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〜第14.5章・報い?〜

今回はなんとなくM氏視点で書いてみました。意外と区別をつけるのが難しかったから短めで

さて、なにから話しましょうか。


みなさんご存じの通り、昨夜はクラスメイトがほぼ全員瀕死だったので旅行の定番、『恋愛話』も『枕投げ』もなかったんです。

そのまま平和に夜が明けると思ってました。



「…あれ?」

鳥の鳴き声で目が覚める、なんてほど清々しい朝ではないけど誰に起こされるわけでもなく自然に起きたいい朝だった…はずなのに………

「おいM氏、こりゃいったいどんな状況だ?」

隣で横になっていた佐々木君も気が付いたらしい。


佐々木君に聞かれたことに答え今の僕らの状況を説明するなら―――


『すまき』


ってやつです。

なんでこんなことになっているか、考えるまでもなかった。

「よう、お二人さん。お目覚めかい?」

ドアをくぐってきたのはクロだった。得意気な口調から察するに僕らをすまきにしたのはクロみたい。

クロの後ろにはクラスメイトがぞろりとならんでる。みんな顔や腕のいたるところに絆創膏や湿布を貼っているのが痛々しかったよ………

「もう大丈夫なの?」

「あぁ、ロマンのためなら男は何度でも立ち上がるのさ」

なんかかっこよさげなことを言ってるけど、ロマンとは覗きやなにやらのことだろうと思うと…微妙だよね。


「で、この状況を説明してくれないか?」


隣のすまき、もとい佐々木君が口を開いた。

「なにってそりゃ、お前らだけ無傷なのは気に食わないだけさ」

―――八つ当たりみたいだ。

僕は佐々木君の方を見る。向こうも同じことを考えたみたいで表情から言いたいことが読み取れる。

きっと

「俺らだけ無事に覗きいたのがバレたわけではなさそうだ」って思ってるだろうね。

 ばれてないなら隠しとおさなきゃ…

「んじゃ僕らをどうするつもりなの?」

 クロたちは顔を見合わせいかにも“何か企んでます”って感じの顔で

「今頃着替えているであろう女子の部屋に放り込む!」

 ………それだけじゃ不可抗力としてあまり僕らは責められないんじゃないかなぁ

「え〜、ちょっと、勘弁してよぉ」

 とえりあえず演技してみる。こんくらいで済むなら楽だしね。

「ふっふっふっ、もう遅い。これは決定事項なんだ」

 嫌がる僕を見て気分がよくなったのかクロはノリノリでみんなに命令をしてる。

 すると周りを囲んでいたうちの何人かがクロの支持で僕と佐々木君を持ち上げて運び始める。乗り物酔いするほうだからあまり揺らさないでほしいなぁ…



 さてさてお祭りかなんかじゃないかってノリで僕らは女子の部屋まで連れてこられた、というか運ばれてしまったよ。僕らを持っている数人は全員域をあわせて身体を揺らし投げ込むための勢いをつけている。

 クロが指を三本立てた手を頭上に上げる。

 一本目がたたまれ、二本目がたたまれ…三本目がたたまれた。その瞬間、スタンバイしていた2人が戸を開ける。

 ガラリとなんかそれっぽい音を立てて戸が開いたので中の女子はびっくりしてこっちを見ている。憎らしくもクロの読み通り、女子は着替え中。僕らを持っていた人たちが手を離したんだろうね、その光景がだんだん近づいてくる…


 ドサッ


 布団にくるまれているとはいえあんな乱暴に投げられたら痛いよ…なんて思ってる暇もなく、いち早く状況を飲み込んだ女子が僕らに歩み寄る。顔を見上げると―――木下さんだった。

「Mくん、なにしてるの?」

 口調はいつもどおりだし、口は笑ってるけどなんか怖い。

「ええっと、そのぉ…」

 やばいなぁ、想像以上にきついことになりそうだ。


 隣では僕と同じように彼女である加奈さんに尋問されてる佐々木君の姿がある。

 さて、僕らは生きて帰れるだろうか…

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