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宮廷マーチ〜ウェーイのレクイエム〜

作者: 恋住花乃

ウェーイ×政治の有り得ないシチュエーションで書いてみたウェーイ文学です。

「旧帝も、マーチも終わったな。」遠い未来の話だ。

旧帝、マーチの権威は崩壊しようとしていた。

東京大学でさえも、学力の低下が囁かれる時代となり、日本大学革命機構によって、私立、『真・東京大学』が設立された。


これからは日東駒専、産近甲龍の時代だ。旧帝、マーチと同レベルになった八大学はそれを誇りとするようになった。

旧帝のウェーイは影を潜め、下等ウェーイと呼ばれた日東駒専のウェーイが、細菌のように活動を活発化させた。


専修大学非公式ウェーイ研究会(通称ウェー研)や、近畿大学ウェーイ部などが、21世紀初頭に勃興した、ウェーイズムの研究の先駆けとなった。

専大ウェー研委員長の村井は、こう言った。

「是非とも、日本国をウェーイズム国家にすべし。」と。

今までのウェーイを否定し、新たなウェーイズムを打ち立てようとする、新ウェーイ運動を展開していた八大学は、ニューウェーブをもじって『ニューウェーイブ』というジャンルに収められた。


選挙権が18歳以上に引き下げられたことによって、当時、23歳以上に衆議院の被選挙権も引き下げられた。

大学を出た村井は、すぐさま八大学のウェーイズム研究サークルのリーダーを一箇所に集め、『日本ウェーイ倶楽部』を立ち上げた。それから、ウェーイを漢語に訳すことにした。宴会主義、行楽主義、興奮主義と色々な意見が出たが、協調主義という訳が出て、政党『大日本協同倶楽部』を発足させた。


「それでは、只今より、大日本協同倶楽部第一回定例会、失礼致しました。定ウェイ会を始めさせて頂きたいと思います。」大日本協同倶楽部の総裁に就任した村井は、そう言うと会議を始めた。

『The way of survive in the world is crying ウェーイ』

これを党の理念とした政党であった。

道行く人に酒を勧め、酔った勢いでその人の心に残る演説をし、道端にウェーイズムを広めた。

大日本協同倶楽部の協同主義(ウェーイズム)は特に酒造業者に受け入れられた。彼らに票を入れれば酒造業は保護され、安定するからである。宴会で使われるからだ。酒は。


一週間に1回は集まって、健康を害しない程度に酒を飲む。

それを推奨しているのだ。一見無意味な手段だと思うかもしれない。しかし、孤独死や会社との疎遠で苦しんだ末の自殺などを防ぐことが目標である。酒を酌み交わせば、丸くなるというのが、この党の持論である。

そして、宴会好きなこの政党は衆議院で当然の如く議席を獲得できない。…と思いきや。


『内閣総理大臣 村井英徳(むらいひでのり)』議長に指名された。

最初の選挙で物珍しさが勝ったのだ!政権与党になったのだ。

旧帝大ウェーイ、マーチウェーイは不機嫌そうだった。

日東駒専、産近甲龍の八大学のウェーイ連合が政党化して、議席をとってしまったのだから。


「よし、まずは永田町でウェーイズムのパレードを行おう。」村井は官房長官の酒井に言った。酒井もネオウェーイズム派の古参である日本大学ウェーイ会の会長であった。


「分かりました。我々、協同倶楽部の演説を広く国民の皆様にお伝え致しましょう。」

酒井は畏まりながら言った。

「勿論だ。協同主義は、資本主義の中にある。弱いものを助け、強きものをくじく。これが任侠道であったが、我々は前者を行うのだ。ボランティアが受け入れられたのも、そういった日本人の国民性があったからだ。」



今、空前絶後のウェーイズム内閣が始まろうとしていた。

だっせぇユニクロ舐めんなよ!

つまらないですが、読んでいただきありがとうございます。

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