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第2話 ゴブリンですから

 と、思っていた時代もありました。かれこれ一週間くらい前までは。


「なん、だと……?」



 なまえ:ガガ

しゅぞく:グリーンゴブリン(幼体)

 じょぶ:ノーマル

 れべる:1→2☆

 かるま:50


 ちから:5→6

 からだ:3→4

すばやさ:4

きようさ:2

かしこさ:6

みりょく:3


 すきる:【幼体ペナルティスキップ】【ゴブリン投擲術】【ゴブリン槍術】

てんせい:2





「ふたつ、だけ?!」


 ネトラレさんが電子音で奏でる「レベルアップおめでとう~♪」の歌をBGMに、俺はただただ戦慄していた。


 自分で言うのも何だな、この一週間、俺は凄く頑張った。


 腕立て千回、腹筋千回、背筋千回、走り込み云千メートルを毎日のようにこなしながら、食料調達ついでに野生動物を狩りまくった。


 その結果が、アレだ。


 上がったステータスはたったの二種類、しかも二ポイント。


 一般人だってレベルアップしたら最低三種類のステータスが、最低三ポイントは上がるというのに、……なぜ?! 


『ゴブリンですから』


 ……うぐ、これ以上ないほどの説得力!


 なっ、なるほど、ネトラレさんがステータスアップ系のスキルを推奨した理由がよくわかったわ。――後の祭りだけどな!


 狩りで必要になったから『ゴブリン投擲術』と『ゴブリン槍術』で業ポイントを使い果たしてしまったわ!!


「……ってか、『れべる』の隣の『☆』はなんなん?」


『カウンターストップです』


「かうんた~すとっぷ?」


 どっかで聞いた覚えがあるのだが、……はて? どこだったか。


『数値の上限を意味し「これ以上の成長は見込めない」ということを意味します』


「もしかして……『カンスト』のこと?」


『略称ではそうなります』


 ……は?


「レベル2で……カンスト?」


『成長限界まで達したことで業ポイントが50付与されました』


 ――あっ、ほんとだぁ~、嬉しぃ~、……じゃない!


「ゴブリンってレベル2で打ち止めなの?!」


『あくまで現個体の成長限界が「2」です』


「取っ払う方法は?」


『不明。現実績では開放されておりません』


「ど、どないしよ~」


 泣けるわ。涙はでないけど。ゴブリンには涙腺もないらしい。


『業ポイント稼ぎを推奨します』


「なにをやれと?」


『前日に発見した近隣の村Aでの「盗み」を推奨します』


「盗人になれと?」


『装備の充実も図れます』


「なるほど……」


 鍋蓋でも盾になるし、オタマでも鈍器になる。

 雀の涙ほどの強化だろうがゴブリンの身の上ではその涙でさえありがたい。


「やるだけやってみるかぁ~」


 とりあえず昼間に村を偵察し、めぼしい獲物に当たりをつける。


 狙いは、金持ってそうな家。貧乏人からは盗まない。


 ――なぜか?


 貧乏人が可愛そうだから、とかそんな生ぬるい理由ではない。


 金持ちは潤沢に金品を持ち合わせているので、盗まれても執着が薄い。

 あと、金持ちは物を持ちすぎているから、盗まれてもすぐには気づかれない。


 反対に、貧乏人は執着が凄まじく、殺してでも奪い返そうとしてくる。

 持っている物も少ないから、盗まれればすぐに気づく。


 傭兵団の前は盗賊団を率いていた俺の経験則だ。間違いない。


「うむ、あの家が良いかな?」


 緑色の肌を野原に溶け込ませながら、村外れで牛を放牧している農家に目をつける。


 牛を五頭、馬を三頭も放牧している。金持ちに違いない。農具も期待できそうだ。


 問題は、あのオークみたいに肥えた農夫だな。


 闇討ちでも首の脂肪を掻き切るのは難しそうだ。得物もないしな。


 ――まあ戦わないけど。

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