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卒業

「ふ……二日酔い……が……」

「げほぉぉっ……」

朝からトイレで苦労している二人の機関銃手を見ながら、フォーゲルは舌打ちをして首を振った。少年兵は昨日の出来事を思い出し、すぐに深い考えに耽った。

(ふむ……リーベは僕のことが好きなんだろう? だからあんな風に言ったんだろうし。うわああ……でも『全てを終わらせたら受け入れる』なんて。遠すぎるだろ!? それに何を終わらせるんだよ!)

「うわあああ……!」

フォーゲルはやり場のない怒りをぶつけるように、自分の額を握り拳で「ゴンッ!」と叩き、冷水で荒々しく顔を洗った。横でそれを見ていた他の兵士たちは、彼を見ながらささやき合った。

「あの少年兵の野郎……ついに狂ったか?」

「まあな……あんな戦闘を経験すれば、狂ってもおかしくはないさ……」

「狂ってません!!」

彼らの小さな声を聞きつけたフォーゲルは、カッとなって声を張り上げ、天幕を飛び出した。空からはいつものように白く雪が降っていた。

「昨日の夜空はあんなに晴れていたのにな……この雪は僕の心の中の混乱を表現しているのか?」

思春期が遅れてきた少年のように、フォーゲルは地面に積まった雪を蹴り上げ、風に乗せて飛ばした。昨夜から彼は寝ている間に布団を蹴飛ばし、軍に入ってからは見せなかった乱暴な一面を精一杯さらけ出していた。

「くそっ! 男のくせに女の子のペースにのまれて、告白もまともにできずにオドオドするなんて! 最悪じゃないか!? うわああああ! 今日からの訓練は地獄だ! 地獄!!」

フォーゲルは再び自分の頭を手のひらで叩き、精神を整えた。しばらくして深呼吸をして落ち着くと、再び歯磨きコップを持ってトイレへ行き、まともに朝の洗面を始めた。

数分後、フォーゲルは身なりを整え、白い軍服を羽織った。訓練の時間になると、実際には数日ぶりだが、数ヶ月ぶりに行くような感覚で訓練場へと足を進めた。もちろん、途中でリーベと合流して一緒に行くのは日常だった。

「……来たの? 行こ……うか?」

「うん……い、行こう。」

明らかにいつもと同じ訓練場へ向かう道だったが、なぜか時間が長く感じられた。二人の間には気まずい沈黙が流れ、それを振り払おうとするかのように、二人はいつもより早く足を踏み出した。

「その……久しぶりだね? この前の戦闘の時は行け……なかったから。」

「そ……そうだね。」

リーベがこの気まずい雰囲気に耐えかねて、昨日とは関係のない話を切り出したが、フォーゲルはリーベの瞳を見ることができず、前だけを見て答えた。

「僕たちの……訓練期間はあとどれくらい残ってるんだろう……?」

「さ、さぁ……知らないよ。」

(うわぁ……気まずい! この雰囲気は何なんだ? くそっ! 一言だけでも何か言えよ……! 口を開けろ!)

彼は心の中で言葉を詰まらせ、まともに返事もできない自分を何百回も責めた。訓練場までの短い道のりが、線路のように果てしなく感じられるのは初めてだった。

「おい、来たか?」

ようやくこの気まずい雰囲気を壊してくれる人物が目の前に現れた。彼は椅子に座って頬杖をつき、コーヒーをすすっていた。彼の長い黒髪が風になびいていた。

「あります!(あります=あります、あります!の軍隊式の挨拶)」

「おはようございます……」

大げさに軍人らしい口調で挨拶をするフォーゲルを見て、リーベは小さくいつも通りに挨拶した。二人の奇妙な気流を読み取ったジンクスは、少し頭をかいた。

「お前ら……戦闘の最中にでも戦友愛(愛着)が芽生えたのか?」

「い、いいえ違います……!」

「お前が違うと言ったところで何になる~、リーベがあんなに困ってるじゃないか。これこれ、軍紀教育がなってないな? 軍内での恋愛は禁止だぞ。」

「ぼ、僕たちはそ、そんな関係で……」

「冗談だ、冗談。まあ、人間の根源的な惹かれ合いまで俺が防げるわけないだろ? で、いつの間にそんなに関係が発展したんだ……?」

ジンクスが二人を疑わしい目で見つめると、フォーゲルは慌てて言葉を詰まらせ、リーベは静かに顔を赤らめてうつむいた。「まだ正式に付き合っているわけでもないのに……」という思いを口に出すのは、思ったより難しかった。

「つ、付き合ってません! ああもう! 正直に申し上げますと……告白して振られたんです……」

悲劇の主人公のようにそのまま地面に突っ伏すフォーゲルを見て、ジンクスはプハッと吹き出した。

「振られたか? その姿勢、ちょうどいいな。腕立て伏せから始めよう。150回! やりながら話をすればいいだろ。リーベ、お前も寝ろ(構えろ)。」

「はい……」

図らずも腕立て伏せをすることになった彼らの体は熱くなったが、雰囲気は依然として氷のように冷たいままだった。二人とも心の中で「なぜ数字が150に増えたんだ?」という疑問を抱いたが、この状況で口に出すことはできなかった。ジンクスはしゃがみ込み、姿勢を矯正させた。

「とりあえず戦闘の時の話からするか? お前ら、かなり活躍したんだってな?」

「ろく……はい……なな……」

回数を数える合間に返事をしながら、フォーゲルは体を上下に揺らした。リーベはまだ口を閉じたままだった。

「お前らがやったことは全部上等兵から聞いた。アドラーがやらかしたこともな~ハハッ! それとフェルカーが言っていたんだが……お前ら、今日が『卒業』の日だ。普通は修了式と言うが、お前らみたいなガキには卒業式の方が合っている表現だろうな。」

