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70 不用意な訪問 3


 プリシラは今にも俺たちを店の外に追い出さんばかりに怒り心頭となっていたが、俺とエミリーの二人がかりでそれをなだめて頼み込むと、俺たち二人になら話を聞かせても良いという落としどころで、なんとか了承を取り付けることができた。

 その間、男三人は店の外で待つこととなる。

 外に出る前にセドリックは安全を確認するためだと言って、店の奥まで無理矢理押し入っていき、それがプリシラをさらに怒らせることとなった。


「申し訳ありません。ジョセフィーヌ様。出過ぎた真似をしました」


 店の出口でセドリックが頭を下げる。


「よいのです。ベスニヨール家のこと、短い期間によく調べてくれました」

「いえ。ジョセフィーヌ様のご慧眼(けいがん)には敵いません」


 ……ご慧眼。何のことだろう?

 分からないながらも微笑み返す。


「争って別れた分家の者が本家の家紋を掲げるはずはないと、少し考えれば分かることでした。一目見ただけでそれにお気付きになられるとは」

「あ、ああ。そのことでしたか」


 店に入る前に見上げたあの古ぼけたレリーフのことか。

 実際は家紋どころかベスニヨールの家名すら初耳だったことは黙っておくことにした。


「店の奥に裏口がございましたので、私は外からそちら側を見張ります。何かあれば大声で叫んでください」


 セドリックはそう言い残して去り、店の中には俺を含む女性三人だけが残された。


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