表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/48

心臓が燃える

他の面々がそれぞれの持ち場で最善を尽くし、戦闘を勝利へと導いている間、第2分隊の視界には一人の敵兵も入ってこなかった。

「ガトリングと聞いて、みんな隠れちまったのか? つまんねぇな。」

「卑怯な奴ら…陣地転換しちゃダメなんですか?」

「お前、訓練兵の分際で口数が多いんだよ。ハハッ! だがそこが面白い! 行くぞ!」

即座にガトリングの解体を始める4人組。もちろん、リーベは重い銃を丘の岩に預け、敵が出てこないか注視し続けていた。

フォーゲルもまた、ガトリングの解体など経験したことがないため、おどおどしながら弾帯をいじることしかできなかった。ナイトビジョンヘルメットすら持たない彼らにとって、この雪降る夜の時間は、長く、そして虚しく感じられた。

「行くぞ! 事前に指定しておいた2番の位置へ移動だ!」

「はいっ!!」

フィンが本体を担ぎ、オアンが三脚を持った。二人は少年兵たちに特別な役割を与えなかった。フォーゲルとリーベは月明かりだけを頼りに、見える通りに走った。

「ここだな。よし、オアン。組み立てだ!」

「はいっ!」

ガトリングが組み立てられ、機械同士が噛み合う摩擦音が静寂を破った。油の匂いと火薬の匂いが4人の鼻をかすめ、空気の中へと散っていった。

「普通、ガトリングってのはこうやって携帯するもんじゃない。だがこれは、うちの部隊だけに支給された特注品らしくてな…『ただの機関銃だと思って使え』って言われたよ。」

「不思議ですね。なんだか僕の知っているのとは形が少し違うなと思ってました。」

「組み立て完了! 弾帯の整理はできてるな…? 俺たちの横から漏れた兵士がいないか、撃って援護しろ!」

フィンが再び敵軍に向けて嵐のように弾丸を浴びせ始める中、フォーゲルとリーベは弾帯の装填を待ちながら、逃げ惑う敵を狙った。

「考えてみれば…ここで誰かを殺したら…それが初めての殺人になるんだね。」

「あぁ、そうだね。前の戦闘でも、僕たちは直接誰かを撃ったわけじゃなかったから。」

リーベが眉をひそめ、荒れ狂うガトリングの射撃音の合間を縫ってフォーゲルに小さく話しかけた。聞き取りづらかったが、フォーゲルはそれをかろうじて聞き取り、答えることができた。

「……行くぞ。」

フォーゲルが敵に向けて銃口を向ける。フィンからは見えない死角の敵兵だった。その敵兵はガトリングを見て恐怖に顔を歪め、自分の部隊の方へ向かって必死に駆け出していた。その姿は、リーベには哀れにさえ見えた。

「パン!!」

ガトリングの乱射音の間から、正確な銃声が逆流する魚のように敵へと流れていった。その力学的エネルギーの結晶は、敵を鮮血で染めた。

「…」

暗闇の中で位置だけを見定めて撃ったものだったが、敵の体は正確に一発で貫かれた。その後に溢れ出した血は、辛うじて鮮明に見えていた白い雪さえも、闇へと染め上げてしまった。

フォーゲルは、自分が撃ったにもかかわらず、何とも言えない背徳感が押し寄せてくるのを経験した。さっきまで憎み、あれほど死んで当然だと思っていた敵なのに…いざ初めて直接撃ってみると、引き金にかかった指が微かに震えるのを感じた。

「リーベ…僕は…もう人殺しだ。」

「……そういうことになるね。」

フォーゲルだけが罪悪感を抱え込み、自責しているように見えたため、リーベも彼の共犯者になることに決めた。彼女はそっと丘に銃口を乗せ、別の兵士を注意深く見つめた。

「ハァ…ハァ…」

不規則で荒い息を吐きながら、彼女は静かに引き金に指をかけた。手袋をはめているというのに、寒さに凍てついた引き金はその冷たさをリーベに伝えていた。

「ハァッ……!!」

「パン!」

気合を入れ、無理やり心を奮い立たせて弾丸を発射した。一瞬弾けた火花が、リーベの頬へと飛んだ。火花のように見えるだけのガスに過ぎないため、微かに熱いだけですぐに消えたが、リーベは本当に体が熱くなるのを感じた。

その火傷は頬に負ったものでも、身体に負ったものでもなかった。敵が血を吐きながら倒れるのを見届けた彼女の心臓が、燃え上がっているのだった。

「リーベ…君まで…」

「君だけを人殺しにはさせないよ……!」

隣で二人の苦悩をちらりと見ていたフィンとオアンは、大人として、一人の人間として、やりきれない思いを感じていた。フィンは、無駄な命令を下してしまったのではないかと後悔した。いくら敵が憎かろうと、単に嫌うことと殺すことの間には、天と地ほどの差があった。

「おい。弾帯を詰めろ。」

フィンはあえて話題をそらすため、まだ十分に余裕のある弾帯を装填するよう指示した。ようやく二人の少年兵は我に返り、弾帯をいじり始めた。

「殺人者の夜は……孤独だね。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