同僚
フォーゲルとリーベは、早朝から長時間にわたり、腕立て伏せや腹筋運動などの様々な訓練をジンクスから受け続けた。ジンクスは狼のような印象とは裏腹に、意外と優しい一面があり、途中で疲れて休んでも特に何かを言うことはなかった。そのおかげで、フォーゲルとリーベは息をつく暇が十分にあり、特にリーベは安堵した。二人は雪がうず高く積もった土の上に座って、会話を交わす。
「教官様…良い人みたい…」
「だろ?俺は他の軍人たちみたいに厳しい人だと思っていたのに。」
リーベが口火を切り、フォーゲルがそれに同意する。少し前まで盗みばかりして肉を求めていたフォーゲルは、数日間の奮闘でかなり成長したようだ。もちろん本人は気づいていないが、察しの良いリーベはとっくに気づいていた。
「フォーゲル…ここまで成長したんだな…」
「ところで…教官様。あの…朝食はいつになるんですか…?」
心の中で成長したと思った途端、彼の口から出たのは「食事」という単語だった。その言葉に、リーベは後ろでこっそりと笑った。
「食事?ああ…ああ。あと10分か。それまで訓練を続けよう。立て。」
ジンクスは自分の腕時計を見ながら余裕をもって言った。彼はすぐに二人を立ち上がらせ、残りの10分間も再び腕立て伏せをさせた。それまでは初訓練にもかかわらず倦怠感を見せていたフォーゲルは、朝食の話にすぐさま熱心に訓練を始めた。リーベも隣でそれを見て、情熱的に続いた。
そして10分が過ぎ、教官は一人で食事に向かい、フォーゲルも以前聞いていた場所へと食堂を探していく。食堂は他のどの場所と同じく、カーキ色の天幕に囲まれた空間だった。
中に入ると、すでに兵士たちが粗末な長方形のテーブルを囲んで食事をしており、フォーゲルとリーベはその隅に席を取り、配給を受けてきた。配給されたのは、戦闘用食糧として製造された肉の缶詰だった。実際、名称だけが肉で、中には肉はごく少量、ほとんどが豆だった。それにもかかわらず、フォーゲルとリーベは、喉に詰まりそうになるほど早く、よく噛んで食べた。軍隊に来るまで、ほとんど何も食べられなかったからだ。もちろん味はひどかったが、お腹は少しは満たされた。
兵士たちはそれぞれ会話を交わし、ある者は真剣に、ある者は愉快な顔で同僚と話していた。すると、愉快な顔をした兵士の一人が二人を呼んだ。
「おい、チビども。こっちに来いよ〜」
「はい…?あ…はい。」
静かにフォーゲルが席を立って行くと、リーベもついて行く。
「いやぁ〜お前たちみたいな子供を見るのが珍しくてさ〜このおじさんたちの話し相手になってくれよ〜」
「あ…はい、はい…」
フォーゲルがおどおどしながら答える。確かに、このような辺境の軍隊に子供たちが来て、他の軍人たちと同じように訓練を受け、戦闘に備えるのは非常に珍しいことだ。実際、この小隊は雪が日常的に降る厳しい高地にいる。だから当然、兵士たちは二人に興味を持ったのだ。
「あ、自己紹介が遅れたな〜俺はフィン・ブルツェル〜伍長だ。こっちはオアン、こっちはホーケルだよ〜」
「よお、チビ。」
「あ、俺がホーケルだ。」
フォーゲルは、あるかないかのような薄い眉と薄い金髪を持つ愉快な軍人を見て、ぎこちなく挨拶する。
「あ…はい。俺は…今朝小隊長がおっしゃった通り…フォーゲルで、こいつがリーベです。」
「ああ、覚えてるよ。もちろん、伍長とオアンは覚えてないだろうけどな。」
「おい!俺も覚えてるぞ!忘れてるのは伍長だけだろ!」
二人は口論しながら、フィンを馬鹿だの、記憶力が悪いだのと、当事者の前で思う存分悪口を言う。もちろん、それはあくまでフォーゲルの目には悪口に過ぎず、実際は三人は大切な同僚であり、友人同士のような関係だった。
「おいおい〜俺は賢いぞ〜?」
「あ、はい。」
軍隊という厳格な空間でも、このように笑いが咲き、友達のように遊ぶものなのかと、リーベは三人を見て口を手で覆って笑う。
「で、フォーゲルとリー…ベ?あ、お前たちさ〜なんで軍隊に来たんだ?」
名前までさっそく忘れた間抜けな伍長は、二人を見て軍に入ってきた理由を尋ねる。少し重いテーマだが、リーベが先に口を開く。
「私たちの村が爆撃されたので…ウンステアに負けたくなくて来ました。」
「あ、ええ…そうですね…」
リーベはかろうじて心理的な安定を取り戻していたが、フォーゲルはその質問に少し肩を落とす。リークケアとの記憶が写真のように脳裏をよぎるからだ。
「あ、伍長。それを初対面で聞くのはなぜですか!ごめんね、二人とも。」
「あ…いえ!トラウマでも…克服しないと。」
ほろ苦い笑みを浮かべながらフォーゲルが笑う。こうして同僚との会話は、それなりの進展を呼ぶことができたのだった。




