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心の奥の扉の先の可能性  作者: 天衣無縫
第二章 戸惑い多き時間
21/25

第二十話 誤解だぁー!! -尋音視点ー

先週の遅れを取り戻す分、今回は連続投稿です!

「まぁ予想通りだよな・・・」

「・・・残念」


部の問題が分かってから一週間がたって、仮入部期間が終わり本入部届の提出があったんだけど、結局俺と誠司と修也しか来ていなかった。


「仮入部の時にはあと5人くらいいたんだけどな」

「仮入部は第二希望までの参加だからきっと楽そうに見えたテニス部を第二希望にしただけの人たち」

そうだとしたら悔しいなぁ!



「おい!尋音!!部員揃ってないのに俺に声をかけたのか!?」

修也がややキレめに俺に聞く。


「他にも来るかもしれないって思ってたからだよ・・・。」

「・・・ったく。で、誰か本当にもうあてはいないのか?」

「他に誰か・・・」


他にだったら・・・。雄星、はサッカーに一筋だし・・・渚!は女子だし・・・。そういや渚は部活どうすんだろ。今度聞いてみるか。


・・・ってそれより部員、だよ!




「みんな集まって!!」

二年生の先輩がみんなを集める。ちなみにこの先輩は今の齋藤部長が引退した後の次期部長の最有力候補の三橋みはし先輩だ。


「どうした三橋。・・・そいつは?」

不思議に思った部長がたずねる。


「始業式の日に俺のクラスに転校生が来まして、こいつなんですけど。一応転校前の学校でテニス部だったらしくて、テニス部入ってくれるみたいです!」

「本当か!?」

「はい、俺、阿部あべって言います。あんまりうまくないスけど、とにかく数が必要だって言われたんで俺で力になれるなら・・・。よろしくお願いします!」

「大歓迎だ!!よく来てくれた!」

部長の声と同時に拍手と歓声があがる。よし!これであと二人!!








「あのう・・・」

「失礼します!!」

少し自信がなさげな声の人と自信満々で少し図々しいくらいの声の人が入ってくる。ちなみにどちらの声も聴きなれた声だ。


「渚に月海!?」

「あ、尋音!」

俺に気付いた渚が少し安心したような顔をする。


「やっほー!誠司!」

「月海?どうして?」

「君たちはいったい?」

またしても不思議に思った部長が渚たちに問いかける。


「私たちにマネージャーをさせてください!」

・・・もちろん言ったのは月海。


「「はぁぁ!?」」

そして当然のリアクションを見せたのが俺と誠司。


「「「「マネージャー来たぁあああ!!!」」」」

そして歓声を挙げる先輩方。


「なにゆえ!?」

「ふっふー!こうすれば誠司と一緒にいれるでしょ!」

「そんな月海不純な動機で・・・」

「誠司あたしのこと嫌いなの???」

月海が誠司にせまる。あーあ、めんどくさそ。


「いや、ちょ、月海胸が当たって!」

「どうなの!?」

「す、き。月海が好き」

「よかったー!これからも毎日一緒っだよー!!」

すごい力で誠司が抱きしめられる。なんか助けを求める視線を感じるけど気にしない。


「「「ちいぃっ片方は彼氏持ちか!!誠司め・・・後で絞める!!」」」

先輩・・・。

そして先輩方の視線が渚に向かう。


「「「「君名前はー??」」」」

「え、あの、そのぉ・・・桜井渚、です。」

「「「かわいいーー!!うひょーー!!!渚ちゃぁん!!!」」」


先輩方そのチームワーク試合でも期待してるっす。


「ほらみんな!まだ部員足りてないんだぞ!!」

頼りになるのは部長だけですよ・・・。

あ、三島先輩もね。







「海斗さんの弟ってwho is !?」

バンっと勢いよく部室の扉が開いて一人の少年が入ってくる。


「なんだー?今日はよく人がくるなぁ」

三島先輩、呑気すぎです。っていうか俺!?


「俺になんかよう?というか君お母さんは?迷子?」

「きーっ!!僕もこの学校の生徒だヨ!!君と同じ中一!!」

「「「ええぇーー!?」」」

だって身長が140cmっ位、いやそれ以下かも。これで同い年?

