表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
卵から俺の異世界生活は始まる!  作者: 小人の勇者
3/16

第3話


「私はガルハイムという。君達でいうところの《神》です!」



 ……なんか、神だそうです



「って、えっ?かみ?ペーパーではなくて、天地創造しちゃう系の?」


「うん、その神。というか天地だけじゃなくて、全てを創造できたりする系ね、後君が声に出してないのに考えてることがわかるのは私が君にテレパシーを使ってるからだよ」


・・・・・


「うーん、そうだ!ちょっと待っててね」


 そう言うとガルハイム《神》は体を後ろに向けて両手を前に突き出し、何かボソボソと呟きだした。


 …神って…テレパシーって、、、


ちょっと待てって何してるんだ?俺には1人ごと言ってるようにしか見えないんだけど。ところどころ呟いてる内容が聞こえるが、「名前はーーー」とか「空間の拡大メンドクセー」とか何言ってるのか正直意味がわからない。


 そんな状況から10分は経過しただろうか、正確な時間は分からない。

 何せ時を調べれるものが此処にはないからな。ワッハッハ…

私は今ボケーっとしながら素数を数えてます。


『ーーーヴゥーヴゥーンッ!ゴァゴゴー!』


 !

くっ、なんだ!この音は、くっ耳が



 人間が理解できない音で鼓膜が拒絶反応を起こしているのか、刺さるような痛みを感じ、それを堪えようと目を反射的にギュッと瞑った。


 ーーー音はいつ止んだのだろうか。分からないが、だんだん痛みが引いていく。数秒ほどのことだったのかもしれない。このままあの音が鼓膜に響いていたら確実に2度と音を拾うことはできなくなっていただろう。


「あぁ〜、人間に空間を創るときに出る “初まりの音” は辛かったか。配慮が足りなかったな、すまない。と、一応の謝罪をしたところで! さぁ、そんな目を瞑ってないで、開けてごらん」


 …一応ってなんだよ!こんなやばい音をだすなら先に一声かけろよっ!ほらっ、目を強く瞑りすぎて、泣いてるのかわからないくらい涙でてるし!


 そう呟き、涙を人差し指で拭う動作をしながらゆっくりと目を開けた。



 するとそこにはーーー滅茶苦茶でかい黒い丸があった


「うわっ!なんだ、これ!黒っ!でかっ!」


「えっ?感想はそれだけかい?!vocabulary少なすぎでしょっ!折角君のために新しい空間を作ったというのに…ふー、よーっと。ほら、目の前に3つ球体があるでしょ?左から宇宙、ラルマヤ、そして、3つ目がさっき創った新たな空間の《リンヤ》!どう?凛冶君の名前をそのまま使わせて貰ったんだけど、いいでしょ?いいよね!分かった!この空間の名前は正式にリンヤとなりました!ワーパチパチパチ」



 …どこから、突っ込んだらいいのでしょうか、もう僕わかんない

 


 だが一つだけ、一つだけ言わせてくれ


 この黒丸ほんとに宇宙かよっ!?もう何かビックリだよ!やべぇよ!驚きを言葉で表現できねぇよ!挙げ句の果てには、新しい空間をリンヤって、そんな簡単な感じでいいの?!


 

「気は済んだかい?」ニヤニヤ


「お前のせいだよッ!」


 もう嫌だ〜この人〜 (泣)


「ハッハッハ!いや〜、君は面白いね〜!ま、それより、話を進めよう!あっ、私が神であることには納得してくれたかな?」


 …まぁ、こんなものを見せられて神じゃないって言えないよな。まず、この白い空間にいる時点でかなりおかしい状況だから、信じるしかない。


「あぁ、とりあえずは、な」


「そうかそうか、それは重畳!

