青春は塩辛い
男性2人、系2人の声劇台本です。
冒頭のシーンは以前nanaに上げた台本ですので、良ければこちらも是非!(という宣伝)
使用はフリーですが、連絡頂ければ喜んで聞きに参ります!
録画を残せる媒体での使用の際は是非残しておいて下さい!
(所要時間10分)
キャスト
リク(男)
カイ(男)
リク
「なー、これ…どこまで登れば、いいんだ…?
そろそろ俺、立ちこぎ限界なんだ、けど…」
カイ
「お、俺に聞くな、よ…
大体、お前が、言い出したんだろーが…
今日1日…チャリでどこまで行けるか…挑戦って…」
リク
「昨日、テレビでやっててっ…
やりたくなった、んだよっ…
お、お前だって…乗り気だったじゃ、ねーかっ…」
カイ
「こんな坂があるってっ…知ってたら…
付き合わないっつーのっ…
あーもう、マジでしんどい!」
リク
「あ、降りた! はぁ、はぁ…
はいお前の負け〜!
昼メシ奢りな!」
カイ
「ちょ、ふっざけんなよ!?
ぜぇ、ぜぇ…お前も、殆ど同時に降りたじゃねーか!
こんなのドローだ、ドロー!!」
リク
「あ〜、あっちぃ〜!
めっちゃ汗かいた!!」
カイ
「おいこら! 聞こえないフリすんな!!
認めねー、俺はぜってぇ認めねーからな!!」
リク
「あ、やっと登り終わった……
うっわ、すげぇ! 海見えんじゃん!」
カイ
「んあ? お〜、マジだ!
そして下り坂キター!!」
リク
「てめ、先に行くんじゃねぇよ!
待てコラ!」
カイ
「海までノンストップで行くぜ〜!」
間
リク
「…なー、最近マージで暇なんだけど」
カイ
「あ?
何だよ急に」
リク
「ひーまーなーのー!」
カイ
「分かった分かった、お前がすんげぇ暇なのは分かった!
でもな?
お前知ってたか…明日から3日間、期末テストだって」
リク
「聞こえねー、なーんも聞こえねー!」
カイ
「言っとくけど、今回赤点取ったら留年決定だぞお前」
リク
「バカヤロー!
赤点が怖くて、留年が怖くて男子高生なんかやってられるか!」
カイ
「俺は永遠に男子高生でいるつもりは無い。
悪いが1人で続けてってくれ」
リク
「裏切るのか、貴様!!」
カイ
「へーへー、裏切り者と罵ってくれて構わねーよ。
つーかさ、来年大学受験だぜ?
遊んでる暇なんかーー…」
リク
「だからだろうがよ!」
カイ
「あ?」
リク
「来年はきっと俺らも大学受験やら就職活動やらでバカやってる時間なんて無ぇ!
だからこそ、今なんだよ!」
カイ
「あー、一応そこは分かってんのか」
リク
「なぁなぁ、期末終わったらさー、またやんねぇ?」
カイ
「は、何を?」
リク
「自転車旅」
カイ
「はぁっ!?
やだよ、パス」
リク
「何でだよ!
お前、夏のあの熱い思い出を忘れちまったのか!?」
カイ
「気持ち悪い言い方すんな」
リク
「だぁってさ…楽しかったじゃん、あれ」
カイ
「…まぁ、それなりには楽しんだよ、俺も」
リク
「じゃあ!」
カイ
「あのなー、今の季節分かってるか?」
リク
「秋じゃん?」
カイ
「ああいうのはさ、夏だからこそ出来るみたいなとこあんじゃん。
変なテンションっつーかさ」
リク
「そーだけど、めっちゃ日焼けしたしお互い熱中症寸前だっただろ?
それに比べると今は秋だ!
絶好の行楽チャンスだろ!?」
カイ
「爽やか〜に、紅葉の中チャリで駆け抜けるってか?」
リク
「そう!
それだよ!」
カイ
「女子とやれよ」
リク
「カイ…よく周囲を見渡してみろ…
ここはどこだ…?」
カイ
「むさ苦しい男子校の教室だな」
リク
「どこに女子がいるってんだ!
