

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10 光のガイドさんのお話 その3

「光のガイドさん、初めまして。ソリアナの母のエルムです。このような素晴らしい機会を与えてくださってありがとうございます。私からも質問させてください」


 まず最初にエルムは、光のガイドさんへの感謝の気持ちを伝えました。ハートから喜びが溢れていましたが、初めての対話に少し緊張も感じていました。気持ちを落ち着かせるために胸に手を置き、エルムはひとつ深呼吸をしてから質問を投げかけました。


「マージナルの人々への癒しを速やかに行うには、愛の周波数を保つ人の人数を増やす必要がある、とのことでしたが、どのくらいたくさんの人が必要なのでしょうか?」


『マージナルの人々の意識の周波数は低く、パワーは最も弱い状態と言えます。対して、愛の状態にあるとき、意識の周波数は高く、パワーはとても強くなります。エネルギーは高い方から低い方へと流れます。マージナルのすべての人々の意識に速やかに影響を与え癒しを行うためには、常に愛の状態を維持している人がマージナルの全人口の数パーセント程度必要になります』


 マージナルには大きな都市がひとつといくつかの町や村があり、人口は五千人ほどでした。その数パーセントというと数百人ということになります。これでは、ランドラに残っているヴェルデ家の人々を全員集めても、とても足りません。


 マージナルの人々のことを思うとき、エルムはいつも、何とかして助けてあげたいという気持ちが湧き上がってきました。まだどきどきしている心臓をなだめながら、彼らのためにできることを求めて光のガイドさんへの質問を続けました。


「癒しを行うことの他に、マージナルの人々にしてあげられることはありますか?」


『愛の状態にまで至っていなくても、意識の周波数が彼らよりも高い状態の人々とともにあることで、少しずつ人々の意識のエネルギーは上昇していきます。その場合、マージナルの人々と同数以上のポジティブなエネルギーを持つ人々が必要です。その人数が多ければ多いほど、変化も早くなります』


 通常、癒しを行うときには一対一で、癒しを必要とする人の状況によって、必要な時間をかけて行われていました。癒しの能力に長けたヴェルデ家の人々でさえも、愛の状態でいるためには瞑想をして心身を整え、愛としてあることに集中する必要がありました。


 ポジティブな人々が半数以上いればネガティブな意識にとってよい影響があるという情報は、スプルースとエルムにとって朗報でした。ランドラでは、愛の状態には至っていなくても、ポジティブなエネルギーを保っている者はたくさんいました。エルムの胸に、一筋の希望の光が差し込みました。きっと何かよい方法があるはずです。


「これからも、光のガイドさんに質問させていただける機会はありますか?お話させていただきたいときにはどのようにしたらよろしいですか?」


『私たちは今、ソリアナの意識を介してあなた方と対話しています。ソリアナが私たちに話しかけてくれれば、私たちはいつでもあなた方と対話することができますよ』


「はい、わかりました。ありがとうございました」


 エルムは最後にもう一度、光のガイドさんたちに感謝の気持ちを伝えました。そして、マージナルの癒しを行うことについて、今聞いた話を頭の中で整理し始めました。


 スプルースとエルムは、マージナルの人々を完全に癒すためではなく、マージナルからネガティブな意識の影響が漏れ出ていることを改善することを目的としてマージナルに派遣されていました。今回光のガイドさんから聞いたことはランドラの女王陛下にしっかりと報告し、今後の方針についてしっかりと検討する必要がありました。



 子どもたちは、父さん、母さんと光のガイドさんが対話している内容を真剣に聞いていました。ソリアナの十一歳の誕生日を迎えた途端、魔女の歩く家や光のガイドさんとの対話など、たくさんの情報が押し寄せてきたため、精神的に疲れを感じている者もありました。


 ソリアナには、考え込んでいる父さんと母さんも、集中して話を聞いていた兄と姉たちも、少し休むことを必要としているのが分かりました。光のガイドさんは、ソリアナが話しかければいつでも対話ができると言っていましたので、今日はこれくらいにしてまた機会を改めて質問をしようと考えました。


「光のガイドさん、ありがとうございました。また質問させてくださいね」


『ソリアナとその家族のみなさんとお話しできたことをうれしく思います。私たちはいつでも対話する用意ができています。ソリアナ、あなたからの呼びかけを待っていますよ』


「ありがとうございました!」


 子どもたちが光のガイドさんにお礼を伝えると、テーブルの真ん中あたりに浮かんでいた光の球がふるりと震え、少しずつ小さくなって静かに消えていきました。


 ヴェルデ家の人々はみな、言葉もなくそれを見つめていました。光のガイドさんとの対話はそれほど長い時間ではありませんでしたが、初めての体験にみな少なからず緊張していたようです。知らずにひそめていた息を大きく吐き出したり、肩の力が抜けたのを感じたりしていました。



 ソリアナは、光のガイドさんと対話したことによって、言葉だけではなくエネルギーでも何か受け取ったように感じていました。光のガイドさんと出会って、魂や意識の話を聴いたことで内側が少しずつ変化しているのも感じていました。


 クレアコグニザンスの能力を使えるようになった影響もあるのでしょう。知らないことでも、それに意識を集中すると何となく解る、ということが増えてきました。また、アカシック・レコードの情報にアクセスすることもできるようになったので、そこからも自然に情報が頭の中に降りてきているようでした。


 ソリアナは、ブループリント、というものにも情報をパッケージにして送ってくれると言われたのを思い出し、今度質問するときにブループリントについて聞いてみようと思いました。そして、自分の内側はこれからどんどん広がっていくのだろうなと感じて、とても楽しみになりました。



「さあ、少し休憩したら、もう夕食の準備をする時間ね。今日は一日が長いわね!」


 にこにこと笑いながら、姉のシエナがみんなに声を掛けました。母さんはそれに頷くと、夕食は何にしようかしらと二人で相談し始めました。シエナはいつも、優しい言葉を掛け家族を気遣ってくれました。今日も、母さんを手伝っておいしい夕食を作ってくれるでしょう。


 黙々とメモをまとめていた兄のサレントは、プラートを誘って部屋へと戻りました。庭の棚を動かすための話し合いをするようです。呆けたような表情で少しぼーっとしていたシプロも、慌てて立ち上がり二人の兄さんの後を追って階段を上っていきました。



 メーラとレゼダは少し肌寒く感じてきたので、ソリアナを誘って部屋に上着を取りに戻ることにしました。二人には、光のガイドさんとの対話について、ソリアナに聞きたいことがたくさんありました。今夜は眠りにつくまで、ソリアナは質問攻めに合うことでしょう。ソリアナの十一歳の誕生日は、思いもよらない面白い一日となりました。

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