苦悩
「僕が…人を殺したんだ。」
フォーゲルはガトリングの弾倉を整理しながらも、あの轟音の中でも、空想から抜け出せずにいた。普段はか弱いと思っていたリーベの方が、むしろ積極的に任務に臨んでいる最中だった。
『ウンステアの奴らじゃないか。これでいいんだ。』
『……いいのかな?』
頭の中は疑問だけで満たされていた。彼のニューロンでは電気信号が慌ただしく動き回る。敵という理由で、「ウンステア」という理由だけで、殺人を正当化することは可能なのだろうか?
フォーゲルは数多くの死を見てきた。民間人だった時も、大切な人々が苦痛に満ちた絶叫を上げ、怪物のような姿で村を徘徊するのを見なければならなかった。
「嫌だ……」
彼らの姿は、今思い出しても嫌になるほど無残だった。誰かは皮膚が黒く焦げているのに、一歩一歩と足を踏み出して動く姿は、映画でしか見られないような怪生物のようだった。
そして現在、この小隊での生活においても、彼らは死を見守らなければならなかった。敵の死を、味方の死を目撃しているうちに、いつの間にか彼らは残酷な戦争の惨状に無頓着になっていくものだった。
フォーゲルの青い瞳は絶え間なく震えていた。天候は寒く、銃声が響き、味方が慌ただしく動いているというのに、彼はぼんやりと地面だけを見つめて伏せていた。
「うあ……あ……!」
フォーゲルはなぜか咆哮していた。両耳を両手で塞ぎ、現実から逃避するかのように、内面の世界へと逃げ込んでいる最中だった。彼が触れた耳は冷たかった。風は流れ、空気は霧散していった。
彼はこの深淵を自分の中から吐き出したかった。しかし、それは果たされなかった。ただ、美術作品で見るような「考える人」になってしまっただけだった。
『こんなの嫌だ…僕はなぜここにいるんだ…?』
自分自身に再び問いかけた。始まりはウンステアへの憎しみだったはずだ。国家は戦争末期、敗北へと突き進み、少年兵は各地の部隊で容赦なく道具のように扱われていた。
大部分が強制徴集される過程で、フォーゲルとリーベは自ら入隊を決めたのだ。その先が過酷で残酷なものであることは、事前に予感していた。実際、小隊の環境は劣悪で、補給もままならず、女性兵舎すらない状態だった。
それでも、一つだけ予想が外れたことがあった。自分たちを馬のようにこき使うと思っていた軍人たち……だが、彼らは二人の少年兵を温かく迎えてくれた。危険な任務はなるべくさせないよう命じ、休憩時間には簡単なゲームや雑談を交わして温もりを分かち合った。
もちろん、ある兵士はリーベを性的にいたずらしようとしたが、それは極少数に過ぎなかった。大部分の軍人たちは、厳格で威圧的なイメージとは異なる感情を持つ一人の人間だった。彼らはそれぞれ事情を抱えた平凡な人間に過ぎなかった。ただ「軍人」という職責を担っているだけの人間。
『僕は…何のために…存在しているんだ?』
フォーゲルの思考回路は、今、ネズミが必死に回している回し車のようだった。絶えずエネルギーを消費して頭脳を活性化させ、「死とは何か」という問いを残し続けていた。
いくら考えても答えは出なかった。「死」。それは古来より人々が考えてきたテーマだった。「存在」も同様だった。遥か昔の人々も、存在論的な思考を巡らせ、死を恐れ、疑問を抱いていた。
ある場所では死者の臓器を取り出し包帯で巻く風習があり、またある場所では骨まで火で焼き尽くし、空へと灰を飛ばす風習があった。さらに、ある機械的な物体を通じて、人の遺体を完璧に保存する技術も存在したという。
フォーゲルの瞳には、いつの間にか生気が消えていた。まるで魚の死骸の目のように、地面だけを凝視していた。彼の耳には何も入ってこなかった。ただ、深い思考の重みだけが彼を押しつぶしていた。
「フォーゲル……!」
その時、外からの叫びが空気に乗ってフォーゲルへと流れ込んできた。それでようやく、顔を正面に向けることができた。彼の目の前には、整った容姿の少女が入ってきた。その少女は白髪をなびかせ、真剣で温かい眼差しでフォーゲルを見つめようと努めていた。
「今は戦闘中じゃない。後で戻ってから、たくさん話をしよう。」
「……あ……」
フォーゲルはついに、自分の意識を内面の泥沼から現世へと引き戻すことができた。リーベはフォーゲルと同様に、たった今、人を殺した殺人者であったが、努めて冷静に状況を見守り、任務を遂行していた。
「早く立って。あなたは死んでないでしょ。生きているなら、生きている人間として最善を尽くさなきゃ。」
あんなに優しく親切だったリーベが、なぜか断固とした眼差しで彼を射抜き、弾帯をいじっていた。冷ややかと言えば冷ややかだが、温かいと言えば温かいその眼差しは、フォーゲルの青い瞳を射止めた。
そして、先ほどまで苦悩していた少年は、ついに生者として指を強く握りしめ、いつもの姿に戻った。彼は冷たい雪原に手をつき、ガトリングの弾帯を装填し始めた。
「……そうだね。僕はまだ死んでない。だから……立ち上がるよ。」