言ってみろ!!」
カイ
「脳内に」
リク
「うわぁ、お前…そんなに痛い奴だったのかっ!?」
カイ
「俺じゃねーよ、リクだろ?
もーマジで静かにしててくれよ…
明日の数学赤点取ったらお前のせいだかんな?」
リク
「へっ、明日数学!?」
カイ
「数学、古典、政経だな」
リク
「俺の苦手教科ばっかじゃんかよ!
何それ狙ってんの!?」
カイ
「リクをピンポイントで狙っても何の得もねーよ。
第一、お前に得意な教科あんの?」
リク
「ぐっ…そ、それは…」
カイ
「テスト終わったら自転車旅付き合ってやってもいいけど、取り敢えず今、俺の邪魔はしないでくれ」
リク
「おっ、マジか!?」
カイ
「あーもうマジで気持ち悪い、公式見ただけで拒絶反応起こす。
数学の存在を否定したい」
リク
「いや、俺は数学だけに留まらず、全ての教科に物申したい!」
カイ
「例えば?」
リク
「へ?
何が例えば??」
カイ
「だからさー、リクは全ての教科に物申したいんだろ?
何を言いたいんだよ」
リク
「え、えーと……」
カイ
「あー、じゃあ言いやすい様に、ひと教科ずつ指定してくか。
まずは数学」
リク
「日本語でお願いします!」
カイ
「はぁ?」
リク
「いやほら、パイとかサインコサインたんじぇんとー!とかあんじゃん。
エックスとかワイとか代入すんじゃん」
カイ
「…んじゃ、それを全部日本語に変換したら、お前は理解出来るんだな?」
リク
「そ、そういう事を言ってるんではなくてだな…」
カイ
「代入すんのも、例えば、あ、とか、い、とかならいいって事だよな?」
リク
「バカヤロー!
数学に愛なんかねーよ!」
カイ
「上手い事言った顔すんじゃねーよ、それで誤魔化せると思ったら大間違いだからな」
リク
「ぐ、ぐぅっ…つ、次だ次!」
カイ
「あー、じゃあ古典」
リク
「現代語でお願いします!」
カイ
「お前それ、現国じゃねーか。
現国も確か点数どっこいどっこいじゃね?」
リク
「現国の方が点数高いんだぜ!」
カイ
「胸張って言える点数じゃねーだろ、大して違わないの知ってっかんな」
リク
「1点でも、俺には価値があるのだ…」
カイ
「遠い目してもテストは明日だぞー。
んじゃ、政経は?」
リク
「選挙権無い俺には関係の無い話だ!」
カイ
「来年選挙権ゲット出来るだろ、その予習してんじゃねーか。
予備知識無しでお前投票出来ると思ってんの?」
リク
「え、投票券持って投票所行けばいいっしょ?」
カイ
「いやだから、どの政党を支持するとかさ、出馬してる人の公約とかで判断して、自分なりの意思を持ってーー…」
リク
「そこは選挙権ゲットしてから考える!」
カイ
「こういう奴いるから駄目なんだよなぁ…
あ、でもまだ投票行くだけマシか…」
リク
「ふふん。
さぁ、まだまだぁっ!
かかってこいやぁっ!!」
カイ
「あ、最終下校チャイム…って、マジかよ!
ぜんっぜんテスト勉強してねー…」
リク
「はっはっは。
さぁ、共に永遠の男子高生を目指そうじゃないか」
カイ
「1人でやってろ、自転車旅もな!」
リク
「ちょっ、カイくーん?
ごめんって〜、許してちょんまげ!」
カイ
「昭和ネタ出してくんな。
平成だってもうすぐ終わるんだからな」
リク
「うっそマジで?
初耳なんだけど!」
カイ
「時代に1人取り残されてろ、俺は行く」
リク
「お、俺を置いて行くのか、カイ!」
カイ
「あぁ、俺は海だからな。
じゃあな、陸。
お前は永遠にそこで立ち止まっているがいいさ」
リク
「………ごめん、今のはしょっぱいわー」
-end-
感想を頂けると大変喜びますし、次の活力にもなりますのでそこんとこ宜しくなんだぜ!