悪趣味
同僚と会話を交わし、軍服の着用方法、軍律を学び、部隊の構造を把握することで、フォーゲルとリーベは実質的な初日であるこの軍隊にかなり順応する。彼らは初心を忘れず、あの爆撃を、そしてウンステアへの復讐を誓いながら、再びジンクスから熱心に訓練を受ける。ジンクスは確かに優しく、適度に休憩を与える教官だが、彼らを怠けさせることはなかった。そうして、寒い屋外で全力を尽くして走り、汗をだらだらと流しながら、小隊の訓練所に戻ってくる。
「はぁ…はぁ…疲れたけど、まだやれる…」
「お前…意外と体力あるんだな…」
リーベが走った後でもまだやれると言うのを聞いて、フォーゲルは内心驚く。確かに、毎日斧を振り回して薪を割っていたのだから、ある意味、盗みを働いていたフォーゲルよりも体力が上かもしれない。
そうして彼らは、日が沈むまで軍事理論を学び、訓練をしてから、ようやく夕食を食べに行く。彼らは先ほど会話を交わした三人がいることを期待して行ったが、彼らはまだ来ていないようで、黄色の金髪の兵士、オレンジ色に近い長髪の兵士など、多様な真面目な様子の兵士たちがいた。フォーゲルとリーベはきょろきょろと見回し、先ほどの隅に再び座って食事を始める。しかし、それも束の間だった。
不良っぽい印象の黒髪の兵士が近づいてきて話しかける。
「おい、ガキども。さっきはあの馬鹿どもと一緒だったから言えなかったがな?お前ら、ずいぶん生意気じゃねぇか?」
「え…?」
その兵士の唐突な言葉に、フォーゲルとリーベは緊張する。
「いや、後輩なら先輩に会うたびに挨拶して礼儀正しくするべきだろう、お前らは俺たちに挨拶もしないのか?」
「申し訳ありません…」
隣で聞いていたリーベが先に謝罪の挨拶をする。
「それと、お前だよ?可愛らしい顔してるじゃねぇか、俺たちと少し遊んでくれないか?隣の野郎は抜きでな。」
「そ…それは…」
突然、性的な要求をする兵士にリーベは戸惑う。相手は大人で、自分はまだ15歳の幼い少年兵なのに、こんなことを言われるとは想像もしていなかった。
「それはお断りします。」
リーベが戸惑う間に、フォーゲルが荒々しい表情を露わにし、彼らを睨みつけて拒否する。確かに先ほど見た兵士たちは親切で愉快だったが、そのような者ばかりが軍隊にいるわけではなかった。暴力を振るい、他人を嘲笑することを悪趣味とする者も確かにいたのだ。
「おい。お前が何を拒否するんだ?俺はあの女に聞いたんだぞ。しかも俺は先輩だぞ?」
「私もお断りします…」
リーベが拒否をしていないという口実で脅迫する兵士に、リーベが直接拒否の意思を明らかにする。すると、兵士の眉がぴくりと動き、やや怒りをこらえているような口調で話しかける。
「それは残念だったな。まあ、俺たちはいつでも開いているから、来いよ?お嬢ちゃん。」
その言葉に、リーベはフォーゲルにさらに身を寄せ、戦闘食糧を食べて、必死に気づかないふりをする。
「あの野郎ども、死にたいのか…」
フォーゲルが静かに独り言を言う。体格や技術では正式な軍人よりも遥かに劣るフォーゲルだが、その少年は席を離れる黒髪の兵士を猛獣のような瞳で見つめる。
「私は大丈夫だから、怒らないで。心配してくれてありがとう…」
リーベはフォーゲルをなだめながら、テーブルを片付け、テントを出る。
そして、粗末な天幕の生活館に戻り、寝床を整える。フォーゲルとリーベは来てまだ一日しか経っていない兵士なので、正確な位置が指定されておらず、仮に隅の方の床で寝るように割り当てられた。彼らは寝床を整えながら、様々な日常的な会話を交わす。
「今日、軍隊初日だったけど…どうだった?」
「え?私は…良かったよ。もちろん私たちを無視する先輩もいたけど、朝食の時に会った人たちは本当に思いやりのある人たちだったしね。」
リーベは自然と否定的な経験も肯定的な考えで覆い隠し、微笑みを浮かべる。彼女の緑色の瞳が閉じられ、口元が上がる様子は女神そのものだった。
「可愛いな…」
フォーゲルは思わず本心を小さな独り言でつぶやき、慌てて顔を背けて別の場所へ行ってしまう。リーベはそれを見て、ほのかに笑う。
寝床は女性専用の生活館が別にあるわけではなく、リーベも軍に入ってまだ昨日のわずかな時間を含めて2日なので、今日もフォーゲルと隅で寝る予定だ。もちろん、後でリーベが男性たちと区別して寝るための臨時兵舎を作る予定だという。そして、フォーゲルとリーベは、このみすぼらしく暖房も効かない不衛生なテントで、今日の一日を終える。




