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卵から俺の異世界生活は始まる!  作者: 小人の勇者
6/16

第6話




「はぁー、空がかなり暗くなってきた…今日はここまでにしておこう。まさか転生初日ずっと歩き続けて木の一つも見つからないとは、ハードすぎるぜ…」


 たぶん、かれこれ12時間位は歩き続けたのではないだろうか。今は空の明るい光が落ちて、辺りは闇に包まれている。

 暗くて辺りが見えないのに、俺の後ろにゴブリンがしっかり付いてきているというのが分かるのは、スタっスタという足音が聞こえるのと暗闇に光っている6つの目が見えるからだ。

 ゴブリン達は文句も言わず、俺の後ろを付いてくる。まぁ、卵ダム創成のおかげなんだが、こうも指示通り動いてくれると嬉しい反面心苦しく思えてくる。


「食べる物があればいいんだけど無いし、有るのは魔法で出せる水くらいだ」


 生活魔法というスキルでは3つの魔法が使える。着火、流水、ライトだ。道中で休憩を取った時に一応全ての魔法を試してみたのだが、着火はライターの火くらいの大きさと火力で最高で1分出続けるだけで、ライトはロウソクの灯りをもう少し暗くした程度の光量の球のような物体が俺の前方に最高で10分程現れただけだった。流水も前の2つと同じく余り役立たないのかと思ったが、流水はこのスキルの中で一番重宝する魔法だということが超鑑定の調べで分かった。この魔法を使うとチョロチョロっというようなジョウロから出る水ほどの勢いで俺の体から約半径1m以内の距離ならば水を任意の場所に出すことができる。更になんと、この魔法から出る水は飲める水だったのだ。

 本当に周辺には草や所々に花が咲いている以外は何もないので、もしかしてこのままずっと何も見つからなければ餓死するんじゃね?まずいよね?と少し焦りながら草原を歩いていた。辺りに生えている草や花も食べれるものがあるかもしれないと思い、超鑑定を使ってみたところ普通の何処にでも生えているような草、花で、食料にはできないことが分かった。

 そんな時、半ば諦めたように流水から出た水に超鑑定を使うと


 _________________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 名称: 普通の水


説明: 唯の水。飲料可能。効果は無し。_________________________________ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 というシンプルな鑑定結果が出た。


 いや〜、まじでホッとしたね。


 一先ず後3、4日は餓死することは無いだろうし、お腹は限界まで減るだろうけど、なんとか耐えられる…と思う。


 ゴブリン達も悪いが、同じように水だけで持ち堪えてもらいたい。

 もし、食べれる物が見つかれば、たんと食べて貰おう!

 ま、俺凝った料理とか作った事ないから簡単な物になるだろうけど…


 そんな事を考えながら、俺はゴブリン達の方をなんとなく見る、目を擦ったり、目蓋を閉じる時間が長くなったりしていて、どことなく眠たそうだ。


 まぁ、かなりの時間歩き続けてたからな…短時間の休憩を2回しかしてないしな。そりゃ、疲れも溜まるか。


「お前ら〜、今日はここで休むから、てきとうに寝ていいぞー」


「「ゴブブ」」

「ガブゴブァ?」


 2体は「分かりました」と言い地面に座ったが、もう1体のどのゴブリンかは分からないが、「見張りをしなくてもいいのですか?」と俺に聞いているような気がする。

 道中余りにも退屈だったので時々ゴブリンに話しかけていたのだが、俺が言ったことに対して必ず応えを返してくるし、何故かは分からないが、その内容を会話では理解出来ないが、頭の中でゴブリンが言った事がなんとなく分かるのだ。


 痛い奴じゃないよ?本当ですよ?!


「あぁ、どうせ周りには何もいないし、ゆっくり休んで明日に備えてくれ」


「ゴブブ」


 ゴブリンは「分かりました」と返事をし、他の2体同様地面に座り込んだ。


 すると、数分もしない内に静かなイビキがシーンと静まりかえったこの草原に響いてきた。


 寝たか…って、早っ!!余程疲れたんだな。歩くペースも少し早かったからな。でも、のんびりとしてたら確実に食べ物見つからなくて餓死する。焦り過ぎるのは良くないが、危機感を少しもって行動した方がいいだろう。


 よしっ、何か今は眠たくないし、少し鍛えとこう。いざという時に戦闘手段がなければ死を待つだけだからな。


 取り敢えず、俺は生活魔法以外の攻撃や防御に使えるような魔法を覚えておきたい。


 ステータスを見てもMPとINTの能力値が他と比べて高いし、ゲームだと、魔法使いタイプに分類されそうなステータスだからな。魔法の方がスキルを取得出来る確率が高そうだ。

 それに、明日も今日のように辺りが暗くなるまでずっと歩き続けるだろうから、肉体的疲労を重ねることは出来るだけ避けたい。

 まぁ、取り敢えず今魔法使ってるぜ!って感じられるような魔法を使ってみたいっていうのも理由の一つだな。


 えっ?生活魔法使ってるじゃんって?

 確かに魔法ですけどっ!俺はあれを魔法とは認めない!


 まぁ、その生活魔法のおかげで俺たちの命が繋がっているんですけどね…


 ま、まぁそれは置いといて、早速訓練を始めるとしますか!


