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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

適当にやってきた浦島太郎だったが……?

作者: 青冬夏

昔昔。あるところに浦島太郎と呼ばれる青年がいました。

彼は毎日釣り竿を片手に適当に海へ出かけ、そこでボーッとしていたり、色々なお魚を釣っていたりして毎日を過ごしていました。


ある日のことです。いつものように、片手に釣り竿を持っては海へ出かけ、何となく散歩をしていた時のことです。その海辺にはある生き物がいました。


その生き物は子供達によって甲羅を蹴られていたり、棒で叩いていたりしていじめられていました。その光景を見た浦島太郎は子供達に駆け寄って、


「こら。何をしているんだ」と怒鳴りました。

「ごめんなさーい」と子供達は生き物をいじめることを止め、どこかへ立ち去っていきました。


「大丈夫?」浦島太郎は亀に向かって言いました。

いじめられていた亀は「……大丈夫」と掠れた声で言いました。

「お礼と言ってなんですが……」

「なんです?」

浦島太郎は首を捻りました。

「お礼と言ってなんですが、(わたくし)の甲羅に乗って下さい。私たちが住む竜宮城へとご案内させて頂きます」

「……そう」


浦島太郎は小声で呟き、亀の甲羅に乗りました。


※※※


「こちらが我々が住む竜宮城です」

海深くへと潜った浦島太郎は、亀の案内により竜宮城へとやってきました。そこは大きくそびえ立ち、暗闇の中豪華絢爛に輝く、まるで夢のような建物でした。


その建物の中に浦島太郎は何の疑いもなく入っていきます。すると、彼の目の前に現れたのは、先程の亀をいじめていた子供達でした。

「浦島太郎さん。さっきはごめんなさい」


ぺこりと子供達が声を合わせて頭を下げます。その光景を見た浦島太郎は、先頭にいた子どもの頭を撫でて、

「ううん。次からは気をつけるんだよ」と微笑みながら言います。


「お礼と言ってはなんですが」他の子どもが言います。

「僕たちの案内で、竜宮城で一番偉い方の元へお連れ致します」

また別の子どもが言います。

「そうかい。それじゃあ、案内してくれないかい」

優しい口調で浦島太郎が言います。


子供達の案内で浦島太郎は竜宮城を進みます。すると、暫く赤い廊下を進んだ先に現れたのは、大きくそして広い部屋でした。天井には爛々とシャンデリアが輝いており、その下には一人の女性が立っていました。

「お待ちしておりました」


女性は礼儀よく頭を下げます。あまりにお美しく、美白な肌に端麗な顔つきに見惚れてしまった浦島太郎は挨拶が遅れ、「あ……浦島太郎と申します」と辿々しく頭を下げました。


そんな浦島太郎を見つめた女性は浦島太郎の傍まで近づき、微笑みます。

その笑顔にまた浦島太郎は見惚れていると、突然、腹部から痛みを感じます。


何事か、と思って自分の腹部を見ます。そこには突き刺さった短刀と赤色が確認できたのでした。

「……!?」

どういうわけか分からず、ただ呆然と浦島太郎は立ち尽くします。女性はそんな浦島太郎を見た後、彼に寝技をかけて床にたたき付けます。


ぐふう、という音が浦島太郎から漏れると、女性は彼に馬乗りになり腹部から短刀を抜きます。その痛みで浦島太郎は顔をしかめます。

「……さようなら」


と言って、女性は浦島太郎の顔に短刀を突き刺しました。


少し時間が経過した後、女性は浦島太郎から離れます。そこから見た浦島太郎は、見窄らしい姿と化していました。


「……ごめんなさい。ウーラくん」

浦島太郎の本当の名前を女性は告げた後、彼女はその場から立ち去りました。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

私からのお願い事ではありますが、下の欄にある星の欄で評価をつけてくださると私自身のモチベーションになります。よろしくお願いします。

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