「……!? はいっ!!??(ええっ!!??)」

ジンクスの一言で雰囲気が一瞬で元に戻り、二人の目は大きく見開かれた。彼らは驚いて同時に疑問をぶつけた。

「あと1ヶ月は残っていたんじゃなかったんですか!?」

「あぁ、そうだな。だが……知っての通り、うちの部隊、戦闘員も多くないだろ? お前らに給弾みたいな雑用をいつまでもやらせておくわけにもいかないしな~。何より重要なのは……うちの小隊長殿が指示された事項だということだ。お前ら、この前の戦闘もそうだが、活躍がかなりあったからな。」

「そ、そんな……いくらなんでも……」

二人の少年兵は喜びと惜しさが入り混じった表情で、苦々しく口を閉ざした。ジンクスはそんな彼らを見て、先ほどと同じような歪んだ笑みを浮かべた。

「今日は訓練を適当にして卒業式だ。昨日もパーティーをしたが……今日もお前らにとっては特別なパーティーの日だ。そして『最後の晩餐』だな。」

「え……?」

「訓練兵が終われば……二等兵になるんだろ? ということは、お前らがこれから俺の下で、より厳しい訓練を始めなきゃいけないということだ。」

「あ……!」

彼らの表情は惜しむことなく、素早く元に戻った。いや、それ以上に顔が歪んで戻ってきた。フォーゲルは虚脱したまま腕立て伏せを続けていたが、そのまま腕の力が抜けて地面に頭をぶつけた。

「バカ。それでもお前らが喜ぶ食べ物は今日心ゆくまで食べろ。昨日あげたチョコレートはほんの少しだったろ~後で指揮官天幕に来い。俺を含めた四人で迎えてやる。」

「はい……」

「よし! 腕立て伏せ再開!」

……

散々訓練した後、夜8時になる頃、二人は指揮官天幕へ向かった。この殺伐とした人物たちばかりが集まる天幕に行くのは入隊直後以来だったので、二人は少しずつ身を縮めた。

「よし! パーティーだ~~」

「わぁ……」

「よく来たな。」

ジンクスが入ってきた二人に万歳して楽しそうにする仕草を見せた。隣にいるアドラーは、無理やり被らされたようなパーティー用の帽子を被り、覇気のない感嘆を漏らした。ドゥエルは被っていた軍帽を脱ぎながら挨拶を交わした。

自分を小隊に連れてきてくれたのが誰だったか記憶も曖昧な二人の少年兵は、ドゥエルを見つめ、ようやく彼の外見を思い出したのか、手で感嘆符を作った。

「あ……! 最初、僕たちを連れてきてくれた……あの……下……下士殿?」

「あ、そうだったね!?」

「そうだ。元気にしていたか?」

「はい……!」

ドゥエルが二人の子供の頭を、我が子を愛でるような優しい手つきで撫でた。タコがしっかりできた荒い手だったが、なぜか温かく感じられた。

「実は、お前たちの卒業式だから準備したとは言っているが、昨日休めなかったフェルカーとドゥエルのために準備した特別な食事だ。そして……メニューは……」

「……!」

間もなくフェルカーが布で覆われていた物体から布を取り払った。すると現れたのは他ならぬグリルだった。そして隣のテーブルには肉が山ほどあった。

「リーベ……今日のことはすまなかった。」

「え……な、何……?」

「急に気まずく振る舞ってしまってな。でもこれを見たら……今は気まずくしちゃいけない気がする。」

「ええ……っ??」

フォーゲルは肉を見て生唾を飲み込み、気まずさを解消するためにすぐに謝罪を口にして、この雰囲気を吹き飛ばした。もちろん、リーベの立場からすれば、急変したフォーゲルの態度に戸惑うしかなかった。

「よし! 焼くぞ?」

「苦労したな。訓練兵のままでいるには、お前たちは……才能がもったいないように見えた。」

ジンクスがグリルを持って外へ出て、フェルカーは彼らを見ながら労いの言葉をかけた。あの無愛想なフェルカーがこんなことを言うのを、二人の少年兵は初めて見た。

「あ……あ、ありがとうございます……」

「好きなだけ食べろ。」

アドラーも口を添え、ジンクスに続いて五人も天幕から出た。そして小隊員たちが気づかないような外郭の壁の下で、椅子を6脚並べてキャンプファイヤーのように肉を焼いた。

「(すーっ、はーっ……)」

「私より肉の方が好……きってわけじゃないよね?」

気まずかった沈黙はどこへやら、肉だけを穴が開くほど見つめるフォーゲルを見て、リーベは目を細めて疑わしげな視線を送った。するとフォーゲルは微笑んで答えた。もちろん、依然として彼の青い瞳は肉に向けられていた。

「えい~、違うさ。リーベ、思いっきり食べようぜ! 量も多いしな。」

「まったく……わかったよ。君がそれほど望んでいた肉だもんね。今日は多めに見てあげるよ。」

ジューッという音と共に、間もなく肉が焼けた。ついに各自に箸が配られ、肉を口にすることができた。肉汁が溢れ出し、炭の香りが立ち上り、口の中では花火が打ち上がった。

「くぅぅ~!!」

「ハハ……昨日は私のお気に入りで、今日は君のお気に入りだね。まあ、肉も味はいいよ。」

「だろだろ!? 小隊長殿! 教官殿! 兵長殿! 下士殿! ありがとうございます!!」

「ありがとうございます……!」

一人一人に感謝の気持ちを伝えながら、フォーゲルは満足げな顔でリーベの目をまっすぐに見つめた。そして今日の夕食は穏やかに締めくくられた。

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