脱出
死体は数え切れないほど地面に虚しく転がっていた。ドゥエルが地下から上がってきて目にした光景は、四方に内臓が飛び散った衝撃的な姿の敵兵たちだった。
ある者は白目を剥き、ある者は肩に大きな穴が開き、内部の肉を剥き出しにしていた。そしてまたある者は、引き裂かれた肘に手首が辛うじてぶら下がったまま痙攣していた。
「……悲惨だな。」
ドゥエルはそれを見て小さく呟いた。先ほどまで敵に向けて弾丸を注ぎ込み殺害していた彼だが、人の死は何回見ても慣れるものではなかった。
「まだ機関銃の音が聞こえるところを見ると、全滅ではないようだな。出てみるか。」
低く独り言を言った後、ドゥエルは敵がまだ残っていると予想されるガトリングの射線からは見えない部隊の背後へと向かう。
「はっ……! はぁぁっ!」
裏手へ回ると、見えたのは敵軍と剣を交えるローゼンタール一行とジンクス教官だった。ジンクスと目を合わせたドゥエルは、素早くジンクスが刃を交えている相手へと近づく。
「ここは隠密で戦っているのか。」
音もなく剣で戦う二人の動きを把握し、彼は走りながら鞄を解いた。そして鞄の中の暗闇から徐々に姿を現した銀色の刃は、月光を浴びて危うく煌めいていた。
「……!!!」
ジンクスは背後から来るドゥエルに気づき、剣を合わせたまま素早く後ろへ退いた。すると直後、相手の背中には小枝ほどの短剣が深く突き刺さった。
その敵は血を吐き出し、その場に力なく崩れ落ちた。ドゥエルは背中から自分の短剣を激しく引き抜いた。ドゥエルの白い軍服にあるフリーデンの象徴、オリーブの枝のマークは、返り血によって汚されてしまった。
「上士殿、剣はあまり得意ではないのですか?」
「私は隠密ってのは性に合わなくてね。だがフェルカーがやれと言うから、まあ、練習がてら来てみたんだが?」
「練習は子供たちを教える時に一緒にやってください。ここは実戦ですから危険です。」
「15歳の子供の前で俺も一緒に剣術の練習とは……形無しだな。」
ドゥエルが自分の軍服で頬まで飛んだ血を拭いながら、ジンクスをさりげなく窘めた。階級はかなり離れた二人だったが、今は戦場の同志だった。
ジンクスもまた狼のような表情でニヤリと笑うと、悠々とその場を離れた。彼の隣にいたローゼンタールも急いで同行していった。
「あいつら、うまくやってるかな?」
「信じています。私が連れてきた子供たちですから。最初に来た時に見たあの強い眼差しには……勇気が宿っていましたからね。」
ドゥエルが二人に信頼の答えを返している間、二人の少年兵は奮闘中だった。ガトリングの弾薬がほとんど底を突きかけていた。生き残っている数人の兵士を牽制するのは容易なことではなかった。
「リーベ……気をつけよう。」
「うん。もちろんだよ。これからは私たちが前に出なきゃ。」
フォーゲルは自分の手に握られた残酷な鉄の塊を強く握りしめ、辺りを見回した。フィンとオアンは完全に弾薬が切れたガトリングから降りてきた。
「上等兵殿。僕が行ってきます。」
「何? おい! 出たら死ぬぞ! ここで牽制するんだ!」
「ここで牽制していても時間を浪費するだけじゃないですか。到底このままでは終わる気配がありません。」
「フォ、フォーゲル! 危険だよ! さっきまで気をつけるって言ったじゃない!」
フォーゲルが前方を見据え、敵陣の真ん中へ行くという結論を下そうとすると、リーベが急いでそれを止めようとした。彼女は悲痛な少女のように、彼を強く引き止めた。
「お、おい。気をつけていても危険なのは覚悟の上だ!」
「おい、フォーゲル。悪いが、俺はお前より階級が上の者として命令する。出るな。」
「え……えっ……?」
「リーベを見ろ。お前はあんな女の子の眼差しを拒絶するのか? 男として失格だぞ。」
「上等兵殿の言う通りだ。あれは自殺行為だぞ、この少年兵め。」
