新しい家
寒かった。冷気が全身に這い上がり、皮膚を突き刺すような苦痛を与える。吹雪が降る険しい地形を、二人の少年と少女は一歩一歩踏みしめて進む。
「はぁ…寒い…早く軍部隊に着こう…」
「うん。そこに行けば、さすがに今よりはマシだろうね…まあ、軍隊の中の状況はだいたい予想はつくけどさ…」
「どうせ汚くて寒くて、食べ物もないだろうな…それでも、絶対に行くぞ。」
リーベとフォーゲルは軍隊の内部施設についての考えを交わしながら、急な崖を登る。食べ物を口にしてからもう丸一日は経ったようだ。しかし、彼らは空腹と疲労を後回しにし、さらに速く歩を進める。
「ところでさ…軍隊の前に着いたら、どうすればいいんだ…?」
「うーん…とりあえず…敵じゃないってことを知らせないとね…?手を挙げたりして…」
様々な話をしながら、二人は軍隊へと向かう。実際、軍隊はここから遠いのだが、ぼんやりとした爆撃前の日常会話で、大人たちの話から戦況に加え、軍部隊の位置まで二人とも知ることができた。詳しい位置は分からないが、行くしかなかった。
そして5日が経った。ついに、遠く長かった旅の果てに、目的地が目に入った。軍部隊は小隊程度の規模に見えたが、フォーゲルとリーベが感じた大きさは、実際よりも10倍は誇張されて見えた。
「おい、お前たち。手を挙げろ。」
軍隊の外郭を偵察していた兵士が、二人に向かって銃を構える。
警戒する眼差しで、二人が自爆兵ではないかと疑うような目つきで、二人から遠く離れて様子を窺う。雪の中震える二人の姿は、みすぼらしく、哀れにさえ見えた。
「私たちは敵じゃありません…!」
意外にもフォーゲルではなくリーベが先に兵士に話しかけた。軍用ヘルメットで頭をすっぽり覆った兵士は、二人の状態を見て、ここまで自爆兵は来ないだろうと考え、適度に警戒心を緩める。しかし、依然として二人に近づきはしなかった。
「では、目的は何だ?お前たちのような子供が、こんな険しい雪山を登る理由はないはずだが。」
「私が申し上げます。私たちは『兵士』になりたいのです。」
フォーゲルの予想外の返答に、兵士は耳を疑いながら声を出す。彼の声は、長年軍事生活を送ってきたような、重厚で低い声だった。
「兵士になりたいだと…?志願入隊か…どうしてだ?」
「ウンステアに勝ちたいのです。」
フォーゲルが短いが明確な返事をし、リーベは隣で静かに頷く。二人の意志は、態度だけでも岩のように固く見えた。結局、兵士は銃身を下ろして言った。
「…ついて来い。」
二人の子供が近づくと、兵士は身体検査をする。寒い天気と雪に覆われて震えていたからか、兵士は服の中まで脱がせて細かく検査することはなかった。
「よかろう。自爆兵ではないようだな。案内する。」
兵士は偵察を一時止め、軍隊内部へ彼らを案内する。
後ろを向いて二人を連れて歩く兵士の足取りは、兵力を補充できることに安堵して軽くなった足取りではなく、どこか重いような足取りだった。その理由を二人の子供は知る由もなかった。




