表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/47

突撃

アドラーが苦戦を強いられている間、ドゥエルが分隊長を務める臨時第1分隊は、敵陣に向けて突撃し、銃弾を浴びせていた。火薬の匂いが周囲の冷気を切り裂いて立ち上り、敵陣からは血生臭い匂いが漂っていた。ガトリングを浴びせるフォーゲル一行の猛攻に抗えず、敵は第1分隊の侵入を許すしかなかった。

「ティエルシ上等兵、アベル一等兵。お前たちは右サイドへ行け! ローゼンタール一等兵とロイ二等兵は左だ! 俺は正門から突破する!」

「一人でですか…? 危険ですよ!」

「構わん。」

一つの分隊が再び3つの役割に分かれた。敵がガトリングに翻弄されて正気を失っている隙に、ドゥエルは白い軍服を整え、正面へと駆け出した。

「…くそっ…アベル、行くぞ!」

「…」

ティエルシ一行とローゼンタール一行が持ち場へと離れ、ドゥエルは正門に入ると同時に、視界に入る全ての兵士を照準に捉えた。直後、重厚な機械音と共に、弾丸の光が敵へと降り注いだ。

「…!!!」

「防げ…! あいつらを止めろ!!!!」

なす術もなく倒れていく兵士たちを尻目に、敵の副小隊長が指示を飛ばした。そして数人の兵士が城郭の外側を中心に横へと回り込み、ドゥエルの背後を狙った。

「仕留めた…!」

「予想通りだ。」

ドゥエル伍長は、その階級にふさわしく、小隊内でも最高クラスのベテランだった。彼は背後から自分に銃口を向ける敵に対し、迷いなく振り返った。

「パン!」

振り向きざまに引き金を引き、倒れた敵には一瞥もくれず、再び内部の敵兵を相手にする。その頃、フォーゲルたちの第2分隊は、一時的にガトリングの掃射を止めていた。

「もう敵は出てこないな。お前たちは弾帯の整理を続けろ!」

「順調にいっているようですね…。でも、兵長殿がいる場所から、もう銃声が聞こえません。」

アドラーの不在に疑問を抱きながら、オアンは弾帯を共に整理した。フィンは三人を見守りつつも、敵が再び現れるのを待ち構えて注視し続けていた。

「リーベ、兵長殿は大丈夫かな?」

「私は兵長殿の実力を信じてる。きっと大丈夫だよ。」

「まあ…そうだな。まずは自分たちの心配をしようぜ。」

ティエルシとアベルはサイドへと走った。敵の陣地には計3つの入口があり、それぞれ東、西、南を向いていた。普段は木の葉や木々で厳重に隠されていたが、ティエルシはそれを見抜き、入口と推測して報告していたのだ。

「アベル、地雷に気をつけろ! 罠かもしれないぞ!」

「…はい。」

二人は地面を注視しながら走った。もちろん、見ただけで雪に隠された地雷まで完全に見抜けるわけではなかったが、今できるのは目視での確認だけだった。

「…あった!」

ティエルシが走っている途中で足を止め、声を上げた。地面を見ると、溶けかけた雪の下に隠された、暗黒のような黒い円盤が密かに潜んでいた。

「…慎重に行くぞ。」

「了解しました。」

一つ一つ注意しながら進むと、いつの間にか敵のもう一つの入口に到着した。そこは地面に埋もれた蓋付きの入口だった。予想はしていたものの、実際に存在しているのを見て、二人は内心驚きに目を見開いた。

「行くぞ。ここが隠し入口のはずだ。ここから降りて地下を通り、上へと上がる構造になっているようだな。」

「では…ここを防げばいいんですか?」

「ああ。敵が出てきた瞬間に手榴弾でも放り込んでやろう。まだ準備中のようだな。」

数分が経過した頃、扉の内部からガタゴトという音が聞こえ始めた。同時に、数人の軍靴が階段を叩く、木魚のような音が耳に響いた。

「来ます。」

「銃を構えろ…!」

直後、バッと扉が開いた。そして敵が顔を出した瞬間――!

「タタタタタタタタン!!」

「タタタタタン!」

二人の偵察兵が同時に銃を連射した。入口の中でパニックに陥った敵は、血を飛び散らせ、なす術もなく倒れていった。

「うっ…」

アベルは銃を連射しながら、肩をぐっと踏ん張った。あちこちで火花が散り、顔を破片がかすめても、引き金を引き続けるという選択肢しかなかった。

「な、なぜここがバレたんだ…!? 撤退しろ!!!」

内部の敵の一人が、必死に顔を覆うように腕を上げ、逃げ惑いながら兵士たちに指示を出した。彼の浅黒い顔は恐怖と疑問で満たされていた。

「逃がすかよ…!」

アベルが連射している間に、ティエルシが手榴弾のピンを抜いた。このおもちゃのような小さな球体は階段を転がり落ち、内部を閃光で満たしながら、敵をズタズタに引き裂いた。

ティエルシとアベルの白かった軍服には、吐き気のするような臭いと共に、消えない傷跡のように血がこびりついていた。

アベルの黄色い瞳には、その光景がそのまま映し出されていた。ティエルシの整っていた紫色の髪も、汗でべったりと張り付いていた。

「ここで食い止めればいい! 奴らを釘付けにするぞ!」

「は、はいっ…!」

アベルは素早くマガジンを交換し、先ほど声を上げていた敵の分隊長らしき兵士も赤い液体で染め上げた。こうして、この入口の制圧は成功裏に終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