心臓が燃える
他の面々がそれぞれの持ち場で最善を尽くし、戦闘を勝利へと導いている間、第2分隊の視界には一人の敵兵も入ってこなかった。
「ガトリングと聞いて、みんな隠れちまったのか? つまんねぇな。」
「卑怯な奴ら…陣地転換しちゃダメなんですか?」
「お前、訓練兵の分際で口数が多いんだよ。ハハッ! だがそこが面白い! 行くぞ!」
即座にガトリングの解体を始める4人組。もちろん、リーベは重い銃を丘の岩に預け、敵が出てこないか注視し続けていた。
フォーゲルもまた、ガトリングの解体など経験したことがないため、おどおどしながら弾帯をいじることしかできなかった。ナイトビジョンヘルメットすら持たない彼らにとって、この雪降る夜の時間は、長く、そして虚しく感じられた。
「行くぞ! 事前に指定しておいた2番の位置へ移動だ!」
「はいっ!!」
フィンが本体を担ぎ、オアンが三脚を持った。二人は少年兵たちに特別な役割を与えなかった。フォーゲルとリーベは月明かりだけを頼りに、見える通りに走った。
「ここだな。よし、オアン。組み立てだ!」
「はいっ!」
ガトリングが組み立てられ、機械同士が噛み合う摩擦音が静寂を破った。油の匂いと火薬の匂いが4人の鼻をかすめ、空気の中へと散っていった。
「普通、ガトリングってのはこうやって携帯するもんじゃない。だがこれは、うちの部隊だけに支給された特注品らしくてな…『ただの機関銃だと思って使え』って言われたよ。」
「不思議ですね。なんだか僕の知っているのとは形が少し違うなと思ってました。」
「組み立て完了! 弾帯の整理はできてるな…? 俺たちの横から漏れた兵士がいないか、撃って援護しろ!」
フィンが再び敵軍に向けて嵐のように弾丸を浴びせ始める中、フォーゲルとリーベは弾帯の装填を待ちながら、逃げ惑う敵を狙った。
「考えてみれば…ここで誰かを殺したら…それが初めての殺人になるんだね。」
「あぁ、そうだね。前の戦闘でも、僕たちは直接誰かを撃ったわけじゃなかったから。」
リーベが眉をひそめ、荒れ狂うガトリングの射撃音の合間を縫ってフォーゲルに小さく話しかけた。聞き取りづらかったが、フォーゲルはそれをかろうじて聞き取り、答えることができた。
「……行くぞ。」
フォーゲルが敵に向けて銃口を向ける。フィンからは見えない死角の敵兵だった。その敵兵はガトリングを見て恐怖に顔を歪め、自分の部隊の方へ向かって必死に駆け出していた。その姿は、リーベには哀れにさえ見えた。
「パン!!」
ガトリングの乱射音の間から、正確な銃声が逆流する魚のように敵へと流れていった。その力学的エネルギーの結晶は、敵を鮮血で染めた。
「…」
暗闇の中で位置だけを見定めて撃ったものだったが、敵の体は正確に一発で貫かれた。その後に溢れ出した血は、辛うじて鮮明に見えていた白い雪さえも、闇へと染め上げてしまった。
フォーゲルは、自分が撃ったにもかかわらず、何とも言えない背徳感が押し寄せてくるのを経験した。さっきまで憎み、あれほど死んで当然だと思っていた敵なのに…いざ初めて直接撃ってみると、引き金にかかった指が微かに震えるのを感じた。
「リーベ…僕は…もう人殺しだ。」
「……そういうことになるね。」
フォーゲルだけが罪悪感を抱え込み、自責しているように見えたため、リーベも彼の共犯者になることに決めた。彼女はそっと丘に銃口を乗せ、別の兵士を注意深く見つめた。
「ハァ…ハァ…」
不規則で荒い息を吐きながら、彼女は静かに引き金に指をかけた。手袋をはめているというのに、寒さに凍てついた引き金はその冷たさをリーベに伝えていた。
「ハァッ……!!」
「パン!」
気合を入れ、無理やり心を奮い立たせて弾丸を発射した。一瞬弾けた火花が、リーベの頬へと飛んだ。火花のように見えるだけのガスに過ぎないため、微かに熱いだけですぐに消えたが、リーベは本当に体が熱くなるのを感じた。
その火傷は頬に負ったものでも、身体に負ったものでもなかった。敵が血を吐きながら倒れるのを見届けた彼女の心臓が、燃え上がっているのだった。
「リーベ…君まで…」
「君だけを人殺しにはさせないよ……!」
隣で二人の苦悩をちらりと見ていたフィンとオアンは、大人として、一人の人間として、やりきれない思いを感じていた。フィンは、無駄な命令を下してしまったのではないかと後悔した。いくら敵が憎かろうと、単に嫌うことと殺すことの間には、天と地ほどの差があった。
「おい。弾帯を詰めろ。」
フィンはあえて話題をそらすため、まだ十分に余裕のある弾帯を装填するよう指示した。ようやく二人の少年兵は我に返り、弾帯をいじり始めた。
「殺人者の夜は……孤独だね。」