しかも髪の色がちょっと金髪っぽいし。ハーフかな?でも顔は日本人っぽい顔だし・・・。


「僕はウィリアムス・M・りょう。海斗さんの弟!!君と勝負ダ!!」

「ああ。やっぱハーフ。で?勝負ってどうするの?」

「もちろんテニス!!」

お?これは部員追加の雰囲気☆








「この試合俺が審判しよう」

「お願いします部長」


「さぁ早くサーブを打ちなヨ!!海斗さんの弟!!」

「俺には尋音って名前があるんだっつうの!!」

それを言うと同時にサーブを打つ。


(よし、いいコースだ)


「お、いいコースだネ!」

パァン!

なんなく打ちかえす亮。身長によらず技術はあるみたいだ。

「リターンが甘い、よ!」

そして逆コースへ打つ。

「僕に追いつけないボールはない!!」

「げっ!足速っ!!」


すぐに反応した亮がさらに厳しいコースに返してきて先制点を取られてしまった。


「なーんだ☆海斗さんの弟だからって期待したのにこの程度なのカナ?」

「海斗さん海斗さんうっせえな!!俺は尋音だ!」















「ちょっと誠司。尋音大丈夫なの?」

「・・・たぶん。尋音は中盤からが強いタイプ。」

「でも悪く言えばスロースターターってことだよな。相手が序盤に強ければ6-0で負ける可能性があるからな」


月海と誠司と修也の会話が聞こえてくる。・・・確かに今のカウントは3-0。さすがにそろそろ巻き返さないとやばい。


「ふっ。わざわざ日本の学校に来た意味がなかったナ。海斗さんが相手ならまだしも弟君じゃ話が違ったみたいだネ」

亮が笑う。悔しいしむかつく。けど、今の試合展開じゃ反論できない。


「あれー?言い訳もできないのカナ?アハハ」

「早くサーブを打て。プレーで見せてやる」

「言うねー。口先だけじゃないことを願うヨ」

(アハハ・・・ここから、だネ)


そこからの試合は正直一方的だった。急に動きが悪くなった亮はもはや敵ではなかった。

そして気付いてみれば3-6で俺の逆転勝利に終わっていた。


「アハハハ・・・いっつもなら一試合くらいどうってことないんだけどネ。・・・いつの間にか君のペースで持久戦になってたみたい。負けたヨ尋音。」

「やっと俺の名前呼んだな・・・。いい勝負だったぜ」

試合後の握手。


「一時はどうなるかと思った。」

「ったく危なっかしいんだよおまえは」

「ははは、わりぃわりぃ」

なんとか修也との約束が守れたぜ。


「ダメなとこ直ってねえなー亮。」

いきなりコートに兄貴が現れる。ってかなんで兄貴!?


「おい兄貴!大学は!?」

「ああ、俺今日午後の講義ないんだわ。」

「海斗さん!!」

「おー亮。久しぶり。」

「え?兄貴と亮って知り合い??」


そーいえば部室に入ってきた時から海斗さんって言ってたな。


「俺がU-15でヨーロッパに行ったときに会ったんだよ。そん時はまだ小3だったか?」

「あーなるほど」


全国で優勝した兄貴だ、当然のようにU-15に召集されてた。


「にしても持久力不足は直ってなかったんだな」

「アハハ・・・」

「おまえも体力つければ、技術はあるんだからさ」

「走り込みは嫌いなんですヨ」

「尋音も、いっつもエンジンかかるのおせぇんだよ」

「うっさいなぁ。」


「いわゆる師弟同士の戦い」

誠司がつぶやく。

あぁ。確かに言われてみればそうかもな。・・・ん?ってことは亮が兄貴の一番弟子かよ!・・・なんか納得いかねえ。






「ところで、亮もテニス部入るのか?」

俺は尋ねた。なんていったって肝心なところはそこだ。亮が入ればあと1人だけになる。


「うん。もちろんだヨお兄ちゃん☆」

「「「「「「おにいちゃーん!!??」」」」」」

ななななな、なんでお兄ちゃん?俺が!?しかも同い年だし!!


「だって今の試合してて思ったもん!昔の海斗さんそっくりだって。それに頼りがいありそうだしネ」

「ででででででも同い年だぞ!?」

「かんけーないヨ、おにーいちゃーん♡」

急にむぎゅっと亮が抱き付いてくる。


「ちょ、おい!」

「アハハー☆」


「ショタコン。」

誠司が度し難いものを見るかのような視線を送ってくる。


「せ、誠司誤解だ!」

「遥ちゃんでロリコンで海斗お兄ちゃんでブラコン。それにショタまでつくなんて・・・」

「渚まで!!誤解だぁーーー!!!」

「エヘヘーお兄ちゃん」

「とにかく亮も離れろー!!!」





困難の末なんとか部員ゲット・・・(泣)

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