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オアン・モルス

「おい!オアン!早く歩け!」

フィンの力強い声が雪山の風に乗って流れてくる。行軍をしながらも、彼は遅れたオアンのために一時的に歩みを止めて待ってやる。

「ハァッ…ハァッ…上等兵殿…あとどれくらい残ってるんですか…?」

「おいおい…まだ7時になったばかりだぞ。12時までたっぷりやらなきゃな…」

「あ…ああっ…!」

フィンが自分の腕時計を見て時間を叫ぶと、オアンは疲れが満ちた表情で小さく叫びながら後を追う。彼のハゲ頭は、徐々に現れる日差しにキラキラと輝き始めた。

「これで半分は来たか…ふぅ…」

「よし!休憩!!」

フェルカーの太い声が向こうから聞こえてくる。この寒さの中でも、彼の声帯だけはストーブにでもなったかのように凍りつかず、全ての小隊員の耳に突き刺さる。

「はぁ…今日は特にきついですね。」

フィンとオアンは適当な丸太の上に座り、水筒を取り出して飲む。フィンは20kgの軍装を寄りかかるように木にかけ、ガトリングガンの本体を一時的に下に置いた。その重い質量のために、他の兵士たちの体は苦労していた。

「まったく…機関銃手ってのは大変だな。」

「三脚を持っているだけでも手一杯ですよ…」

一方オアンはガトリングの三脚を持っていた。元々ホーケルがずっと担いでいた三脚担ぎは、オアンへと移された。オアンはそのせいで、持ったこともないその重い三脚を担いで雪山を行軍せざるを得なかった。

「いや、本当にホーケルさんはこれをどうやって持っていたのか理解できませんよ…いくら行軍しても、まったく慣れない〜」

オアンは自分のハゲ頭に玉のように流れる汗を、腕の袖口で拭い去った。もちろん、ここでの汗はいつも結ばれるやいなや冷たい空気に凍りついてしまった。

「ホーケルは凄かったな。こんなバカな上官のこともちゃんと気にかけてくれたしな。」

「今になって彼が行軍していた時の気持ちがわかる気がします。めちゃくちゃ重いですよ…」

「そうか?俺は毎日担いでたけどな〜まあ、ゆっくり慣れるさ。」

丸太に寄りかかって会話をしているうちに、いつの間にか10分があっという間に過ぎ去った。前の方から再び力強い声が木に沿って響き渡った。

「前進!!」

小枝を砕き、雪を踏みながら前進し、また前進した。目の前が真っ暗になり、凍りついた汗が目に入っても、全ての兵士たちは歩き、また歩いた。

「ハァ…ハァ…」

兵士たちはいつも行軍の序盤には些細な雑談を交わし、意外にも笑顔すら浮かべながら歩いていたが、進むにつれて疲れる体に徐々に口数が減っていくものだった。ただお互いの荒い息遣いだけが聞こえてきて、背中の軍装と担いでいる銃が体を圧迫する感覚だった。

オアンとフィンもまた、言葉は徐々になくなり、陽気だった顔も次第に消えていった。ただ疲労だけが彼らを包み込んだ。そうやって何度も歩いて休むことを繰り返すと、いつの間にか小隊の姿が目に入ってきた。このような不衛生で質素な小隊が、この瞬間だけはいつも温かい家のように見えた。

「停止!」

小隊内に入ると、フェルカーの声が再び聞こえてくる。彼の荒々しい声には、重圧感と疲労が共存していた。

「隊列解散!!」

ついに解散となり、フィンとオアンは分解されたガトリングを磨き始める。埃を払い、オイルを塗布し、部品の破損がないか確認し、整列させて、ようやく兵舎の中に入ってしばらく休むことができた。

「はあ…本当に疲れました。上等兵殿。」

「俺もだよ。まあ、行軍は毎日しても慣れないんだよな〜」

フィンは軍装を下ろし、配給された水をゴクゴクと飲み干す。水一口が今は何よりも貴重だった。

「さて、昼飯でも食いに行くか。まあ、いつものシチューだけどな〜はは。」

「はいはい!めちゃくちゃ腹が減ってますよ。」

軍装を下ろした後、足の水ぶくれを潰し、靴下を履き替える。その行為が終わり、二人は仲良く並んで食堂兵舎へと入っていく。

「ガキどもはまだ来てないみたいだな〜」

「あいつら、最近忙しいみたいですからね。『シャドウ・バレット訓練』とか…あれ、俺たちがやる訓練よりはるかに面白そうです。」

「訓練は楽しみでやるもんじゃないぞ〜うわあ〜食うぞ!」

二人の少年兵について話した後、スプーンでシチューをすくい、一口含む。粗末だが温かかった。その温もり一つだけで、この疲労は徐々に回復していくようだった。

フィンも伸びをしながらシチューをかき込む。

「そういえば、水を飲んだことがないな…ところで、お前はなんで軍に入ったんだ?」

「村で商売をしていたんですが、突然軍人たちが来て、丈夫な成人男性を連れていくと言って、無理やり汽車に乗せられたんです。うちの母は、俺の生死も知らないでしょう。」

「そうか?戦争ってのは本当に残酷だな〜人の行いを失い、獣のように敵を撃ちまくるだけだもんな。」

フィンはふと浮かんだ質問をオアンに投げかける。するとオアンは、滑らかに照明を反射するハゲ頭を格好つけながら、気楽に話を伝える。フィンは努めて陽気な口調で話していたが、彼の小さな目はなぜか悲しそうに見えた。

「同感です。だから俺も必ず後で母にまた会って、立派な親孝行息子になろうと思ってるんです。村で暮らしていた頃は、いつも分別なく金をこっそり盗んだりしていましたからね。」

「やれやれ、親不孝なやつめ。親には優しくしろよ。いるうちに優しくしろってのは、ただ言ってるんじゃないんだぞ?戦争が終わったら、みんなでパーティーでもしようぜ。」

「いいですね!酒もたくさんあったんで、がぶ飲みしたいです。」

まだ来ていない未来を想像しながら、二人はにやにやと笑う。彼らの姿は軍人、そして大人である以前に、ただの無邪気な少年だった。

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