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始まりを告げる鷹の叫び

小さくて粗末なテントの中で、フォーゲルとリーベは他の軍人たちから離れた場所で二人きりで眠る。テントの中は暖房も効かず、あちこちから吐き気を催すような臭いがして、決して安らぎを感じることはできなかった。

それでも、数日間の旅を経て、軍隊に来て初めて寝具のある場所で眠るという行為そのものが、フォーゲルとリーベにとっては貴重だった。

「起床!点呼の時間だ!」

フェルカー小隊長の声が響くと、兵士たちは皆、目を擦りながら起き上がる。フォーゲルとリーベも、寝ぼけた顔で疲労の色を隠せず起き上がったのは同じだった。

「点呼始め!一番、ルベル・セルコ!二番、ローゼンタール・ディショウ!……」

番号順に軍人たちが整列した後、列の最後にフォーゲルとリーベが位置する。続けて名前が呼ばれ、約30名が呼ばれた後で二人の名前が呼ばれる。

「三十三番、フォーゲル・フリューゲル!」

「はい、います!」

「三十四番、リーベ・ロートゥス!」

「います!!」

最後になって二人の名前が呼ばれ、フェルカーは二人に来るようにと首を動かし、視線を交わす。世間知らずな様子で軍人たちの前に立ったフォーゲルとリーベは、緊張と同時にわずかな期待感が宿っている。この感情は、軍人たちがこれからの仲間であり、留まる場所ができたという満足感から生じていた。

そして、小隊長は二人の頭をそれぞれ両手で強く掴みながら、小隊員たちに話す。

「昨日紹介できなかった新兵二人だ。よろしく頼む。」

「了解!」

返事をする兵士たちの目には、厄介だというような眼差しも、無関心な眼差しも、好奇心に満ちた眼差しも共存していた。その中でリーベは静かに拳を握りしめる。

「解散!」

解散の言葉に、兵士たちはそれぞれの場所へ散っていく。そして、どこへ行けばいいのか迷っている様子の二人に、フェルカーが話しかける。

「今から貴様らを訓練させる教官のところへ連れて行ってやろう。」

そう言って、いくつものテントを通り過ぎ、的がある場所に到着する。そこには、黒い長髪で軍帽をかぶった一人の男性がいた。彼はフェルカーよりは小柄な体型だが、一目でベテランだと分かった。

「言っていたのは、こいつらだな。」

「そうだ。しっかり訓練してやれ。」

その言葉を最後に、フェルカーは視界から消える。そして、自分を見上げる二人の少年と少女に、教官は声を出す。

「お前たちの名前は昨日聞いた。それぞれフォーゲルとリーベで合っているか?」

「合っています!」

「俺の名前はジンクス・ウェルトン、曹長だ。基本から知る必要があるか?さあ、ついて来い。小隊を案内しよう。」

そうして教官に従い、二人の少年兵は訓練室、トイレ、寝室、武器庫などを案内される。どれも非常に粗末で衛生状態の良くない空間だったが、フォーゲルとリーベには、新しい生活への期待があるだけだった。

「全て見て回ったなら、いよいよ本格的に訓練を開始する。子供だからといって例外はなく、大人と全く同じことをやるから、気を引き締めろ。」

「あ…は、はい…!」

フォーゲルが間抜けにももごもごと返事をする。隣でリーベも少し緊張している。

「じゃあ…軽く腕立て伏せ一万回からか?」

その言葉を聞いた二人は、しばらくミーアキャットのような中途半端な姿勢のまま硬直する。そしてリーベが先に声を出す。

「で、できます!」

「まさか本当にできると言うとはな。冗談だったんだが、真面目すぎたようだな。ふむ、じゃあ、ただの百回でいい。」

ジンクスの冗談とも冗談でないとも言えない言葉に、二人は緊張が解けたように肩を下ろす。そして、懸命に腕立て伏せ百回を始める。寒い天候にもかかわらず、二人の体は火照り、リーベは30回をようやく超えた時点で床に倒れ込む。比較的、普段リークケアを無視して盗みを巧みに働いていたフォーゲルも42回でうつ伏せになった。二人とも、命令された回数の半分にも満たずにリタイアしてしまったのだ。

「軍人になると言ったのはいつのことだ。こんな風に倒れていてどうする。早く起きてやれ。」

ジンクスは教官という厳重な職責の人物だが、実際は思ったよりも温厚で、二人を特に殴りそうな勢いで叱ることはなかった。そして20分後…

「98…99…はぁ…はぁ…100…」

先に倒れたリーベが、予想外の結果でフォーゲルより先に終える。

「99…100…!!」

続いて数秒が経ち、フォーゲルも100という数字を迎えることに成功する。彼らが訓練した時間はわずか30分だったが、彼らにとっては永遠に終わらない地獄のように感じられた。

「よくやった。ではすぐに次の訓練を続行するぞ。」

直ちに訓練が再び始まり、二人は転がり、また転がる。

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