運命の日~学校 その1~
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俺達夫婦の通う龍ヶ崎高校は、県内でも知名度が高い有名高校であり、多種多様な学科、部活、設備が充実していると評判のイチオシ校だ。
県外からも入学してくる生徒が多いので学生寮や下宿関係も徹底しており、海外留学生の為のホームステイプログラムもあるほど。
敷地面積も広く、下手すれば大学レベルの広さ。校舎も3つあったりする。そのくらいすごい高校なのだ。
──しかし、広さ故に情報が行き交わないのかと言えばそうではなく。
「みんなー! ラブラブ夫婦がやって来たぞー!!」
──ざわ……ざわ……。
教室に入った瞬間、同じクラスで新聞部の谷島歩美の声で辺りの視線が一斉にこちらに殺到する。それは教室だけで無く、廊下からも他ならならない。皆が夫婦を祝福して注目してくれるのはいいが、結婚して一週間も経つのでそろそろ恥ずかしい。あとで谷島には言っておかないと。
「よー、おはよう薫」
「おはよ、譲治」
夫婦一緒に席に座ると、友人である阿笠譲治と挨拶を交わす。なんだかんだでこいつとは小学校からの縁で、俺の数少ないオタク仲間でもある。
「でさ、どうなったよ昨日は?」
「と言うと?」
「『モンスターバスター4EXA』の限定配信クエストだよ。どうせ行ったんだろ?」
「ああ、あれか。一人二機同時操作のタッグプレイで7分53秒だったかな」
「おい、一人二機同時操作ってどうやってやんだよ」
「両手両足で」
「お前は猿か」
「あんなの両足の指で日頃からプレイしてれば自然と出来る」
「お前は人間じゃねぇ」
そう言われても現実に出来ているのだから文句の言われようは無い。世の中には両手両足で四つのマウスを駆使してネトゲで4キャラ同時プレイを敢行する生きる都市伝説がいるんだから、俺にできないはずが無いだろう。美咲だって幼稚園に通い始めた辺りからゲーセンのシューティングゲームでランキング上位をキープしていたのだから、譲治にもきっと出来るはずだ。
諦めたらそこでプレイ終了ですよ、譲治君。
「最後まで希望は捨てちゃいけないと思うんだよね」
「うん、そう言う話じゃねぇからこれ」
優しく諭したのに突っ込まれた。泣いてもいいかな。
と、ここでホームルーム開始のチャイム。
皆が椅子に座ると同時に担任が入ってきた。
「起立、礼」
──おはようございます。
クラス委員長の高槻千恵理の号令と共に朝の挨拶。そして席に再び着席。
「えーっと、全員居るようだな。連絡は特に無いが、最近授業中に居眠りする生徒が多いようなので気を付けること。では、以上」
簡単にホームルームを終わらせ担任が出ていくと、再び教室内にざわめきが戻る。
「ねぇねぇ、薫」
むにん。
「美咲、頼むから胸を顔に押し当てないでくれるか。息ができん」
「えー、薫は私の胸を顔で堪能できて嬉しくないの?」
「超嬉しい」
いっけね、本音が出た。
しかし、そんな事を忘れさせてくれるくらいに美咲の胸は豊満だった。サイズは聞いていないが、恐らく目測でDの上からEの下の間はあると思う。お風呂ではいつも埋めさせてもらっているが、きっと美咲以外にあれほどの美しい胸を持つ女性は現実でも二次元でも早々いないはずだ。そもそも生涯を通して美咲しか愛さないので断言は出来ないが。
ちなみに女子の制服は案外身体にフィットするデザインなので、美咲の場合たまにボタンが飛んで谷間が溢れる事が多々ある。過去にそれで男子生徒十数名を出血多量で病院送りにした伝説があるとかないとか。
とにかくスゴォォォォォォイッ!! 説明不要っ!!
「えへへ、じゃあ今日もお風呂で──ね?」
「オフコース」
今夜も美咲のおっぱいゲットだぜ。