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素朴な人間

作者: 平岩泉
掲載日:2026/01/31

 〝そこはかとなく〟という言葉を知っているだろうか。私の人生最大の課題である。

 

 会社で新システムが導入されようものなら、苛立ちを覚える。出退勤の記録をQRコードからできるようにしたので、必ず出退勤時に読み取ること。と上司から一言。まさに無駄手間である。無理に働き方を改革なんてしなくていいのに…。

 

 とある日の午後、後輩の山下が、出退勤時のQRコードについて、相談しに来た。

「先輩、このQRコードどうにかならないんすか?エラーコードが出て、ちゃんと記録されないんですよ〜。」

 相談する相手を間違えているだろと思いつつ、システムのエラーについて調べることにした。自慢じゃないが、システムエンジニアに関する資格を持っている。もしものためにと取得しておいたのだ。

 定時を過ぎようとしていたが、山下の問題は解決の目処が立たない。QRコードで読み取った記録は、Googleのスプレッドシートに記録されている。どこかの関数が間違っているのだろうと思っていのだが、情報が処理しきれない。

「まるで情報の雨だな。」

 そんなことを呟いてしまった。先輩もくだらないギャグを言うんですね。と山下は言っていた。

 一時間は関数と格闘した。最終的に社内にいるシステムエンジニアに相談をしてみたが、なんとものの数分で解決した。低脳がと、自身を卑下したくなった。

「先輩はなんだかんだ最後まで面倒見てくれる優しい人ですね。」

と気を遣わせてしまった。パソコンが苦手だから、資格の勉強したのに役に立てるほど、定着しなかったみたいだ。

 帰り際、上司に声を掛けられた。

「君は勤勉で、後輩の面倒見が良い。とても慕われているね。」

 私がなかなか昇進しない理由は、この一言に詰まっているのだろうか。

 

 帰路に着くために傘は必要だろう。

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