第20話 交尾交尾~♪
「お前な……」
「うちにボスの子供を産ませてくださいよ~」
人間の価値観でいうなら見事な淫乱ビッチ発現。
……だが。
ゴブリンとは最弱の魔物だ。すぐに死ぬし、すぐに殺される。
ゴブリンという種を存続させるためには貞操やら羞恥心やらは二の次だ。
やれるときにやって、孕めるときに孕んで、産めるときに産まねばならんのだ。
特に、雌であるゴブリンEには強い雄との間に強い雄の子を産まねばならない、という本能的な宿命があるのだろう。
まさに俺は打って付けの種馬。
……だがな。
ゴブリンCがなびいても、俺がなびくとは限らない。
おっぱい丸出しのゴブリンCを見ても、ぴくりとも動かない俺のゴブリン棒が何よりの証拠だ。
ゴブリンだから、という理由ではない。おっぱいだってそれなりにあるし、愛嬌のある顔立ちはむしろ好みだし、性格だって嫌いじゃない。
ただ、本能が働かないのだ。
強い雄との間に優秀な子孫を残したいゴブリンCに対して、優秀な雌を孕ませ、強い子孫を残したい、という俺の雄として本能が働かないのである。
「お前にやる子種はない!」
「えぇぇ~! じゃあどうすればいいんですか~?」
「どう、って……知るか! そもそもお前じゃ立たんのじゃ! 立つくらい優秀になったら考えてやんよ!」
「ええ~! ゆうしゅ~、ってどうすればいいですかぁ? ボスのお役に立つことですかぁ? お役に立ったら子種くれますかぁ~?」
「おぅ、いいぞ」
……まあ俺のゴブリン棒が反応したら、の話だがな。
「じゃあ、お役に立てるお仕事をください!」
「そういうの自分で考えるもんじゃね?」
「うちは頭が悪いのでさっぱり思いつきません! ボスの想像以上にお馬鹿なのです。ですからCさんみたいに役に立てるお仕事をください。子種もください」
「うむ、きっぷの良いバカは嫌いじゃないぞ」
「あと、名前もください」
「お前、ガンガン来んな。――名前?」
「アルファちゃんとかベータちゃんとか、あれ、羨ましいです。うちにも名前が欲しいです。ゴブリンCなので、それにちなんだのが望ましいです」
「生意気だな、ゴブリンCでいいだろ? ビタミンCみたいで格好いいぞ?」
「ビタミンCって知らんですけど、格好良くはないと思います。名前が欲しいです。是非、欲しいです」
……ぐいぐい来んな、こいつ。
「わかったわかった!」
とはいえ、即興で思いつくほど俺の脳味噌の回転は速くない。
「手柄を立てたらくれてやる」
「本当ですか? 俄然頑張っちゃいますよ?」
「まず手分けして廃屋を見て回ろう。見て回るだけで良いぞ、運び出すのは後日だ。一気にものがなくなったら、流石に村人も気づくだろうからな」
「心得ました!」
「……ああ、あと、工具の類を最優先で探してくれ」
「こうぐ?」
「こういうやつだ」
と、地面に「金槌」や「鋸」の絵を描いて見せた。
「見つけたら持ってきてくれ」
「了解っ!」
意気揚々とゴブリンCは今いる廃屋を飛び出して、
「うりゃあああ! こうぐ、どこだああああ~!」
――どかっ! ばきっ! どかっ!
うん、隣の廃屋に突撃したみたいだ。
「もうちょっと静かに探せ! あとドア壊すな! これも材料だぞ!」
「心得ました~!」
――どかっ! ばぎっ! べぎべぎべぎっ!
「ちっとも心得てないじゃないか……」
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