 さて、君に話したい内容に入っていこうと思うんだけど…凛冶君、どうやら君はここに来る直前の記憶を思い出せないようだね!どれどれ、ちょっと失礼」


 そう言ってガルハイムは俺に近づき、右手を開けて俺の頭に乗せた。


 すると、ガルハイムの右手が黄緑色のもやに包まれた次の瞬間、頭に電撃をくらったかのような痛みが走った。


「痛ッ!何したんだよ!って、えっ?……なんだよ、何だよこれ、俺、死んだ、のか…」


 思い出せなかったことが、ようやくこの神によって思い出せた。


 俺が倒れてきた象の花奈の下敷きになり、俺はすぐに意識を手放した。


 病院で目を覚ましていない、俺は死んだのだろうと今漠然と理解した。


「は〜っ、まじかよ〜、俺死んじゃったのか…って!花奈!花奈は大丈夫なのか?!」


 そうだよ!折角、難産で苦労して元気な子供産んだのに、死ぬのはあんまりだぞッ!


「あ〜、大丈夫だよ、その象?の花奈?はどうやら難産の影響で気を失っただけっぽいよ。倒れた衝撃による影響は凛冶君が下敷きになったおかげで無いし」


「!そうか!良かったぁ〜!母子共に元気ならそれでいいよ!俺は死んじゃったらしいけど…同じ部の皆んながあいつらの面倒を見てくれるだろうしな…」


 部の皆んなだけじゃなくて、地域の人たちも色々と世話をしてくれていたし、大丈夫だろう


「うんうん!やっぱり君は本当に面白いよ!自分の命より他の生物の命を心配し、守る!中々できることじゃない!」


 目をキラキラと輝かせながらガルハイムは楽しそうに話す。


「いやいや、そんなことはないさ。自分の命も大切に決まってる。死にたくて死んだわけじゃないしな、それに、この状況じゃ花奈を心配するしかないよ、俺は死んでるから心配なんてする必要ないし」


「謙虚だね〜!気に入った!私は君を非常に気に入ったよ!君が好きなファンタジー世界に転生させてあげるだけじゃなくて、他にも特典をつけてあげるよっ」


「本当だよ、別に謙虚とかそういうのではない。…って、転生?」


 えっ?転生?ファンタジー?いきなり?

 確かに小説とかゲームでもファンタジー系のものをよく買うし、好きだけども!ってか、何で俺がファンタジー好きって知ってんの?!あっ、神だからか…って、転生!?俺が?!まじですか!?


「うん!本気も本気、君には属に言う異世界転生をしてもらおうと思います!」


 唐突ー!だけど、やったーー!ゲームとか小説読んでて異世界いきてーー!ってずっと思ってて絶対無理だとも思ってたけど、まさか、本当に転生できるとは…嬉しすぎるッ!


「うんうん、そんなに喜んでもらえて私も嬉しいよ!さて!話を戻そう、君をファンタジー世界に転生させる、なぜかわかるかい?実はこれは気分でも唐突に言い出した訳でもないんだ」


 …確かに、なんで俺なんだ?選ばれた理由か…もしかして、死ぬ直前に象の花奈を無事に助けることができたから?


「うーん、当たらずも遠からず、かな。正解を言うよ。何で君が選ばれたのか、その理由は、今日という日から1000日前までの期間内で最も救った生物の命の数が多かったから、だよ。あっ、地球という星限定でね。これは私の趣味みたいなものでね、100年に1度こういった行事を1人で楽しんでるんだよ。私は空間や全てのものを創ったり、間接的に干渉はできても、直接その場所に降り立つことはできないんだ。まぁ、直接降り立とうと思えばできるんだけど、降り立った瞬間に私という情報量が大きすぎてその空間が破裂しちゃうんだよ。折角創って育ってきたものを1から創ってやり直しはかなり面倒だし、やんないけどね。そういう事情もあって、ここで特にすることもないし、こんな事をして楽しんでるんだ。今回は地球という星の中で期間内に救った生物の命の数が最も多いものに死後、好きな世界に転生させてあげるという内容だったんだ。何で地球が選ばれたのかは、それはただの気分だよ。無限に近い星の中から選ぶっていうだけで一苦労だったけどね。


ゴホンっ!