 今俺が取得したいと考えてる魔法は水魔法だ。


 何故、水魔法なのかは取り敢えず使った事がある魔法の系統の初歩で一番今役に立ちそうだと判断したからだ。


 着火は火魔法、流水は水魔法、ライトは恐らく光魔法の初歩的な魔法だと思う。


 もし森や山を見つけて入って、何かしらの生物と戦わなければならないときに火魔法だと火事になる可能性があるからな。

 俺たちが今こうやって行動している目的が山、川の周辺で拠点を作ることだし、火魔法は水魔法を取得した後で試してみるとしよう。

 光魔法に関しては攻撃と防御のイメージが掴みにくそうだ。

 そして、取得しようと考えている水魔法だが、流水を今日結構使ってたから魔法を行使するときのMPの流れ?みたいなものが少し分かったという理由と、水を使った攻撃と防御手段のイメージが湧きやすいと思ったからだ。例えば、水を球状にしてそれを前に飛ばして攻撃したり、水の壁をつくって防御したりできそうだ。水で体も洗えるし、かなり用途が広い。

 これらの理由から水魔法を最初に取得しようと考えた。


「よし…ゴブリン達を起こさないように、なるべく静かに特訓しよう」


 俺のせいでゴブリン達が休めなくて明日の行動に支障がでたら自分達の死に一歩近づくからな。


 俺はそーっと、ゴブリン達が寝ている場所から少し離れて魔法の取得を行う事にした。


 ・・・あれ?なんか少し空が明るくなったのか?足元がある程度見えるようになったんだけど…


 《暗視を取得しました》


 …えっ?何もしてないんだけど、スキル取れたの?暗視?


 ま、まぁまぁ取り敢えずそれは置いといて水魔法を取得したら一緒に確認しようじゃないか。今は水魔法だ!


「おし、やるか!まずは、流水を使ってみよう。感覚の確認だな」


 そう言いつつ流水を行使すると、自分の体内にある気?みたいなもの(たぶんこれがMPのことだろう)がかなり少ない量で体外に流れていくのがなんとなく分かる。そのMPは俺の腰ほどの高さで前方に1m程離れた場所に行くと、何かに干渉したように広がりをみせたように感じた。すると、広がりをみせた場所から水がチョロチョローっと流れだした。


「これは…もしかして空気中の酸素と水素を結合させ、水を作り出したのか?もしくは空気中に漂っている水分を一箇所に集めて水を作り出したのか?もし、どちらかの考えが合っているとしたらかなり楽に魔法が取得できるな!よしっ!」


 流水を行使するときのような感覚で、まずMPを体外にだす…あっ、やばい出し過ぎた!あぁ!はぁー、焦ったせいで制御できなかった。


 次だ!…よしっ、そう、そおっと、いける、きた!取り敢えず少量のMPを体外に出せた。これを前に移動させて…かなりゆっくりだな、これは速く動かすには慣れが必要だ。うん、これくらいでいいだろう。後はこれを酸素と水素をイメージすればいいのか?…おぉ!色々混じってたものが2種類くらいの粒に干渉しているように気体が別れた!…よし、この粒同士をぶつけたら水が出来るのか?…せーのっ!…ヨッシャー!水が出た!


 《水魔法を獲得しました》


「…キタァーーーーー!!」


 あっやべっ!大きな声出してしまった!ゴブリン達は……良かった起きてないみたいだ。


 パサッ!


 あっ!かなり嬉しくて制御し忘れたた。そのまま水が地面に一気に落ちちゃったし、もう一回最初からだなっ!やべぇ、滅茶苦茶楽しい!


 あっ、一応もう一つの方法でもやってみるか!


 まず、さっきと同じ感覚で…うん、MPを外に出せた。落ち着け、まだゆっくりでいいぞ…おし、移動できた。こっからだな、まず空気中の水分をイメージ…ん?何か白い靄みたいなものがMPを通して感覚的に感じる。これって、もしかして湿気とかそういう類のものか?それだと、これを一箇所に凝縮させたら……おぉっ!できた!さっきのよりこっちの方法のがイメージが少し楽になるな。基本はこっちにして、何か問題があれば別の方法を臨機応変に使ってこう。取り敢えずこの水は地面におとそう。


 パサッ!


「思ってたよりかなり早く水魔法を取得できたな!まだMPも残ってそうだし、なくなる直前まで特訓しとくか!」


 興奮して、尚更目が冴えてるし、眠たくなるまで特訓しよう。


 まずは、水を球体にしてそれを飛ばせるようにしよう!


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「ふぅーふーくんぁ、んう、ん?…いつの間にか寝てしまってたか」


 気がつくと空は少し明るくなっていた。

 俺水魔法の特訓、どれくらいの時間やってたんだろ。

 色々できるようになって、最後に水魔法で氷を作ろうとして、急に目の前が暗くなって、それで…あっ、もしかして気絶したのか?倒れるときの記憶があやふやであんまり覚えてない。そうすると、MPを使いきってしまうと気絶するってことか。覚えておこう。


 そう考えつつ、自分が召喚したゴブリンが寝ている方向を見てみる。


 ゴブリン達は…おっ、3体とも起きてる。


 少し離れたところでゴブリン達はあぐらをかきながら俺を見つめていた。

 ゴブリン達は俺の視線に気付くと、すぐに立ち上がり駆け足でこっちの方に近づいてくる。


 うん、いいゴブリンを持ったな俺。


「あっ、そういえばステータスの確認するって言ってたのにしてないな!魔法の特訓が楽しくて倒れるまで続けてたから見忘れてた。今見とくか!どんな感じだろう!」


 少し興奮気味にステータスを開ける。

 するとーーー


 _________________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 氏名: 天照 凛冶 LV: 1

 年齢: 16歳 種族: 人 性別: 男


 HP 250

 MP 130(500)


 STR 150

 AGI 150

 VIT 200

 DEX 150

 INT 300

 LUK 120


 ーーーユニークスキルーーー

 卵ダム創成 全言語理解 超鑑定

 生物図鑑

 ーーーーースキルーーーーー

 生活魔法 暗視 Lv12 水魔法 Lv38

 氷魔法 Lv1 魔力操作 Lv40

 MP回復速度2倍

 _________________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ーーーなんか、すごいことになってた




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