第2話 Uの者、そしてスクリプト襲来
異世界にきたものの相変わらず匿名掲示板『5ちゃんねる』の『なんでも実況Gちゃんねる』に入り浸る主人公だったが、友人のミリオンはいい加減、飽きてきたようだ。『専門板』を進められるも流れが遅く、直ぐに飽きてしまったミリオン。そこで主人公はミリオンに『なんでも実況G』の兄弟板『なんでも実況U』の伝授を試みる。
「飽きたんぬ」
「そっかあ」
前回『5ちゃんねる』の『なんでも実況G』に飽きたミリオンのために苦肉の策で専門スレをすすめたがどうやら失敗したらしい。専門スレは流れが遅くレスが溜まりにくいが、今まで積み重なった過去ログが存在するためもう少し時間が稼げると思ったが見当外れであったようだ。
どうしたものかと頭を捻っているとミリオンの方が先に口を開いた。
「関係ないぬけど。どうして『なんでも実況G』なんぬか? 『なんでも実況J』じゃなかったんぬ?」
「良く気づいたなミリオン。元々なんGは5ちゃんねるの新サーバーの耐久調査のために新設された板だったが。2022年3月になんJのサーバでハードウェア障害が発生、なんJが消滅した。なんJ民の大移住が起こったのだ」
「そんな経緯があったんぬか」
「詳しくはなんGなぜとかで検索すると詳細がわかる、最も大半のまとめキッズは未だになんJ民がなんJに生息していると思い込んでいるだろうし、そもそも2ちゃんねるが5ちゃんねるに変わったことすら知らないだろう。まあそのお陰で現在のなんGにキッズが流入しないという利点があるが裏を返せば新参が辿りにつきにくい構造となっているが、そもそも今の時代に匿名掲示板やっている奴なんてすべからくクソ野郎だから気にしなくて良いよ」
『めっちゃ早口で言ってそう』とレスされそうだが実際早口だった。だけどよく考えたら書き込みに対して『言ってそう』というのはおかしいではないか。めちゃくちゃ早くタイピングしてそうとツッコむべきではないだろうか。
「最も今のなんJは実質特定vtuberの実況専門スレと化していて基本的には過疎っているがな」
どうして現在某ホロライブのvの実況があれだけ盛り上がってるのかはわからない。いったい何が琴線に触れたのだろうか。
「勉強になったんぬ」
納得してくれた様子だったが、彼の関心が薄れつつあるのを止められた訳ではない。話題を提供しなければならない。
「よし、今日はなんでも実況J派生の板なんでも実況Uについて教えてやろう」
「お願いしますんぬ」
「なんでも実況Uは実況板ではあるがなんJと異なり長くスレが保持されやすい。雑談板よりも専門性が高く、専門板よりも流れが速いという特徴があるんだ」
最も実際はパートを伸ばしすぎてなんJで住民の顰蹙を買い、追い出されたスレの集合とも言える。
「ミリオン、このなんでも実況Uにお前の興味が湧きそうなスレはないか?」
「表記が独特で分かりにくいんぬ。このアルファベットは何を意味しているんぬか?」
「それはTDN表記と言うやつだな。元々淫夢界隈で使われていた表記だが、別の界隈でも検索避けとして使われていた表記方法だ。慣れれば読めるようになるさ」
そう言ったもののミリオンの反応は芳しくない。それもそうだろう。俺だってなんUは最近覗いていない。2018年頃のvtuber黎明期にはなんu vtuberスレに入り浸っていた時期もあったがいつのまにか見なくなっていたことを思い出す。
どうしたものかと思索を巡らしていたところミリオンが驚いた声で言った。
「なんなんぬ!なんでも実況Gに意味不明な文章を書き込む奴らが大量発生しているんぬ!」
遂にミリオンもスクリプト荒しと初めて遭遇したか。少し早いと思うがそろそろ次のフェーズへ移るとしよう。
「それはスクリプト荒しだ、ミリオン。運営が対処するまで俺たち出来ることはない。そこでだ、一度『5ちゃんねる』から離れようではないか。戦略的撤退だ。そしてあの場所へ向かうのだ。
……お前に教えよう『5ちゃんねる』と双璧を成す匿名掲示板『ふたばちゃんねる』を!!」
最後までお読み頂き有難うございます。
もしよろしければ、こちら↓↓↓の広告下にございます「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。
よろしくお願いします!