 さて、凛冶君、君は1000日という期間の中で17268319468241962というものすごい数の命を救いました!ぶっちぎりの1位だよ!それを讃え、神から君が望むファンタジー世界に転生しよう。あ、たった今閃いた能力も一緒にプレゼントとして贈らせてもらうよ!」


 え〜〜〜〜ッ

 俺は一体何をやったんだよ!

 それに、地球に住んでる人間の人口を軽く超えてるよね!?


「だから、言ったはずだよ?地球という星の中で期間内に救った “生物” の命の数が最も多いもの、ってね。生物だから、勿論植物も動物も入ってるよ」


 …いや、それにしても多くね?


「あー、そうだな、君って、ある国が3つの大陸に向けて核爆弾を放ち、世界をその国がコントロールしようとする計画を止めたでしょ?それが1番の要因になっているよ。って、凛冶君そんなことしてたの!?1人で出来る事じゃないでしょ!!」


 あー、そんなこともあったな、確か1年前位だったかな、あん時はマジで死にかけた!拳銃を何発もくらって、ナイフや刀の切り傷もかなりできたからな。いや〜、あの時執刀してくれた医師が凄腕で助かったよ!今死んでるけどねー。

 そうか、あれのおかげか。


「はぁ〜、本当に君には驚かされるよ。ーーーそれでは、説明も終わったことだし、早速君を転生させようと思うんだけど、いいかな? 本当はもっと話をしたいけど、このままだと君は消滅してしまうからね。この白い空間に君1人の情報だけでは少なすぎて耐えられない。それに前世の記憶を持ったまま転生したいだろうから、早くしないとね」


「えっ?消滅するの?ま、そこらへんは俺にはよく分からん。ふーん、そうか、確かに地球にいた頃の記憶があると何かと役にたちそうだし、嬉しい。ーーーよしっ!覚悟も決まった!もとより、ファンタジー世界に転生できるって聞いたときから決まってるけどね。うん、それじゃあ、宜しく頼むよ神様!」


「うん。あと、流石に赤ん坊からは何かと不便だろうから、年齢は今と同じ位で、容姿については適当に設定しておくよ!向こうの世界についたら、まずステータスを確認するといいよ。ゲームや小説のように君がいく世界はステータスが存在するんだ。それじゃあ、来世、いや、今世を楽しんでね!」


 ガルハイムがそう言うと、俺の周囲がピカピカと金色に光りだした。それは徐々に力強いものとなっていく。


「えっ、容姿てきとうって!ちょっと待って!普通くらいにはしてほしいよ!?ハードモードは勘弁してくれ!おいっ!ちょっ『シューーーーン』(っと待て〜!)」


 その言葉を最後に凛冶は白い空間から消えた。


「よし、ちゃんと行ったようだね。そういえばさっき凛冶君なんか言っていたような…まぁいっか!それより、彼にプレゼントする能力とか色々設定しないとね!え〜と、年齢は16歳で、能力値は前世と同じでいっか!どうせ、レベルあがったら能力値も上がるし!容姿については〜、こうでこうして…うん!これでオッケー!それと・・・・・よし!これで後はおまけでプレゼントするって言った分だけだな。どうしようか…あれでもなぁー、あんま役に立たなそうだし、これは!いや、地味すぎる・・・これだ!!これにしよう!凛冶君、育成ゲー好きだったようだし、今回凛冶君を選んだ条件とも重なる部分がある、ぴったしだな!それじゃあ、設定完了っと! さて、彼はどんな人生を歩むのだろうか、むこうには不死になれる要素とかもあるし、もうここには来ないかもしれないけど、もし死んでしまったときはここにくるようにしておこうかな!何があったかとか色々聞きたいしね!」


 ガルハイムは凛冶に関する全ての設定を終え、これから長い人生を送るであろう彼がどのようなことを為して、どんな人生を歩むのだろうかと想像し、口角を緩やかに上げた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