第3話 ふたばとしあき君
5ちゃんねるとふたばちゃるを反復横跳びする生活は頭がおかしくなるので止めましょう。
なんなら匿名掲示板を見るのもやめましょう。まだ小説家になろうで1日費やす方が100倍マシだと個人的に思います。
まあ、それが出来たら苦労しないのですが。
『ふたばちゃんねる』は画像掲示板だ。2001年に作成されたくせに未だに生まれたばかりの掲示板であると主張している。
日本では『おーぷん2ちゃんねる』『2ch.sc』、『3ちゃんねる』等の有名な『5ちゃんねる』互換掲示板が現在もある程度稼働しているが、『ふたばちゃんねる』フォロワーは存在しない。
海外には『4chan』という『ふたばちゃんねる』派生の掲示板が存在するが、だからなんだという話である。
端末に『ふたばちゃんねる』のurlを送ってやると、ミリオンはすぐさま開いて巡回し始めた。
「5ちゃんねると違ってスレ一覧が画像で表示されているぬ」
「それがふたばちゃんねるの特徴だよミリオン。ふたばちゃんねるはスレを作成する時にサムネイル画像を設定することができる。それはカタログと呼ばれるスレッド一覧表示ページで表示されるため視覚的にそのスレが何のスレなのかわかるという寸法さ」
「5ちゃんねるみたいに板があるんぬ」
「1番人口が多いのは『二次裏@ふたば』だな、というか大体ここしか人いないよ。トップページに3つくらい表示されているがurlがmayって表示されているところが実質本丸だ。さらにトップページに表示されていないimgというサーバが存在するがここが2番目に人口が多いサーバだ」
他にも二次裏junとかあるけど別に知らなくていいだろう。ふたばちゃんねるはmayとimgこの2つの板を巡回していれば8割、いや9割を網羅できると考えても良いのだ。
「だがミリオンしばらく書き込むことは控えて、独特の雰囲気を学ぶことをおすすめするよ。彼ら風に言えば『半年POMれ』という奴だ」
『ふたばちゃんねる』というのは『5ちゃんねる』と比較しても独自の定型、スラング、ミームが発展している。故に初見お断りの風潮が少しあるが、そのおかげで治安が維持されている側面もあるので良し悪しだろう。
「やらかすとどうなるんぬ?」
「『ふたばちゃんねる』には『del』という機能が存在する。君が書き込んだレスに対して他の多くの人達が『del』すると君のIDが露わになる。」
「だからどうしたというんぬ」
「確かにだからどうしたという話だが、『ふたばちゃんねる』でIDが付いている奴はうんこ付いている奴と同じだからまともに話を聞いてくれなくなるんだよ」
「はえー怖いんぬね」
まあ、そもそも『5ちゃんねる』は大抵デフォルトでIDついているし、ちょっと回線変えたり、飛行機飛ばしたりすればIDなんて簡単に変えられるので本当にだからどうしたという話ではあるが、そこでは暗黙の了解が成り立っているのでそういうものなのである。
『ふたばちゃんねる』の説明に少し疲れた俺は適当な理由でミリオンを部屋から追い出した後、窓を開け空気を入れ替えようとした。やっぱりインターネットばかりで家に引き篭もるのは良くないな。と。早くも心は当初の目的から外れようとしていた。しかし、遠目に見えた巨大な青色の怪鳥のようなモンスターに恐れをなして我に返る。
やはり外は危険だ。ミリオンが『ふたばちゃんねる』に飽きたら今度は『ツイッター』でも薦めてみるかと考えながら、ベッドの上に身を投げた。
最後までお読み頂き有難うございます。
もしよろしければ、こちら↓↓↓の広告下にございます「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。
よろしくお願いします!