絶望
四方に立ち込める雪混じりの土埃、その中では銃声と共に奇怪な悲鳴が響き渡っていた。塀に寄りかかって座り、自分を置いて戦場へ飛び込もうとするリーベに、フォーゲルは静かに一言を投げかけた。
「……俺も行く。」
「一体何を言っているの……! そんな体で歩けるわけないじゃない……。」
フォーゲルに背を向けて立っているリーベの足元へ、一滴の涙が落ちた。彼女はあえてフォーゲルを見ることができず、今にも崩れ落ちそうな危うい姿で足を震わせていた。
「こうしている時間はないのよ……! みんな死んじゃう! あなただって……!」
「死んでも私一人で死ぬわ。あなたまで巻き込みたくないの。」
「馬鹿か!! ずっと一緒に生きてきたんだ、死ぬ時も一緒だ! それに……最初から仮定が間違ってる。俺が何としてでも生かすから、お前は死なない! ……いいから黙ってろ。背中の傷なんて、死んでいった仲間たちが味わった苦しみに比べれば、なんてことない。」
「くっ……うぅ……。」
リーベが袖で涙を拭っている間、フォーゲルは地面に手を突き、二本の腕に全ての力を込めた。地面が抉れんばかりの必死な動きで、彼は小さな呻き声を漏らした。
「くっ……あぁ……っ。」
ついに腕を使い、足で地面を踏みしめて立ち上がることに成功したフォーゲル。彼は背筋を真っ直ぐ伸ばすこともできず、顔をひどく歪めたまま、ゆっくりとリーベの方へ歩み寄った。
「行くぞ。」
「……うぅ……っ。」
彼はリーベの肩に手を置き、埃の舞い狂う方向へ、ゆっくりと、一歩ずつ前進し始めた。
……
少しだったかもしれないし、長い時間だったかもしれない。時間が過去の彼方へと消え去り、二人は風の吹いてくる場所に辿り着いた。そこで目にしたものは……。
「……あぁ……っ。」
まさに地獄だった。至る所には赤い水分で濡れたクレーターが生々しく広がり、すぐ目の前には銃を撃つ兵士と、あの機械がいた。
「うっ……!」
その機械と正面から向き合った瞬間、フォーゲルは得体の知れない頭痛に襲われ、首を曲げて頭を片手で押さえた。彼は両目を固く閉じ、奇妙な感覚を振り払おうとした。
「どう……どうしたの……?」
「い……いや、何でもない。」
必死に頭痛をこらえながら、フォーゲルは目の前の機械を毅然と見据えた。するとその前では……先ほどまで銃を撃っていた兵士が悲鳴を上げていた。
「う……あ……あ……あ……っ、ダメだ……! あれには勝てない……! 死ぬ……死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ……死ぬんだ……! 助けてくれ……!! うあああああああ!!」
「ピピッ……ドォォォォォン!!」
一瞬にしてその兵士を中心に光が弾け、再び大量の土埃が舞い上がった。それを目の当たりにした二人の少年兵は、瞳を激しく揺らし、恐怖に身を震わせるしかなかった。
「……落ち着け。落ち着くんだ。ふぅ……ふぅ……。」
フォーゲルは額に手を当て、激しい深呼吸を繰り返しながら、高鳴る鼓動を鎮めようと必死だった。隣にいるリーベは、あまりの衝撃に深呼吸すらできずにいた。
「これ……持とう。」
彼は地面に転がっている、ねっとりとした血の付いた銃を拾い上げ、それをリーベに差し出した。彼女の視線はまだ煙の方を向いていたが、手に触れる金属の冷たい感触で現実に引き戻され、我に返った。
「この銃番号は……。」
「……!!」
「どうしたの……誰のものなの……?」
「うぅ……っ、ひっ……うああああん……っ。」
彼女は銃身に刻まれた番号を見るなり、その場にへたり込み、両手で顔を覆って激しく泣き崩れた。目の前の機械は煙の中で、まだこちらを見てはいない。
「オアン……一等兵殿のものよ……。」
「……!」
彼女が叫んだその名を聞き、フォーゲルは目玉が飛び出しそうなほど目を見開き、口を呆然と開けた。彼にとって、たまに些細な怪我をした時に手当てをしてくれたイーヴァンよりも、オアンの方が遥かに親密な関係だった。
「……ガトリングは……。」
「あそこまで行く暇もなかったみたい……うぅ……っ。」
「……上等兵殿は……上等兵殿はどこに……。」
ついにフォーゲルは、左側に転がっているもう一つの銃と、その横のクレーターの中で四肢を無残に踏みにじられ、残酷な姿で殺害されたフィンを見てしまった。
「……うっ、げほっ……!」
彼はその光景を見て咄嗟に目を逸らし、嘔吐した。手で口を強く押さえると、すぐに吐き気と共に胃液が手を伝って流れ落ちた。まだフィンの姿を見ていないリーベは、オアンの銃を人形のように抱きしめて泣き続けていた。
「くっ……くくっ……あは……あはははは……っ!」
ついに理性を失ってしまった少年は、狂人のように口角を上げ、奇妙な笑い声を上げた。彼の瞳からは焦点が消え、その笑いは寒気がするほど鋭かった。
「フォ……フォーゲル……どうしたの……? なんで笑ってるの……?」
「はははははは……はは……はぁ……はぁ……っ。」
「フォ……。」
泣きじゃくっていたリーベも立ち上がり、フォーゲルが狂った原因があるその窪みへと視線を移した。そして、彼女も抱えていた銃を落としてしまった。
フィンの姿は、火に焼かれて死んだスティンゲン村の人々や、残骸に下敷きになったリケよりも、凄惨に汚されていた。イーヴァンの遺体を直視できなかったリーベは、初めて機械に踏み潰され、肉の塊のようになった「それ」を見てしまったのだ。彼女は今にも倒れそうなほど、ふらりとよろめいた。
「上等……兵殿……。」
AI翻訳を使っているため、名前の表記が少し変わっている箇所があります……^^7
ご理解いただけると助かります。申し訳ありません。