「……ううっ。わ、わかりました……代わりに……別の解決策を探しましょう。」
結局、リーベの眼差しに加えてフィンとオアンの叱責まで受けたフォーゲルは、決まり悪そうに自分の金髪を掻きながら命令に従った。
「ふぅ……最初からそうすればいいのに。……その代わり。私、考えがあるの。」
「えっ? 何だい。」
リーベが安堵のため息をつき、確信に満ちた声で話し出すと、3人の男性が近くに寄って耳を傾けた。
「(ひそひそ……)」
「えっ……? 無謀だ……!」
話を聞かされた三人は目を見開いた。しかし、結局は頷いた。彼らは拳を固め、ゆっくりと遮蔽物の後ろから影を現した。
「……!? 何だ? あいつら……撃て!!」
敵軍が堂々と影を晒した彼らに向かって銃を放とうとした瞬間、四つの影は煙幕弾を自分の位置から力いっぱい投げた。
「パン!!」
銃弾が飛んできたその瞬間だった。煙幕が点火され、瞬く間に煙が周囲を包み込んだ。銃弾に当たったのか当たっていないのか、四人の姿は煙幕に隠れて見えなくなった。
「あ……当たったか?」
「そのようですが……」
敵兵6人は、それぞれ自分が撃った弾が当たったのかと疑問を口にし、互いに一瞬の雑談を交わした。しかし、その瞬間だった。
「ガタガタッ!」
巨大な鉄甲、いやソリだった。ソリが煙を突き抜けて現れ、敵に向かって勢いよく突進していった。そのソリの上には誰も乗っていなかった。
「何だ……!」
敵の視線は瞬く間に、煙幕を風のように流しながら進むその2台のソリへと注がれた。そしてその横から、四つの影が姿を現した。
「はあああああああっ!!!!!!」
六つの体は瞬く間に射撃の標的のように撃ち抜かれた。彼らの体には弾丸が通過し、鮮明な血痕が残された。
「……はぁ……はぁ……」
フィン、オアン、リーベ、そしてフォーゲルはそれぞれ息を切らしていた。たった今成功したこの作戦の内容はこうだった。
「ガトリングを積むために持ってきたソリが二つ後ろにあるじゃないですか。それを使うんです。」
「ソリ? 乗って戦うのか?」
「いえ、ソリを二人ずつ引くんです。上等兵殿と一等兵殿、そして私とフォーゲルがそれぞれソリを引くんです。まず最初に、煙幕弾とライトを使います。」
「何? なぜ煙幕を?」
リーベの話を聞くほど、彼らの瞳には困惑が色濃くなっていった。彼らは純粋に戸惑った顔でリーベを変わった人を見るような目で眺めた。
「いいえ。今、私たちの後ろには木があります。ちょうど四本。」
「あ、ああ、それがどうした?」
「今は真夜中、ものすごく暗いですよね。私たちの影のように見えるように……規則的な四本の木の配列を利用して、煙幕で意図的な影を作るんです。」
「背嚢にある懐中電灯を木の後ろに斜めに置いて照らし、敵に見えないようにこっそり煙幕を投げます。どうせあの人たちと木は離れているから、煙幕は夜空に紛れて見えないはずです。」
「そうすれば、煙によって木の影の一部が隠れ、影は方向に合わせて私たちのように、葉っぱが人間ほどの形になるんです!」
「……!」
「私たちは木の後ろに隠れていて、煙幕を私たちの影が投げているように見えるように、木から腕を出して敵の前に堂々と投げながら懐中電灯を少し傾けます。そうすれば、私たちが投げているように一瞬影が歪んで見えるでしょう。」
リーベの説明を聞く男性たちの顔は、驚嘆に染まっていった。大人であるフィンやオアンよりも、リーベはずっと論理的で戦術的だった。
「その隙に私たちは二人ずつ二つのソリを引いて、左と右に分かれ、勢いよくソリを敵に向かって煙の中から押し出すんです! そうすれば敵の視線は罪のないソリに釘付けになります。」
「そして私たちは右、左、それぞれの端へ素早く走って、銃を撃って敵を仕留めるだけです!」
この天才少女の発想はこうだった。そしてその作戦は計画通り成功した。今夜の長い戦闘は、影絵芝居のように奇抜に締めくくられた。




