第一話
ある日。俺は,彼女が空から降ってくるのを見た。
ーーー教室の窓から。
*******************************************
4月。新しい生活が始まり,わくわくとドキドキが詰まっている時期だ。
俺,深見恭一もそんな新生活に期待を膨らませながら,ここ"月城高校"に入学した。
「フフフ・・・今日から俺の高校生活がスタートする・・・
つまり!!! かわいい女の子たちとたくさん出会っていちゃいちゃする,俺の青春ライフがここから始まるのだ!!!!!!」
「ばっかじゃないの?アンタみたいなやつに彼女なんかできるわけないでしょ。」
あー・・・。そういえばこいつも同じ高校入ったんだった。
こいつは夏川瑞樹。俺の幼馴染だ。
昔から何かと俺にちょっかいばかりかけてくる。ガサツで口が悪くて,とてもじゃないが女っぽいとは言えないやつだ。
「は?なんでだよ。お前には関係ねぇだろ!」
「でもアンタ,これまで何人に告白して振られたか覚えてるの!?」
「うっ・・・それは・・・」
「しかも!その振られた理由ってのもかなり笑えるものだったよね(笑)
なんだっけ?髪型がダサいから?だっけ?(笑)」
「うるせぇな!!!あれはワックスで固めてたんだよ!!!!」
そう。中学校の頃の俺は俗にいう中二病で,髪をアニメの主人公みたいにしたかったため,ワックスでガチガチに固めていたのだ。それが理由で中学の時に好きだった女の子にも振られた。
「大体!お前だって中学校の頃彼氏すらできてなかったじゃねーか!!!」
「うるさいわね!私は作れないんじゃなくて,作らないの!」
朝からこんな口喧嘩をしていると,俺の後ろからいい匂いと共に,とても綺麗な女性が歩いてきた。
「あっ!キャー――!雛切様よ!」
「ひなきりさま・・・?」
「アンタ知らないの?ここ,月城高校一の美人で校内一の人気を誇る雛切玲様よ!
はぁ・・・今日もあのクールな表情がいいわ・・・」
「あっこっち見た!!雛切様ーー!!!」
その瞬間。俺は彼女と眼が合った。彼女の眼はとてもきれいでその中でもミステリアスさもあって・・・神秘的だった。艶やかなその長い髪はとても綺麗で,顔立ちも整っている中にかわいらしさもあって・・・
そう。その時,俺は彼女に「一目惚れ」をしたんだ。
お久しぶりです。羽柴悠人です。
今回は新しいジャンルに挑戦しようということで,ちょっと重めなラブストーリーを書いてみました。
拙い文章ではありますが,楽しんでいただけると幸いです。